あんこ、梅雨のパン祭り

 

今年も6月がやってきた。早くも1年の折り返しに差し掛かろうとしているのだが、なんだかこの時期は足取りが重くなる。長く続く雨で洗濯物はどんどんと溜まり、じめじめとした空気は暑い夏がくることを彷彿とさせる。

そんな時こそパンを食べて元気を出そう!と友達に誘われ、今日はルプチメックの新作パンを食べに来たのである。

 

 

いつもの店構えがより赤く見えるほど小雨が降りしきる西陣のまち。あちこちで色鮮やかな紫陽花が花を開き、シックな雰囲気を醸し出していた。

店に入ると、たくさんのパンが私たちをお出迎えしてくれた。「雨宿りにここでひと息つきませんか」と語りかけているかのように美味しそうなパンの数々である。

いつもは店の奥で和気藹々と語り合う姿や、ゆっくりと本を読む姿をちらりと眺めていただけだったが、今日は自分たちもこの空間を楽しむことができるのだ!

パンを買い、席に座り、パンを待つ。

席からはパンが並ぶオープンディスプレイが見え、食欲をそそられた。

 

 

プチメックではイートインの場合、購入したパンを温めなおし人数分に分け合ってくれるサービスがあり、ほんの少しの気遣いであるが心が温まった。

 

創業25周年第四弾の今回は、爽やかな味わいを感じさせる3種類のパンである。

 

 

まずはくるみパンのあんバターラムレーズン。

 

 

あんバターの原点は小倉トースト!名古屋出身のわたしは小さい頃から食べてきたソウルフードである。あんバターの美味しさの秘訣は、あんことバターの割合にかかっていると考える。あんこが多すぎてもバターが多すぎてもダメなのだ。プチメックのあんバターはどのような仕上がりになっているのだろうか。パクッと大きな口で頬張ると口いっぱいにゆたかな香りが広がった。あんことバターがちょうどいい具合でお互いの味を引き立てる。「めっちゃ美味しい~~~!!!!」と思わず2人とも言ってしまうほど、つぶつぶ感の残る餡と少し溶けたバターの組み合わせが美味しかった。

 

 

お次にいただくのは、フワンボワーズと粒あんのデニッシュ。

 

 

ずっしりとあんこがのったデニッシュはひと休みのおやつにピッタリな大きさである。ふんわりとした食感をしたパンにはほろ苦いコーヒーがよく合う。あれ、甘酸っぱさとクリーミーな味がするぞ?中にフランボワーズとクリームチーズが入っているではないか!!粒感の豊かさと、滑らかな舌触りが甘いデニッシュ生地と織り交ぜられ食べる手が止まらない。小倉餡にフワンボワーズの甘酸っぱさとクリームチーズの濃厚さが加わって、蒸し暑い季節にも食べやすい味わいになっていた。

 

最後は、アン・シトロン。

 

 

ぽてっとした丸型のパンの中には白あんが使われていた。この白あんには、レモンピールが混ぜ込まれており、レモン風味の爽やかさをスッキリと感じられた。このスッキリとした甘さがこれから来る本格的な夏の季節にぴったりのものとなっており、柑橘の香りを楽しめるさっぱりとしたパンとなっていた。

 

創業25周年を記念したパンシリーズは毎月発売されているのだが、発売されるパンに合わせたポストカードも毎月先着順でもらうことができることをご存知でしょうか?私たちは先月までその情報を知らず、今回プチメックで500円以上購入したところ、第四弾までのポストカードを全てもらうことができた。イラストレーターの笹原由子さんが書き下ろしたポストカードとなっており、とっても可愛くて思わずコレクションしたくなるはず。こちらは毎月新作パンが発売される12日に合わせて絵柄も変わるのでこれからも注目していきたい。

 

以上、あんこ梅雨のパン祭りをお届けしました。

あんこの魅力はまだまだありそうだ!と感じさせる3種類のあんぱんは少しだけ気分を明るくしてくれた。ちょっとスッキリとした気分になったのでその勢いでやるべきことを終わらせようと思う。プチメックのパンはいつも変わらぬ美味しさとワクワクドキドキ感を自分に教えてくれる。そこがこのお店の魅力である。雨も止んだので今日は友達とここでバイバイしてお散歩しながら家に帰ろう。約1ヶ月の梅雨を越えれば暑い夏が来る。今はその準備期間だと思ってゆったりと気ままに毎日を過ごしていこうと思う。