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西陣にまつわる人々が、綴るコラムCOLUMN

2022.11.26
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【 藁で作ったクリスマスリース 】

 

京都は紅葉の真っ盛り。となると今年もまもなくクリスマス、そして新年の準備が始まりますね。

 

さて、アートスペース・クマグスクの中にある視覚研究所では、12/9(金)〜12/11(日)、同所で開かれる恒例のクリスマスマーケットへ出品するために、今年は《藁(わら)》で作った和テイストのクリスマスリースを用意しました。

 

オーナメントは真鍮や銅を一つずつ鍛造して槌目をつけた手作りの本物。伝統紋様で形どられたたくさんのパーツの中から自由に組み合わせて、その場でオリジナルのリースを手にすることが出来ます。だからクリスマスに限らず《お正月飾り》にもなる優れもの。

 

ものづくりの街らしく”選べて自分だけのリースをデザインする手作りの愉しみ”を体験していただけたらな、と思います。ご都合えばぜひお越しくださいね。

 

【ソシエテヌーベルリュネト視覚研究所】

〒604-8805 京都市中京区壬生馬場町37-3

075-432-8168

 

◎kumagusuku Christmas Market 2022

12/9 fri – 12/11 sun・11:00 – 18:00

kumagusuku Christmas Market 2022

山ノ瀬亮胤

眼鏡制作者・現代美術家・ソシエテヌーベルリュネト視覚研究所々長 山ノ瀬亮胤

京都市上京区在住。眼鏡制作者・現代美術家・ソシエテヌーベルリュネト視覚研究所々長。芸術~工芸に拡がる独自分野の構築で国内外より評価され欧州ハプスブルグ家御用達。マスメディアでの出演・取材多数。豊かな江戸庶民文化と職人の心を紹介している。

2022.11.21
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小さな路地に沿った木造長屋の一角。中に入れば、剥き出しの木造の柱や梁、織物の作業場だった頃の面影を残す二階から飛び出した手摺などが目をひきます。おまけに奥の壁には天井まで届く後付けの本棚も。ギャラリーと聞いて、真っ白な壁に囲まれた空間を思い浮かべる人にとって、現代美術製作所はかなり変わった所に感じることでしょう。
しかし、いわゆるギャラリーとは違う、個性的な空間に表現意欲を掻き立てられるアーティストもいます。11月20日まで個展を開催していたエリザベス・シールストロムさんもその一人。世界各地の民芸がモダニズムに与えた影響をテーマに作品を制作しています。コロナウィルスの流行を挟み、3年越しで実現した今回の個展《皮膚に触れる》では、自らの手織りの布を用いた作品を展示。作品の点数を絞り込み、それぞれの作品を繊細に配置し関係づけることで、古い建物の持ち味を活かしながら、モダニズムに通じる純度の高い空間を作り上げてくれました。
ちょうど「西陣555」とも会期が重なり、先日は西陣織の工房見学の街歩きにも参加。そういう機会が提供できたのも嬉しい限りです。

曽我高明

ANEWAL Gallery現代美術製作所 ディレクター 曽我高明

東京の下町・墨田区の向島で、長年展覧会やアートプロジェクトに取り組んできました。縁あって2017年より上京区に拠点を移し、ANEWAL Gallery 現代美術製作所(通称:現代美術製作所)をオープン。ゆるいペースで様々な活動をしています。

2022.11.16
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この頃、西陣の知り合いが出店するイベントにいくつか遊びに行っていました。

イベントに行くと、西陣という地域の知名度の高さを感じる一方、イベントで販売されている商品に込められた思いや、西陣という地域そのもののこと…例えば、西陣織以外にも、実はオシャレなカフェがたくさんあったり、疲れを癒してくれるような素敵な飲み屋や銭湯があったり、静かな朝の散歩が最高だったり…そういった魅力を一度のイベントだけで知ってもらうのは、なかなか難しいと感じました。「とりあえず西陣に来て歩いて、色んな人とゆっくり話してもらって1日くらいは泊まってみて…そしたら色々わかるから!!」とイベントに来ている方に言いたい気分でした。

最近の京都の街には、海外の方を含め多くの人の姿があります。私もつい先日、京都へ訪れた際に海外の方の市バスの代金を一緒に数えたりしていました。コロナ禍前は、京都の観光地には海外の方がたくさんいらっしゃったこと、また、英単語もたくさん忘れてしまっていました…。これからの季節、国内外の多くの方が西陣に来て、自身の体で、西陣の光景、空気、人、ものに触れてもらえたら嬉しいなあ。

依藤菜々子

紡ぎ手 依藤菜々子

同志社大学卒業。 2020年、同志社大学が発行する今出川地域のフリーペーパー「イマ*イチ」の制作を通じ、西陣ならではの凝縮された魅力を知る。 好きなもの:アニメ/クラシック音楽/ミッフィー

2022.11.14
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祖父と父は写真が好きで、たびたび押入れからはたくさんのプリントやネガが発掘されます。今後この写真などをどうしたものか…私の課題でもあります。
たくさんの写真を整理していると大変興味深いネガが出て来ました。撮影者は不明ですがスキャナにかけて見てみると、うちの町内(2021年7月6日の投稿と同じ場所)で祖母の姉が孫をだっこしてる様子です。何が興味深いのかというと、このフィルムサイズが14mm角の正方形!なのです。
カメラ本体は父が生前「これは値打ちあるから大切にしろよ!」とよく言ってましたのでちゃんと大切に?保管されておりましたが、撮影されたネガを見たことはありませんでした。
撮影年月は1950年頃でしょう。この時代のこんな小さなフィルムとカメラでここまでの情報が写し込まれている…昔の光学技術はとても素晴らしいものであったととても感動した次第。
以前も書きましたが写真や8mm映画(動画)は、今の手軽さからは考えられない程、庶民の趣味としてはぜいたくなものでした。改めて実感しました。

岡田健

光都紙工有限会社 代表兼デザイナー 岡田健

西陣の南東?の牛乳屋の息子として生まれ育って五十数年、今は極小印刷会社の代表取締役兼デザイナーです。ウクレレとコーヒーが好きです。

2022.11.12
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「片付け」というものがとにかく好きで仕方がない。
明日の朝、食器棚の整理をしよう。など予定が立つと、楽しみでいそいそと早起きをしてしまうほどに。ある種の才能と感じるのですが、部屋なり物の置き場なりを見ればどう片づけたらいいのかが解るのです。もう少し詳細に説明すると、その空間の容積と物の”導線”を含めた必要容積がどれほどかということが脳内で立体パズルの如く理解される。物はただ整然と仕舞い並べるだけでは不十分で、よく使う(動かす)物であるほどに配置はよく考えなくてはならない。片づけた時から、その物を人間がどのような動きで使うのか。それに付随する身体の占有スペース、視線の位置、物が再び置かれる場所の範囲幅、等々…全てを総合し考え配置し、うまく導線が確保出来その場・物の使用がスムーズになる。この立体的かつ時間軸の加わったパズルが楽しくて仕方がないのです。
しかし、そうして組み上げた人間の思惑を一ミリも慮らないのが愛猫たち。最近では換気のために配置した扇風機がまさかのお気に入りで、日々見事に毛を吸い込んでは弱まる送風力。人の思惑などかくも浅はかなものかと、愛らしき毛玉に翻弄される日々でもあるのです。

松波さゆり

和裁士 松波さゆり

岡山県出身。布好きが高じて京都で学び暮らし始めて早18年目。プロの和裁士としてテレビドラマの衣装をはじめ様々な仕立てを手掛ける。現在は市民運営の寺院 ”寳幢寺”のスタッフとして日々を過ごしながら、社会や地域に貢献できることを模索しています。

2022.11.09
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多拠点生活サービス「ADDress」のまっさんこと高本です。
西陣より少し南に下がった烏丸通沿いにある地元岡山生まれヒーローの神社〜護王神社をご紹介しましょう。

この神社、平安京建都を具申した和気清麻呂公を祀った社なのです。高尾山神護寺境内にあった社が明治天皇の勅命でこの地に遷座されたという変わった神社でもあります。

岡山和気町で生まれた清麻呂は姉広虫と宮廷で活躍、一方で道鏡の九州・宇佐八幡の「道鏡を天皇にせよ」という偽神託を買収に屈せず、暴きいて流罪に遭った際、足の腱を切られながら宇佐八幡に立ち寄った際にイノシシたちが現れて、清麻呂の輿を支えるように道教の刺客から守護した逸話が。40kmにも渡る道のりをガイドされるうちに清麻呂の足の傷も癒えたという奇跡を今に伝える社なのです。足腰の神様として人気のこの社、一時は羽生選手の絵馬だらけになってたこともあったなぁ。

足の痛みがなかなかおさまらなかったオカンの代理祈願で毎年参詣しているけれど、徐々に良くなってはいるようで来年も御参りするつもり。足腰の痛みがある方も、ない方も心静かに落ち着く素敵な場所なのでよかったら立ち寄ってみてくださいね。

高本昌宏

多拠点プランナー / ADDress 事業企画 高本昌宏

学生時代に伏見と西陣に住んだことがきっかけで、京都では決してメインストリームではないかもしれないこの二地域に惹かれる。多拠点居住サービス立ち上げをしながら、2020年伏見移住。西陣にも同年から通い始め、魅力再発見中。

2022.11.07
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今年も11月4日〜6日の三日間、京都建築専門学校では堀川茶室が建てられました。場所は堀川丸太町下がったあたりの堀川遊歩道。2年生たちが茶屋の基礎から組み立てて1年生は2年のお手伝いや土壁を塗り、苫葺や襖、太鼓橋などを拵えます。そして中日でお餅つきを行い、いつもお世話になっている方々につきたてのお餅を振る舞って、ご近所さんにはお裾分けを配る。というのが毎年恒例の学園祭行事になります。
学生たちが今まで作ったことのない物を、前年の学生の作った資料を参考にしながら、3週間ほどの期間で一から自分たちで作り上げていく姿は、いつも感心させられます。
実はこの茶屋を作る行事の前に、学生にとって夏の合宿が重要なんです。夏休み期間中、合宿を行いながら改修・修繕工事を行うのも、この学校の毎年恒例行事になっており、この合宿で生活や仕事をともにすることで学生たちの施工スキルやコミュニケーション、連帯感などが育まれ、夏の経験がこの茶屋の建築に生かされます。
専門学校は2年間と学びの期間が短いですが、短い分学生たちがみるみるうちに成長していく様が(叩き上げともいう?)、堀川茶室では垣間見ることができますので、まだ来られたことのない方は来年ぜひ足を運んでみてください。
この学園祭が終われば2年生は、年明け2月に行われる卒業制作発表に向けて動き出します。まだまだ学生生活は続きます!

磯村明見

特定非営利活動法人ANEWAL Gallery デザイナー/マネージャー 磯村明見

京都市出身のグラフィックデザイナー。日本の老舗印刷会社と上海の広告代理店を経て本帰国後フリーに転身。NPO ANEWAL Galleryデザイナー兼マネージャー担当。京都建築専門学校広報担当。京都芸術デザイン専門学校非常勤講師。

2022.11.05
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全国旅行支援がスタートし、京都にも沢山の観光客が訪れています。

うちのお店の近くにもゲストハウスが点在していることもあり、観光客や外国人のお客さんも少しずつ増えてきました。

先日は、仙台の出身で現在はバイクに乗りながら旅をしているという方と旅の話、特にゲストハウスの話題で大いに盛り上がりました。

僕も旅先でゲストハウスに泊まるのが好きで、色んな思い出があります。学生時代にヒッチハイクで九州一周したときは、鹿児島で一緒になったバイカーのお兄さんたちにご飯をごちそうになったり、東京では台風の影響で足止めを食らった関西人が集結していて朝まで飲み明かしたり、昨年訪れた直島では、うちのお店に来店したことがあるコーヒー好きの学生さんが住み込みのバイトをしていたりと…。

素敵な出会いを沢山いただきました。

コロナがあったり、お店をオープンしたりで最近はもっぱら旅人を迎え入れることが増えましたが、「旅」への情熱は消えていません。

いつか念願の東北方面へのヒッチハイクという夢を叶えたいと思います。そして、その思い出はオサノートにて綴らせていただこうと思います笑

三輪浩朔

Laughterロースター 三輪浩朔

2020年10月「Laughter」を開業。21歳までコーヒーを飲んだことがなかったが、タイ北部の農園に直接足を運んだことでその魅力にほれ込む。コーヒーを通じて生産者の思いやストーリーも届け、一杯から笑顔溢れる空間を紡ぐことを目指している。

2022.11.02
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秋景色とともにゆっくりと冬の気配も近づいてきて、ついこの間まで半袖だったのに!とびっくりする位寒い日も訪れる様になってきました。みなさん冬の防寒対策ってどうされていますか?

 

私は家の中ではもっぱらチャンチャンコを着ながら怠惰を貪っている訳なんですが、最近気になっているのは暖房器具。世界情勢柄、光熱費がどんどん高騰している事情もあるのですが、当方築150年超えの町家に住んでいるもので、流石に冬は寒い(当然の様に夏は暑い)。そんな中暖房をエアコンにするのか、ガスファンヒーターにするのか、それともオイルヒーターなのか。。。と毎回ぐるぐる考えている訳です。

 

どうしようか考えていると、ふと冬キャンプで利用している石油ストーブで今年は過ごしてみようかなと思い立ち、何個か持っているストーブの中からAladdinのブルーフレームストーブを引っ張り出してきて居間に設置しました。

 

即効性の火力はそんなにありませんが見た目は最高です。そもそもブルーフレームストーブは1930年代にイギリスで生まれたということもあり、町家にもベストマッチング。レトロな感じで未だに人気のあるストーブです。

 

レトロな暖かさを感じたい方はぜひAladdinのブルーフレームストーブをチェックしてみてくださいね。

ミツギタカユキ

デザインカタリスト ミツギタカユキ

20歳より渡米し、大学にて彫刻からインタラクティブアート、デザインなど幅広い分野を学びつつフリーのデザイナーとして活動。帰国後京都に移住。現在西陣にてデザインカタリストとしてウェブ制作からデザインに纏る企画・運営など幅広い分野で活動を行う。

2022.10.31
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「ビリヤニあるじゃん。」
普段、ナンとカレーしか頼んだことのないお店で、食通な仕事仲間のOJさんがメニューをペラペラとめくりながら言った。ビリヤニとはインドのチャーハンみたいなもので、ドライカレーとはまったく別物。なんと言えばいいのか、とにかくうまい。このインドカレー屋は、チーズナンがおいしいと以前に僕からOJさんに紹介したお店だけど、逆にビリヤニがあったことを教えてもらって、とりあえずマトンビリヤニを注文してみた。
「プラス200円で日本のお米からインドのバスマティに変えれますがどうしますか?」
日本語が上手なインドの店員さんに聞かれて、即答でバスマティに。結果、大正解。パラパラと細長い米がスパイシーで旨味のある具材と混ざり合って、また全然混ざっていない白いバスマティの塊がマダラな味で飽きさせず最後まで楽しめた。食後に神妙な面持ちの店員さんが近寄ってきた。
「あの、少し申し上げにくいことなのですが、、、、」
頭の中で、ぐるぐると悪いシチュエーションがよぎる。すると店員さんは、テーブルの上にあるペーパータオルを指差して
「もし良かったら、Instagramのフォローご協力ください。」と言った。僕とOJさんは店員さんが厨房に戻ったあと、すぐにフォローした。僕たち以外誰もいない店内。厨房の奥から通知音が2回聴こえた。
西陣に来た際は、千本丸太町(南東の角)にあるインドカレー屋ニューデリーに足を運んではいかがだろうか。

亀村佳宏

映像ディレクター 亀村佳宏

1978年に京都市(北区平野)で生まれ育ち、2002年、上京ののち、PV、スポット CM 制作を経て、撮影技術やコンポジット編集技術を習得。2009年に京都に拠点を戻してから、個人事務所で映像や写真の仕事をしております。趣味:卓球