西陣にまつわる
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西陣にまつわる人々が、綴るコラムCOLUMN

書き手

横山恵

紡ぎ手/運営横山恵 オサノート

KéFU stay&loungeカフェ宿泊事業統括マネージャー。「オサノートを通して西陣の街を訪ねてほしい」という思いでメディアを設立。普段はKéFUの現場に立っていたり京都を走り回っています。純喫茶と歌謡曲が好き。すてきな純喫茶情報お待ちしてます。

みよしの

みよしの

よもや、よもやの50代。 "西陣''の軒下にて30余年、ひっそりと暮らす地方出身者。 15万円入りの封筒を2度も!落とす令和のうっかり八兵衛。

森賀優太

京都産業大学 学生森賀優太

京都産業大学在学中。ある日を境に西陣に迷い込み、いつの間にか居着いた大学生。人との関わりを通して、伝統的な文化や歴史と新しい暮らしのある西陣に惚れる。そろそろ西陣に住むことを画策している様子。

景井雅樹

版画家景井雅樹

京都の版画工房で銅版画を始める。 2006年頃より、毎日の出来事をノートに青いボールペンで描く絵日記形式の作品を作り始める。 一日1ページで現在4000ページほど。まだ毎日描いている。 コーヒーと自転車と音楽の愛好家。

磯村明見

特定非営利活動法人ANEWAL Gallery デザイナー/マネージャー磯村明見

京都市出身のグラフィックデザイナー。日本の老舗印刷会社と上海の広告代理店を経て本帰国後フリーに転身。NPO ANEWAL Galleryデザイナー兼マネージャー担当。京都建築専門学校広報担当。京都芸術デザイン専門学校非常勤講師。

益田雪景

ライター益田雪景 オサノート

広島県出身。同志社大学在学中。大学ではボランティア支援室学生スタッフARCO及び新島塾2期生としても活動中。小説家は太宰治と遠野遥、映画は「劇場」と「ミッドナイト・イン・パリ」、音楽はgo!go!vanillasとB T Sが好きです。


2023.03.08
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こんにちは、〈みよしの〉です。

今回はosanoteとのご縁について。

それは一昨年の秋、たまたま堀川下長者町の郵便局にてosanoteの冊子を手に取った時から。

最初、写真の表紙に目を奪われた。
カッコいいなぁ、どこか芸術系の学校のパンフ?
(カッコいいから、真似っこして私も同じ場所からスマホでパチリ。全然ちゃうやーん。)

わぁ、何か沢山字が詰まってる♪
ウチ帰ってゆっくり読むか、とリュックの中に。

お店紹介やお得情報だけではない、ホント〈短い読物〉
作り手の体温やら重みがズシッと。
ええなぁ、こういうの。

最後にライター募集の記事。
初心者でもオッケーなんや、へぇ~…。
で、編集部にメール。

それはほんのきっかけ。
ただ上京区に住民票があるだけ。
ただ長年住んでいるだけ。
仕事も西陣色の微塵もないフツーの事務職。
さして何の繋がりもない私が一人、ポンッと転がりキャッチして貰った。

実はこの成り行きの元には、所属合唱団の解散が。
コロナ、団員の高齢化、先生の体調不良など重なり、その喪失感は思いの外に大きくて。

それはほんのきっかけ。
どう転がるかは謎。

で、今年からまた別の合唱団に参加決定。
これもまた、ほんのきっかけ。

みよしの

みよしの

よもや、よもやの50代。 "西陣''の軒下にて30余年、ひっそりと暮らす地方出身者。 15万円入りの封筒を2度も!落とす令和のうっかり八兵衛。

2023.03.06
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どうも森賀です。
契約の関係で上賀茂のお家から東山へ引っ越しました。4年間ほどであっても住んでいた場所を離れるとなると寂しい気持ちになります。名残惜しさというのか、「住んでいる場所」と「住んでいる人」という関係性が終わってしまうことに対する寂しさみたいな。ただ大学へ行くために住んだのに、地域の八百屋さんと仲良くなったり、友人たちとお酒を飲んだりと思い出が詰まっているお家で地域でした。
これからは友人の紹介で東山へ。近くには白川や商店街、岡崎と探索のしがいがある街です。
上賀茂とは違う暮らしがここにはあって、まだまだ知らないお店もあるんだなぁって。
とりあえず商店街で食材買ってご飯の準備をするとか、お肉屋さんでコロッケとか買っちゃって、白川眺めるとか、京セラ美術館行って展示見てくるとかやってこようかな。それでも多分飽きちゃうと思うので、たまには西陣とか出町で遊んだりして。上賀茂にもたまには帰れたりなとかも思いつつ。
あ、あと。美味しいコーヒーのお店と中華のお店を教えてください。

森賀優太

京都産業大学 学生 森賀優太

京都産業大学在学中。ある日を境に西陣に迷い込み、いつの間にか居着いた大学生。人との関わりを通して、伝統的な文化や歴史と新しい暮らしのある西陣に惚れる。そろそろ西陣に住むことを画策している様子。

2023.02.22
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鵺(ぬえ)をご存じだろうか。

猿の顔、狸の胴体、虎の手足を持ち尻尾は蛇。
でも、鳥。
そんなややこしいヤツが平安時代、京の空を飛び交っていたというのだ。

西陣から少し南、二条児童公園の中に池がある。
その池で飛び交う鵺を射止めた源頼政が矢を洗ったそうだ。

昔からこの公園を夜中に徘徊している。
夜の公園、鵺、どこか恐ろしげなイメージなのだが、なぜか落ち着くのだ。
1人の時もあるし、誰か友人ともウロウロとしている。

そういえば、そんな中にややこしい人いたな。迷惑ではあったがありえないくらい面白くて。
時々、今はどうしているのかと思っていた。

先日また夜の公園で友人に会う。
昔一緒に公園にいた人が去っていったそうだ。
鵺の池に足をつけてみる。
池の底に鵺の血は今も溜まっているのだろうか。
冬でも暖かいそれは、公園を後にした今でもとれないような気がしている。

景井雅樹

版画家 景井雅樹

京都の版画工房で銅版画を始める。 2006年頃より、毎日の出来事をノートに青いボールペンで描く絵日記形式の作品を作り始める。 一日1ページで現在4000ページほど。まだ毎日描いている。 コーヒーと自転車と音楽の愛好家。

2023.02.17
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1月6日年始早々、鞍馬口通り沿いにある学生が運営するバー「でかい穴」にてイベントを開催しました。その名も「就職説明会」という名のイベント。
タイトルに語弊がありすぎて大丈夫なのか?と思いつつ、とりあえずマスターに「アニュアルギャラリーの活動に興味を持って、自分も活動してみたいと思ってくれる人が現れたらいいなと思う」的な趣旨を説明はしていたので大丈夫?だろうと思いながら、気軽にイベントを開くべくイベント会場へ行きました。
いざ中に入り、プレゼンのためのプロジェクターを準備していると、開始時間になるにつれてゾロゾロ学生が入ってくるじゃないですか!年末年始、働き詰めで疲れていたのもありますが、動揺と焦りと変な緊張が出てくる状態になる磯村と飯髙(ANEWAL Galleryの理事)
あたふたしてる間に20人前後の方が来て席が埋まる状態になり、冗談を含ませながら活動の説明をしている中、みなさんは真剣に話を聞いてくれました。
そして凄く嬉しいことに、現在インターンシップとして期間限定で数人の学生にお手伝いしてくれてます。
ANEWAL Galleryの活動に興味を持って、活動を一緒にやりたいと思ってくれるのは率直に嬉しい。これからも活動頑張りまっす!

磯村明見

特定非営利活動法人ANEWAL Gallery デザイナー/マネージャー 磯村明見

京都市出身のグラフィックデザイナー。日本の老舗印刷会社と上海の広告代理店を経て本帰国後フリーに転身。NPO ANEWAL Galleryデザイナー兼マネージャー担当。京都建築専門学校広報担当。京都芸術デザイン専門学校非常勤講師。

2023.02.15
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京都を一旦離れることになった。一旦、と言っても離れている間に何度も京都を訪れるだろうし、驚かれるほどすぐに戻って来る可能性だってある。確かなのは、いつかまた必ず京都で暮らす意思があることと、京都の「怠惰さ」が僕の意思を全力で支えてくれると信じていることだ。国語辞典は「怠惰」であることを的確に罵っているけれど、それはきっと「怠惰」であることを渇望するが故に起こる転倒だと思う。
みんな怠惰に生きたいと願っている、と言うと傲慢過ぎる主張だけれど、僕の知る限り、京都が好きで京都暮らしをしている人たちは怠惰で、豊かだ。
平安京に遷都してから育まれてきた文化も、花鳥風月の移ろいに全てを委ねているから「怠惰」だ。花の盛りだけではなく、枯れていく光景にまで美しさを延長してしまうなんて、時間がかかり過ぎている。あるいは時間なんてものはなく、花が咲いて、枯れるまでが「時間」なのかもしれない。つまり、国語辞典は花を眺めたことがないのだと思う。ともすれば、僕は彼に花を見せてあげたいし、彼と一緒に京都中を歩いてみたい。その夢だけでも花に見立てて、心の池にそっと浮かべて、京都を離れることにする。

益田雪景

ライター 益田雪景 オサノート

広島県出身。同志社大学在学中。大学ではボランティア支援室学生スタッフARCO及び新島塾2期生としても活動中。小説家は太宰治と遠野遥、映画は「劇場」と「ミッドナイト・イン・パリ」、音楽はgo!go!vanillasとB T Sが好きです。

2023.02.08
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【100年前、海を越えてやって来た】

[Goodell-Pratt Company(グッデル-プラットカンパニー社・米国マサチューセッツ州)は1895年に設立〜1929年の世界大恐慌の煽りを受けて業績が悪化し、1931年にミラーズフォールズ社による買収で消滅。]…という工具が当工房では現役です。

いつ嫁いで来たのか詳細はわかりませんが、数世代に渡って使われたようで、もの凄いへたり方です。ある日、機械化の波に押されて片隅に追われ、やがて忘れられていったのでしょうか。

数十年ぶりに陽の光を浴びた姿は、古びてすり減ってはいるけれど錆もせずに。油を挿せばカタカタ、ユラユラと羽車が回り出しました。長い眠りから起こされた工具は、なんだか戸惑っている様子でした。

その日(使われなくなった日)には大切に仕舞われたことがわかる気がします。長年親しんだ工具との訣別はどんな気持ちだったのでしょう。仕舞う際にはきっと「ご苦労様」って声がけしたのだろうな。。先人との対話はいつもこのように行われます。

山ノ瀬亮胤

眼鏡制作者・現代美術家・ソシエテヌーベルリュネト視覚研究所々長 山ノ瀬亮胤

京都市上京区在住。眼鏡制作者・現代美術家・ソシエテヌーベルリュネト視覚研究所々長。芸術~工芸に拡がる独自分野の構築で国内外より評価され欧州ハプスブルグ家御用達。マスメディアでの出演・取材多数。豊かな江戸庶民文化と職人の心を紹介している。

2023.02.06
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年が明けて早くも1か月が過ぎました。
お久しぶりの投稿になります。

私も福岡と京都で2拠点生活になり5月で1年が経とうとしています。
今年初のコラムで良い機会なので少しこちらで去年を振り返って見ようと思います。

ベースは福岡で、1.5ヶ月に一度くらいで京都に10日程行くというペースでした。京都に戻ると師匠や友人に会えた喜びで仕事に集中出来ない事がほとんどだったような気がします。そこは反省点でした。

どちらかと言えば福岡は賑やかな街ですので、京都の静けさが恋しくなる事もしばしばありました。
なのでゆっくり物事を考える、や季節の変化や風情を楽しむ事を忘れていて京都に行く度に美しい風景にハッとさせられました。

仕事においては、師匠が仕事を送ってくれたり、新しい機械や道具まで送ってくれるお陰でものづくりから離れずに済み本当に感謝しかありません。

と、いう訳で内容はまあまあ薄い上に反省点の多い去年1年だったという事が判明してしまいました。

今年は反省点を活かし、自身と自身の仕事にしっかり向き合う1年にしたいです!

山本萌加

Société Nouvelles Lunetts 視覚研究所 主任研究員 山本萌加

武蔵野美術大学(工芸デザイン学科木工専攻)卒業後、眼鏡制作者七代目山ノ瀬氏に弟子入り。眼鏡制作の修行と、師と共に眼鏡ブランド〝Société Nouvelles Lunetts 視覚研究所〝の主任研究員てしてお店を運営しています。

2023.02.03
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アニュアルギャラリーが今年の2月末まで、堀川団地において開催している〈Horikawa Exchanges〉。会期中のイベントに「スナック現美」という出張企画で、ちょっとだけお手伝いをしています。
「スナック現美」は、顔馴染みが夜な夜な集うゆるいスナックみたいな感覚で、アーティストをホスト役に、気軽にお話のできる場を作ろうと、現代美術製作所が京都に移ってから始めた企画です。せっかくスナックを名乗るなら、まずは形から・・・というわけで、写真の左下に写っている看板も作りました。LEDが仕込んであって、表と裏で違う色になっています。
実はこの「スナック現美」、1月末まで茨城の水戸芸術館で個展を開催していた中崎透さんが、ずうっと以前、現代美術製作所にちなんで、ゆるい看板作品を制作した際、彼の思いついた名称でした。「スナックあけみ」みたいに、お店に人の名前がついているのと同じ感覚ですね。ちなみにその作品は今の看板とは別のものです。
つい先日、東京に行く用事のついでに水戸まで足を延ばし、会期末の会場で中崎さんと久しぶりに再会。いつか京都で「スナック現美」をやりましょうとお誘いしてきました。実現したら、きっと楽しい企画になると思います。

曽我高明

ANEWAL Gallery現代美術製作所 ディレクター 曽我高明

東京の下町・墨田区の向島で、長年展覧会やアートプロジェクトに取り組んできました。縁あって2017年より上京区に拠点を移し、ANEWAL Gallery 現代美術製作所(通称:現代美術製作所)をオープン。ゆるいペースで様々な活動をしています。

2023.02.01
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私は現在、同志社大学を卒業して社会人1年目として大阪のとある会社で働いています。出社するのは月1回程度で、ほぼ毎日在宅勤務。「どんな感じなん?」とよく聞かれます。

特に何も考えずに過ごしていると、1日が全て家の中で完結します。通勤時間はゼロでたくさん睡眠を取れるし、昼休憩はベットで寝ています。人の目もないので落ち着いて仕事ができます。一方、難しさもあります。初めの頃は外に出るのが面倒で食料を買い込み、外に一歩も出ず誰にも会わず…という週があったのですが、鬱々してしまいました。また、仕事では基本的なやり取りは文面になるので、文章の書き方には苦労しましたし、相手の文章の意味が理解できなかった時には一人で焦ったこともありました。顔の見えない相手にメッセージを送るのもなかなか緊張しますし、意思疎通できているか不安になることもあります。

ただ、総合的に見ると(私にとって)在宅勤務は素晴らしい福利厚生です。同時に、これまで当たり前だった、人に直接会って話をする・外の空気を吸う・遊びに行くといったことは、自分で工夫して機会をつくる必要があるため、何が自分に必要なのかを考えるのも最近は面白いです。

依藤菜々子

紡ぎ手 依藤菜々子

同志社大学卒業。 2020年、同志社大学が発行する今出川地域のフリーペーパー「イマ*イチ」の制作を通じ、西陣ならではの凝縮された魅力を知る。 好きなもの:アニメ/クラシック音楽/ミッフィー