西陣にまつわる
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高本昌宏

多拠点プランナー / ADDress 事業企画高本昌宏

学生時代に伏見と西陣に住んだことがきっかけで、京都では決してメインストリームではないかもしれないこの二地域に惹かれる。多拠点居住サービス立ち上げをしながら、2020年伏見移住。西陣にも同年から通い始め、魅力再発見中。

2021.12.27
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多拠点生活サービス「ADDress」のまっさんこと高本です。

西陣を語る際に欠かせないのがやはり異界との結界としての側面。

高校時代に観た映画「帝都物語」(1988年)で「怪優」嶋田久作演じる加藤と共に描かれ衝撃的だったのが、陰陽道や式神の不思議な世界。その原点的聖地〜一条戻橋と安倍晴明を祀る晴明神社。(そういえばあの映画の脚本を書いたのは京都芸術大学映画学科でも教鞭を取られている林海象監督だった)

平安時代、安倍晴明が異界と交信をしたこの場所に千利休に屋敷を与えたのが天下一統を成し遂げた秀吉。境内の「利休井」の水で利休が供した茶を嗜んだ秀吉も陰陽道パワーを得ようとしたのかも知れない。利休はその後秀吉の逆鱗に触れて切腹、戻橋に梟首されてしまったのだけれど多数のスピ系女子の聖地と化している今の風景を見れば、利休も秀吉もびっくりするに違いない。

石鳥居に妖しくも鈍く輝く、「ドーマンセーマン」と呼ばれる五芒星を見る度に摩訶不思議な裏西陣の魅力をもっと知りたくなる。

2021.11.28
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多拠点生活サービス「ADDress」のまっさんこと高本です。

幼い頃から大好きな風景〜夕陽が沈んだ後に訪れる街の黄昏時の風景。僕の岡山実家は、路幅が車1.5台分程度の狭いアスファルト街路の住宅地なのだけど、西陣の黄昏時、当時の懐かしい風景に出会えるのだ。暗くなればなるほど昭和にタイムスリップしたような懐かしさに包まれる。それは心地良くも、どこかそこはかとない不安や畏れに似た気持ちにもなる時間。遠くで犬がわお〜んなんて鳴いているのも風情があっていい。

映画「千と千尋の神隠し」で魑魅魍魎が跋扈する現実世界から歪んだ時空間に放り込まれる夕暮れシーンがあるのだけど、怖い反面つい惹かれてしまう光景でもある。黄昏時の語源が「誰そ彼どき」という急な暗がりですれ違う人の顔も不明瞭になるあの不思議な感覚。
それは日常のなかの非日常。これを味わえる贅沢なひとときが人生の楽しみでもある。

西陣の黄昏時、もしも僕とすれ違ったら声を掛けてくださいね!ひょっとしたらびっくりして逃げるかもしれないけれど(笑)

2021.10.29
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多拠点生活サービス「ADDress」のまっさんこと高本です。

多拠点暮らしではその地域で人との新しい出会いや、つながりが生まれることが嬉しいのだけれど、その狭間に新しい本と出会えることもまた嬉しい〜ADDressには「旅する本棚」という企画があって、企画連携している家ではそこで出会った本と一緒に旅することも出来たりもするのです。

西陣の「ADDressの家」でもある「KéFU西陣」、一階の本棚は上記企画とまた異なる独自の本棚があり、毎回滞在時に思ってもみない知的刺激の邂逅や発見に満ち溢れていて、楽しみのひとつ。

人気書店「恵文社一乗寺店」による100冊の選書は、旅や京都のオルタナティブ視点テーマ本、哲学本や絵本など様々ながらそれでいて「らしさ」が醸し出されていて面白い。滞在の度に棚の本は変わっていて偶然なる本と出会い、珈琲の薫りを愉しむ読書のひとときもまたお薦め。

今まで出会ったお気に入りの本たち。
「変なお茶会」(佐々木マキ)
「ひつじの京都銭湯図鑑」(大武千明)
「雪」(三好達治)

あなたのお気に入りの一冊は何ですか?またお目にかかる時、教えてくださいね。

2021.09.29
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多拠点生活サービス「ADDress」のまっさんこと高本です。
西陣で体験できる超絶な「おいしいもの」は前回お話したKéFU(ケフ)のあんバタートーストをはじめ、キッチンパパのハンバーグや、べじさら舎の野菜たっぷり定食などたくさんあるのだけれど、まだまだ西陣事に疎い身としては西陣で動き回っている人たちに聞いてみるのがお奨め。

ということで西陣に店を構えて、頑張っている二人組のタイ・オーガニック珈琲「Laughter(ラフター)」三輪くんに「なんか美味しいランチない?」と聞くと「それなら鳥岩楼の親子丼がイチオシですよっ!まだ食べたことないけど」と答えが返ってきたのだった。何故食べたこともない親子丼をイチオシに出来るのか、さっぱり意味不明だったけれど、いつもの際限ないスマイルで微笑む三輪くんのまるで象牙のようにきらりと輝く白い歯にほだされて、バッタリその日に会った宮武さんと行くことにしたのだった。

三輪くんへ、本当に有難う。これは今まで食べた中でも絶品の親子丼。そして次回は一緒に食べに行こう!もちろん、食後はチャーリーさんの珈琲で。みなさんにも是非味わって欲しい、西陣の美味しいあれやこれ。

2021.08.30
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多拠点生活プラットフォーム「ADDress」のまっさんこと高本です。
この春から東京のとある広告代理店のお手伝いで、東京と京都の二拠点暮らし中。東京比率が高まるにつれ無性に食べたくなるのがこのあんバタートースト。ADDress拠点でもある「ケフ西陣」の朝食メニューで伏見の自宅からこれを食べるためだけに西陣に車で定期通勤?していたくらいお気に入り。

1908年創業、北野天満宮前にお店を構える中村製餡所の粒あんが贅沢に盛られ、ふんわり柔らかい風味のケフ西陣自家製バターとこんがり焼かれたトーストが奏でるシンフォニー。丁寧に淹れられた珈琲と至福の朝餉時間を楽しめること間違いない。東京でもあちこちでこの話をふんわりしていて、聴いたひとは誰もが「それいつか食べてみたいなぁ〜」と子犬のような優しい瞳になるのだった。

これから京都に行かれる方も、ジモトな京都に住まうあなたも、ぜひ一度お試しいただきたい。優しいあんこの甘さのその奥に、日常の中にある非日常な幸せをそこはかとなく感じさせてくれるはず。西陣の朝はおいしいよ。

2021.07.31
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多拠点生活サービス「ADDress」のまっさんこと高本です。

学生時代に住んでいた場所の真向かい辺り、堀川商店街の中に「HORIKAWA AC Lab」(ほりかわえーしーらぼ)という不思議な書店が突如出現したのが2018年5月のこと。「世界でたったひとつの自分の本」を作れる本屋を目指し、大垣書店の御曹司大垣くんが自ら企画、多彩な紙の量り売りやオリジナルノートを活版印刷で作れるワークショップを仕掛けたり、とにかくワクワクする空間だった。(お店は今年の3月で一旦閉業。これから新たな仕掛けが西陣界隈でありそうな気配)

ドイツ製活版印刷機を使って、銀河鉄道の夜のカンパネルラのように活字をひとつひとつ探しながら組み合わせて印刷するワークショップに参加したときのこと。僕の娘がその年の正月に書き初めしたことばが頭にすっと出てきて、迷うことなく一文字ずつ選び出して、組んでみた。

「じゆうにいきる。」

また近い将来、西陣で活版を組む機会があればどんなに楽しいだろう。
みなさんはどんな言葉を選びますか?

2021.07.01
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多拠点生活サービス「ADDress」のまっさんこと高本です。西陣のみならず、京の街を歩いていると必ず出会い、その度に引き寄せられそうになる存在。それが「ろおじ」。「ろおじ」とは、京ことばで路地のこと。京都の人は「お」にアクセントを置き愛おしむように発音するらしい。(『京のろおじ』暮らす旅舎編)岡山生まれの僕にはあまりうまく発音できないけれど、そんな「ろおじ」が西陣にもたくさんあって、その中でヘンテコなお店がおもちゃばこみたいに詰まっているろおじがこの「西陣ろおじ」。京友禅とアフリカをマッチさせたアフリカドッグスや、職人が黙々と皮を編んでいるキャッチャーミット屋さん、最高の笑顔で話しかけてくれてほっこりさせてくれるアクセサリー屋さん。ろおじに入っても普通はすぐに出る感じだけれど、ここはなかなか抜けられない人の魅力が詰まったヘンテコろおじなので、だまされたと思って一度入ってみて欲しい。きっとじわじわとくる予想もしなかった、何がが起こるかもしれないよ。

2021.06.01
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多拠点生活サービス「ADDress」のまっさんこと高本です。

ADDress京都西陣B邸〜KéFUで暮らせるようになって、たまに散歩するのが30年近く前に学生時代暮らしていたワンルームマンション周辺。堀川通りは上長者橋のほど近く、僕はここに住みながら今出川の大学に通っていた。

すぐそばにある堀川商店街(今やまち再生で数多くのひとたちが活躍する聖地だ)はもちろん、OSANOTEで紹介される西陣の日常のなかの非日常なんて全く興味もなく、梅田や河原町、丸田町のメトロに繰り出す日々だったけれど上長者橋から堀川を眺めてみるとそのときも今も変わらない風景を眺めることができた。

 

陰陽師・安倍晴明で有名な一条戻橋あたりから中立売橋あたりまで続く、この堀川の小路に点在する石のベンチで朝やひるさがりにぼーっとしてみると贅沢な時間が過ごせる筈。

マンションのオーナーさんの立派な町家は今やビルになり、一方で織物産業も様々な困難のなかで世代継承がされている時代。堀川の風景は変わらず、川の水も静かに流れ続けている。

2021.05.02
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今から28年前の今頃、僕は大学にほど近い堀川上長者町に住んだばかり。丸太町のセブンイレブンや、西陣織会館でのアルバイトをワクワクしながら始めていたことをまるで昨日のように思い出しながらこれを書いている。

多拠点生活サービス「ADDress」で連携している「KéFU(ケフ)」の皆さんと知り合って、西陣には学生時代全く見えてなかった「日常のなかの非日常の魅力」に溢れていることを知った。KéFUには路地(ろおじ)まで描いたWALLMAPがあり、そこでも紹介されている地元食材店から仕入れた朝ごはんが美味しくて伏見から通っている。

西陣に通い始めて、何より嬉しいのは声をかけあえる「まちのなかま」が出来たこと。

写真は朝食の際に偶然一緒になり、やってみたいことについて情報交換できた「まちのなかま」。(ADDress池上家守でもある黒田愛美さんと学生起業家の宮武愛海さん)西陣のあちこちでこんなシーンがこれから増えていくことを楽しみにしている。多拠点ぐらしは短期宿泊ではなかなか出会えない「まちのなかま」が生まれていくチャンスに満ちている。そこから何かが生まれるかもしれないこれからが楽しみだ。