玄関を出ると暑い空気が容赦なくまとわりつく。
ついさっきまで涼しく乾いていた肌が濡れ、服までべとべとになり、Uターンしてしまおうかという衝動をなんとか抑えながら前に進むこの季節。
暑いのも人混みも嫌いなはずなのに、祭と聞くと心が浮足立つのは日本人の性なのだろうか。
祇園祭のお囃子と共に、京都の夏がスタートを切った。
祇園祭は鉾町に関係のない者にとっては宵山と山鉾巡行、神幸祭あたりがお楽しみだろうか。
私に至っては、組みあがった鉾を眺めながら歩き、粽としみだれ豚饅を買って満足するにわかっぷり。
そして、7月19日には伏見稲荷大社の宵宮祭へ。下鴨神社のみたらし祭にも足を運び、7月末には西本願寺の納涼盆踊りや各地域の夏祭りをゲリラ的にまわる。お盆には清水寺千日参りからの下鴨納涼古本祭という、観光客顔負けのミーハー祭行脚を計画している。
こんなことをしていると、軽んじているようで怒られる気もする。だが、祭というのは五穀豊穣を祈る自然信仰が由来であり、祭の原型とされている天岩戸神話でも神々が歌い踊る場面がある。だから私は、祭と聞いて美味しいものを楽しんだり、その場の空気を味わうことも祭の楽しみ方の一つだと思っている。
夏の京都は暑すぎて行くもんじゃないという気持ちもすごくわかるが、この時期はホテルも比較的安いし、歴史ある行事もたくさんある。夏にしか出会えない京都がある。
今年も汗だくになりながら、京都中の祭を追いかける夏になりそうだ。
探り手/運営 横山恵 KéFU stay&lounge
KéFU stay&loungeカフェ宿泊事業統括マネージャー。「オサノートを通して西陣の街を訪ねてほしい」という思いでメディアを設立。普段は宿泊施設やカフェの現場に立っていたり京都を走り回っています。純喫茶とロックライブが好き。すてきな純喫茶情報お待ちしてます。