【100年前、海を越えてやって来た】
[Goodell-Pratt Company(グッデル-プラットカンパニー社・米国マサチューセッツ州)は1895年に設立〜1929年の世界大恐慌の煽りを受けて業績が悪化し、1931年にミラーズフォールズ社による買収で消滅。]…という工具が当工房では現役です。
いつ嫁いで来たのか詳細はわかりませんが、数世代に渡って使われたようで、もの凄いへたり方です。ある日、機械化の波に押されて片隅に追われ、やがて忘れられていったのでしょうか。
数十年ぶりに陽の光を浴びた姿は、古びてすり減ってはいるけれど錆もせずに。油を挿せばカタカタ、ユラユラと羽車が回り出しました。長い眠りから起こされた工具は、なんだか戸惑っている様子でした。
その日(使われなくなった日)には大切に仕舞われたことがわかる気がします。長年親しんだ工具との訣別はどんな気持ちだったのでしょう。仕舞う際にはきっと「ご苦労様」って声がけしたのだろうな。。先人との対話はいつもこのように行われます。