西陣にまつわる
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西陣にまつわる人々が、綴るコラムCOLUMN

書き手

横山恵

探り手/運営横山恵 KéFU stay&lounge

KéFU stay&loungeカフェ宿泊事業統括マネージャー。「オサノートを通して西陣の街を訪ねてほしい」という思いでメディアを設立。普段は宿泊施設やカフェの現場に立っていたり京都を走り回っています。純喫茶とロックライブが好き。すてきな純喫茶情報お待ちしてます。

黒田健太

紡ぎ手/綴り手黒田健太 KéFU stay&lounge

初めまして、 西陣に住んでいる黒田健太です。 夜のがらんとした千本通を歩くのが好きで、たまに夜中に出かけます。生活をしていると忘れてしまうのですが、そんなささやかな時間にときどき立ち寄りたいと思っています。

山内麻結美

紡ぎ手/探り手山内麻結美 KéFU stay&lounge

最近、西陣で暮らし始めた大学生です。歩くたびに地元とは違う京都の空気や景色に惹かれるようになり、気になる場所にはつい Google マップにピンを立ててしまいます。ピンを制覇するのも目標で、行きたいところもたくさんあります。西陣のまだ知らない場所、一緒に巡りませんか?

石橋ゆい

探り手/拓き手石橋ゆい

西陣に来たばかりの大学生、石橋は叩いて渡らないタイプ。 忘れん坊ですが、行動力は一人前。面白いものを見つけるとすぐ寄り道してしまい、よく西陣でも迷子になります。 オサノートを通じて、この地域のことを皆さんと一緒に知っていけたら嬉しいです。

KéFUスタッフ

KéFUスタッフ


2026.04.19
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この西陣には、有名な歴史上の人物ゆかりの場所が数多く残っている。お寺へ行けばその名を目にし、聚楽第の外堀や井戸、お土居などが今も住宅街の中に息づいている。教科書の中の出来事にも生活があったのだと感じることができる。

こうした歴史を丁寧にめぐるのも、この街の楽しみ方のひとつだと思う。ただ、正直言うと、私はそこまで歴史に詳しくない。
だから今回は、もう少し気楽な方法でこの街を楽しむ話をしたい。ある意味、京都らしい方法だ。

まずは、スマートフォンを取り出す。できればモバイルバッテリーもあると安心だ。たくさん歩くので、履きなれたスニーカーも用意しておきたい。
そして、『Pokémon GO』のアプリを開く。

これだけだ。

画面にはポケストップというモニュメントがいくつも表示される。『Pokémon GO』のフィールドは現実世界と連動しているので、ポケストップを頼りに、ただ歩いて、タップする。
それだけで、街の見え方が変わる。Googleマップには載らないような場所が、妙に丁寧に拾われているからだ。

例えば、KéFU stay&loungeの近くには、「弘法大師が掘った井戸」というスポットがある。長年住んでいても「そうなの!?」と思うような場所が、普通に混ざっている。

もちろん、有名な観光地にもポケストップはある。金閣寺や清水寺といった誰もが知る場所
のギフトはなんとなく特別な気がして、スタンプラリーのように集めるのも、ひとつの楽しみ方だ。
京都に限らず、どこかへ出かけたときにこのアプリを開いてみると、その街の見え方が少し変わるかもしれない。

ただし、ひとつだけ注意がある。
画面を見てばかりいると、目の前の街を見落とす。
ほどよく使いながら、街そのものを楽しみたい。

横山恵

探り手/運営 横山恵 KéFU stay&lounge

KéFU stay&loungeカフェ宿泊事業統括マネージャー。「オサノートを通して西陣の街を訪ねてほしい」という思いでメディアを設立。普段は宿泊施設やカフェの現場に立っていたり京都を走り回っています。純喫茶とロックライブが好き。すてきな純喫茶情報お待ちしてます。

2026.03.24
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今年度の初め、京都に引っ越してきたときに念願のクロスバイクを購入した。京都での移動は自転車ひとつでできると聞き、いろんなところを巡ろうと楽しみにしていた。

ついにこの間、京都から実家のある大阪まで自転車でサイクリングするということを実行した。自転車を購入したときに、嵐山から大阪梅田までのサイクリングロードは4時間で着くと聞いていて、やってみたかったのである。朝7時に起床し、これもずっと行きたかった北山のFUGLENに行き、コーヒーを堪能してからスタート。ルートは鴨川沿いをずっと下り、そのまま淀川沿いを大阪まで走るというものだ。8時ごろに鴨川デルタ付近を出発した。朝の陽の光を浴びながら鴨川を下っていくのはすがすがしく、通勤通学の人たちを横目に、自分だけ少し遠くへ向かっているような気分になった。

途中で土手がなくなり、本町通というところを進んだ。東福寺や伏見稲荷大社を横目に、京阪電車と並走する形で進む。10時頃にはお目当ての伏見の淀水路の河津桜に到着した。ここもずっと見てみたかった桜で、思っていた以上にまっピンクの桜が満開できれいで驚いた。近くの商店街で買ったナッツドリンクを飲みながら、しばらく桜を眺めていた。休憩後、淀を越え、石清水八幡宮を過ぎたあたりで、宇治川・木津川・桂川が合流する地点に立ち寄った。近くにあった展望台に上ると、広く開けた景色が見渡せた。もう少し暖かくなれば桜並木がきれいに見えるみたいだ。そこからは川沿いの道をひたすら進み、枚方、寝屋川、門真、守口と通過していった。途中、がっつり装備をそろえてサイクリングしている人たちに何度も抜かされたが、自分はゆっくりマイペースで進んだ。淀川沿いを走り切り、都島の毛馬付近で市内へ。京都とは打って変わって、大阪の街はにぎやかで少し雑多な空気がある。そのギャップに驚きながらも、「帰ってきたな」という感覚もあった。 そこからさらにしばらく走り、13時過ぎには地元に到着。約60キロ、5時間のサイクリングだった。

疲れたのでもうしばらくはいいけど、またどこかに行こうと思う。次は京都の北のほうにも行ってみたいなと思った。京都生活でやってみたかったことを1つできて、いい一日だった。

山内麻結美

紡ぎ手/探り手 山内麻結美 KéFU stay&lounge

最近、西陣で暮らし始めた大学生です。歩くたびに地元とは違う京都の空気や景色に惹かれるようになり、気になる場所にはつい Google マップにピンを立ててしまいます。ピンを制覇するのも目標で、行きたいところもたくさんあります。西陣のまだ知らない場所、一緒に巡りませんか?

2026.03.16
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日差しがあたたかい。一条戻り橋の河津桜は、もう葉が目立ち始めている。

一条通りを東に歩き、お店が見えると、正面ではなくあえて駐車場側から敷地に入る。小道を抜けると、空間がふっと開き、美しい庭園とテラス席が現れた。

 

ここは虎屋茶寮 京都一条店。黒を基調としたインテリアに静かな店内。落ち着いている雰囲気の中で、店員さんたちはテキパキと動いている。テラス席に座りたいことを伝え案内してもらう。

「少し寒いので」とブランケットとお茶を持ってきてくれた。「注文がお決まりになりましたらお呼びください」と離れようとする店員さんを呼び止める。

 

今日は3月16日。この時期の注文は決まっている、よもぎ餅だ。

 

虎屋のよもぎ餅は、この時期だけ、一部の店舗でしか食べられない。

二年前、お汁粉目当てで訪れたとき、期間限定の文字を見つけ、注文しないわけにはいかなかった。それからは河津桜が咲き始めると、まだかまだかと待ちわびてしまう。

 

よもぎ餅が席に届くと、まずは一緒に注文した玉露に湯を注ぐ。

茶を蒸らしている間に、よもぎ餅をひとつ。ゆっくり焼かれているのだろう。餅がとろりとして、こし餡と口の中でやわらかく混ざり合う。添えられた桜湯をひと口含み、ゆっくりと深呼吸をする。

よもぎと桜の香りで口いっぱいに春を感じる。この瞬間がとても好きだ。

続けて玉露を飲み、濃厚な旨味に思わずしばらく言葉を失う。これがいつもの流れだ。

 

暖冬とはいえ京都の冬はとても冷える。

三月に入ると、少しのあたたかさとともに花粉が春の訪れを知らせる。

花粉症になってからは春が恨めしいものになっていたが、本来は全ての生物が動き出すような香りが好きだった。それを思い出させてくれるのが、虎屋のよもぎ餅だ。春のあいだに、もう一度食べに来ようと思う。

横山恵

探り手/運営 横山恵 KéFU stay&lounge

KéFU stay&loungeカフェ宿泊事業統括マネージャー。「オサノートを通して西陣の街を訪ねてほしい」という思いでメディアを設立。普段は宿泊施設やカフェの現場に立っていたり京都を走り回っています。純喫茶とロックライブが好き。すてきな純喫茶情報お待ちしてます。

2026.02.11
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2月8日。日中から降り続いた雪は積もり続け京都は雪景色となった。

20時13分、鴨川。トレッキングシューズの中で雪が転がっている。雪中から片足を抜いてはまた差し込んでを繰り返している。ザクザクと歩みを進める。友人と夕食の約束をした時間が迫る。鍵穴が凍ってしまった自転車はスーパーに置いてきてしまったし、川端通りの車通りは絶えタクシーも捕まらないので、鴨川を北上し地下鉄に乗ることにする。巻いたマフラーは凍ってしまって肩の上で立っている。友人から着信があり通話状態にする。約束の時間に遅れていることを謝り現状を伝える。返答はない。スピーカーにしても聞こえない。相手の音声が聞こえない。電波の問題かと思いこちらからもかけ直すがやはり聞こえない。どうやらこちらの声も届いていない。携帯電話をポケットにしまうと周囲の音が消えていることに気づく。街の音を吸い込んだ雪が足下に溜まっていって靴底にへばりつく。

雪は相変わらずしんしんと降る。そういえばそんな名前の深夜喫茶があったなあと思い出す。夜あかりが雪に照り返って昼間よりも明るく感じる。鴨川にあるものに等しく雪が積もって丸みを帯びている。蛇口、ベンチ、石碑、注意喚起の看板。河川環境を整備する角張った設置物たちの輪郭がゆるくなる。歩き続ける。人はいないがひとでないものたちとすれ違う。ゆきだるま、人型の雪跡、かまくら。それらを作った人たちはどこにいったのか。かまくらの中を覗いてみるとあたたかい。室内は思ったより広い間取りで作り手の力量がうかがえる。三人くらいは入れそうだ。部屋の奥にもまだ何かある。童心に帰る恥ずかしさも雪が隠してくれるから有り難い。かまくらからお暇して、すこし走ってみたりしてぜぇぜぇと空気を吐き出す。酸素が喉を濡らす。同じことを考えたのか対岸では数人が雪坂を転がっていく。悲鳴と歓びが混じった声を聞く。雪は大人の輪郭もまるくしてくれるらしい。風邪をひかないようにね。音が戻ってきたことに気づく。そろそろ電話をかけても繋がりそうなので再び川端通りへ戻る。電話するよりも先に蕎麦屋で待つ友人から気遣いのメッセージが入る。あたたかい蕎麦が待っている。行く、と伝える。

黒田健太

紡ぎ手/綴り手 黒田健太 KéFU stay&lounge

初めまして、 西陣に住んでいる黒田健太です。 夜のがらんとした千本通を歩くのが好きで、たまに夜中に出かけます。生活をしていると忘れてしまうのですが、そんなささやかな時間にときどき立ち寄りたいと思っています。

2026.01.24
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1月1日、仕事のために外に出てみると、いつも静かな西陣の街が、さらにしんと静まり返っていた。寒い中でも元気に自転車を走らせている学生の姿も、スーパーの前で井戸端会議をするおば様たちの姿も見当たらず、一人この世界に取り残されたかのような気持ちで歩いた。

お正月になると人混みで進めなくなる観光地の京都とは違う、生活の匂いがするこの静けさが、私はけっこう好きだ。

 

すぐに答えが出ないものを、ゆっくり眺めるのが好きになったのは、この街に来てからだ。ここ3年くらいでフィルムカメラを撮るようになった。スマートフォンやデジタルカメラで撮るよりもずっと慎重に、しかし案外大胆に撮っていくのが楽しい。ハーフカメラのため、36枚フィルムでも72枚撮ることになる。下手をすると撮り始めてから現像までに半年くらいかかってしまうこともある。

半年前にカメラ越しに見たものは、思っていたよりも普通の景色で、SNSなどで公開するほどのものでもない。しかし、そのときの私は「なんかいいなぁ」と思ったのだろう。

 

この街に住み始めて7年。古い家がなくなり、お店の顔ぶれが変わるなど、多少の変化はある。それでも、いつも散歩している犬と出会うことや、毎年同じ順番に咲く交差点の桜、競うようにイルミネーションを飾る三軒の住宅などは、私にとってのなんかいい西陣の風景だ。

 

誰にとっても、この街には「自分だけの風景」があるのだろう。

街に住む人それぞれの風景を、このオサノートを通じて少しでも教えてもらえると嬉しい。

横山恵

探り手/運営 横山恵 KéFU stay&lounge

KéFU stay&loungeカフェ宿泊事業統括マネージャー。「オサノートを通して西陣の街を訪ねてほしい」という思いでメディアを設立。普段は宿泊施設やカフェの現場に立っていたり京都を走り回っています。純喫茶とロックライブが好き。すてきな純喫茶情報お待ちしてます。

2026.01.16
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新年が明けて、気づけばもう半月が過ぎようとしています。
京都で初めて冬を越す私にとって、この寒さはなかなか手強く、防寒グッズに頼る日々です。外に出るのが少し億劫になる季節ですが、飲み物を温かい飲み物を飲む朝の時間は、私の小さな楽しみになっています。

そんな年明けの1月4日、KéFU stay&loungeにてお餅つき大会が開催されました。
お餅をつくのは今回が初めてで、杵を持ち上げた瞬間、その重さに驚きました。想像していた以上に力が必要で、思うように振り下ろすのはなかなか難しかったです。

普段は穏かな雰囲気のKéFUが、この日は近所の方々や子どもたちでいっぱいになり、人が集まるだけで、空間の空気がこんなにも変わるのだと感じました。にぎやかで少しあわただしい空気の中、子どもたちの様子を眺めているうちに、自然と気持ちが和らいでいきました。

お餅をついたあとは、みんなで丸めて、きなこやみたらし、磯部焼きなど、いろいろな味で楽しみました。にぎやかな時間が一段落したあとは、スタッフみんなでテーブルを囲み、お餅とぜんざいをいただきました。身体も心も、じんわり温まる時間でした。

こうした年始の出来事を重ねる中で、これまでぼんやり考えていた「今年をどんな一年にしたいのか」という問いが、少しずつ言葉になってきました。

そんな流れもあって、1月6日に上京区役所で開催された「2026新春描き初め大会」に参加しました。
午年にちなんで「飛躍」と書いてみたものの、いざ目標として考えると、どこかしっくりこない感覚もあり…。久しぶりの習字は、自分の気持ちを整理する良い時間になりました。

このコラムを書いている今では、今年の目標を漢字一文字で表せるようになっています。
もし機会があれば、ぜひ直接聞いてみてください^^

さて今年度からは、この「osanote」のコラムをはじめ、KéFU stay&loungeでも毎月イベントを開催していく予定です。
どうぞ、お楽しみください。

山内麻結美

紡ぎ手/探り手 山内麻結美 KéFU stay&lounge

最近、西陣で暮らし始めた大学生です。歩くたびに地元とは違う京都の空気や景色に惹かれるようになり、気になる場所にはつい Google マップにピンを立ててしまいます。ピンを制覇するのも目標で、行きたいところもたくさんあります。西陣のまだ知らない場所、一緒に巡りませんか?

2023.03.08
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こんにちは、〈みよしの〉です。

今回はosanoteとのご縁について。

それは一昨年の秋、たまたま堀川下長者町の郵便局にてosanoteの冊子を手に取った時から。

最初、写真の表紙に目を奪われた。
カッコいいなぁ、どこか芸術系の学校のパンフ?
(カッコいいから、真似っこして私も同じ場所からスマホでパチリ。全然ちゃうやーん。)

わぁ、何か沢山字が詰まってる♪
ウチ帰ってゆっくり読むか、とリュックの中に。

お店紹介やお得情報だけではない、ホント〈短い読物〉
作り手の体温やら重みがズシッと。
ええなぁ、こういうの。

最後にライター募集の記事。
初心者でもオッケーなんや、へぇ~…。
で、編集部にメール。

それはほんのきっかけ。
ただ上京区に住民票があるだけ。
ただ長年住んでいるだけ。
仕事も西陣色の微塵もないフツーの事務職。
さして何の繋がりもない私が一人、ポンッと転がりキャッチして貰った。

実はこの成り行きの元には、所属合唱団の解散が。
コロナ、団員の高齢化、先生の体調不良など重なり、その喪失感は思いの外に大きくて。

それはほんのきっかけ。
どう転がるかは謎。

で、今年からまた別の合唱団に参加決定。
これもまた、ほんのきっかけ。

みよしの

みよしの

よもや、よもやの50代。 "西陣''の軒下にて30余年、ひっそりと暮らす地方出身者。 15万円入りの封筒を2度も!落とす令和のうっかり八兵衛。

2023.03.06
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どうも森賀です。
契約の関係で上賀茂のお家から東山へ引っ越しました。4年間ほどであっても住んでいた場所を離れるとなると寂しい気持ちになります。名残惜しさというのか、「住んでいる場所」と「住んでいる人」という関係性が終わってしまうことに対する寂しさみたいな。ただ大学へ行くために住んだのに、地域の八百屋さんと仲良くなったり、友人たちとお酒を飲んだりと思い出が詰まっているお家で地域でした。
これからは友人の紹介で東山へ。近くには白川や商店街、岡崎と探索のしがいがある街です。
上賀茂とは違う暮らしがここにはあって、まだまだ知らないお店もあるんだなぁって。
とりあえず商店街で食材買ってご飯の準備をするとか、お肉屋さんでコロッケとか買っちゃって、白川眺めるとか、京セラ美術館行って展示見てくるとかやってこようかな。それでも多分飽きちゃうと思うので、たまには西陣とか出町で遊んだりして。上賀茂にもたまには帰れたりなとかも思いつつ。
あ、あと。美味しいコーヒーのお店と中華のお店を教えてください。

森賀優太

京都産業大学 学生 森賀優太

京都産業大学在学中。ある日を境に西陣に迷い込み、いつの間にか居着いた大学生。人との関わりを通して、伝統的な文化や歴史と新しい暮らしのある西陣に惚れる。そろそろ西陣に住むことを画策している様子。

2023.02.22
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鵺(ぬえ)をご存じだろうか。

猿の顔、狸の胴体、虎の手足を持ち尻尾は蛇。
でも、鳥。
そんなややこしいヤツが平安時代、京の空を飛び交っていたというのだ。

西陣から少し南、二条児童公園の中に池がある。
その池で飛び交う鵺を射止めた源頼政が矢を洗ったそうだ。

昔からこの公園を夜中に徘徊している。
夜の公園、鵺、どこか恐ろしげなイメージなのだが、なぜか落ち着くのだ。
1人の時もあるし、誰か友人ともウロウロとしている。

そういえば、そんな中にややこしい人いたな。迷惑ではあったがありえないくらい面白くて。
時々、今はどうしているのかと思っていた。

先日また夜の公園で友人に会う。
昔一緒に公園にいた人が去っていったそうだ。
鵺の池に足をつけてみる。
池の底に鵺の血は今も溜まっているのだろうか。
冬でも暖かいそれは、公園を後にした今でもとれないような気がしている。

景井雅樹

版画家 景井雅樹

京都の版画工房で銅版画を始める。 2006年頃より、毎日の出来事をノートに青いボールペンで描く絵日記形式の作品を作り始める。 一日1ページで現在4000ページほど。まだ毎日描いている。 コーヒーと自転車と音楽の愛好家。