西陣にまつわる
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西陣にまつわる人々が、綴るコラムCOLUMN

2022.12.09
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町家物件の改修や活用にかかわる仕事をしていると、「町家物件ってどうやって見つけてるんでしょうか?」という質問を頂くことが多いので、私がよくチェックするサイトをお教えします。

① アットホーム
https://www.athome.co.jp/
掲載料が無料(らしい)ので、地場の小さな不動産屋さんが気軽に物件を掲載できるので、掘り出し物がたまに出る。

② 八清
https://www.hachise.jp/buy/
「町家」という不動産を商品にした最初の不動産屋さん。最近は町家だけではなくシェアハウスやマンスリー賃貸など、さまざまな領域で事業展開している。

③ いえ屋
http://iyeya.jp/
町家専門店。売買メインだったが、最近は賃貸にも力を入れている。

④ エステイト信
http://www.xn--1lqt13a41t.jp/
町家の賃貸物件が豊富。

ご参考までに(^^)b

赤澤 林太郎

都市企画家 赤澤 林太郎

町家を中心に、既存物件の活用を提案しています。

2022.12.05
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理解できぬ符号それらの偶然の一致。
奇跡を見逃すことが多くなったのかもしれない。荷物の配達をお願いすれば大抵は到着日に届くし、道案内のアプリケーションを使えば目的地への最短距離、最速時間でルートが明示される。こうやって計画的に目標を達成しスマートに人生を生きることができる。

現在、僕は西陣のゲストハウス/カフェで働いていて、多くの人が滞在していく。今、目の前でお茶しているご婦人方を見て、人と人とのおしゃべりはスマートさとは全く違った性質を持つと思う。
一つの話題を何度もループする。話していた内容が突然別の話題へと導かれ、もうその時点では何を話していたのかは分からなくなっていく。
予測不可能なやり取りの中で、時折顔をパッと明るくして驚きの声をあげる。あー、そうやったんかぁ。と頷く。それは話題同士の偶然の一致、これまで生きてきた何十年もの人生で不可解だった物事の糸が解かれる瞬間のように思えた。おしゃべりはいろんな時間を遡って、また未来へと渡って繰り広げられている。
毎回、昼下がりに大海へと漕ぎ出したご婦人方の船は夕方ごろに陸へとあがって解散する。(その解散の合図は毎回見逃しているためはっきりとはしないが、何か落ち着きどころがあるはずだ。)
僕は注文されたコーヒーをテーブルへ持っていく時に少しだけ会話の渦中へと誘い込まれる。そしてあっ!という瞬間に立ち会うことがある。それはどうでもいい時間、どこにでもあるような時間だが、その瞬間確かに僕とご婦人たちは大海の中で偶然出会っている。そしてそれはとても幸せなことだと思う。

 

黒田健太

紡ぎ手/綴り手 黒田健太 KéFU stay&lounge

初めまして、 西陣に住んでいる黒田健太です。 夜のがらんとした千本通を歩くのが好きで、たまに夜中に出かけます。生活をしていると忘れてしまうのですが、そんなささやかな時間にときどき立ち寄りたいと思っています。

2022.12.03
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紅葉の季節に雨が降って、冬の景色に一歩近付くと、ほんの少しだけ切なくなる。雨後はそもそも寒くなるし、夜は生活の熱気が冷めるし、冬って感じのそっけない風が吹く。サンダルで外に出ようものなら、悲鳴がくるぶしに集結して、無音で「さ」と「む」を口にする。近くに誰もいなければ「さ」と「む」に音が付与される。
まだ紅葉が盛んだったときに、最寄りの公園を歩いていると、葉っぱが赤すぎて怖いと思った。毒々しいとも思った。こんな感覚になるのは初めてだったけど、もしかしたらこんな感覚になってもおかしくはないのかもしれないとも思った。先祖がまだ狩猟生活をしていた時代はきっと冬が怖くて、その怖さは越冬できるかどうか分からない不安から来るもので、秋の訪れを告げる赤い葉っぱの群れはその不安に拍車をかける存在だと考えたからだった。冬に対する恐怖がDNAに刻まれているに違いないと考えたからだった。でも先祖が紅葉によって不安に苛まれていたかどうかはわからない。本当は現代と同じように紅葉狩りをしていたかもしれない。実際陽光を浴びた紅葉を、その裏側から見ているときは心地良い。

益田雪景

ライター 益田雪景 オサノート

広島県出身。同志社大学在学中。大学ではボランティア支援室学生スタッフARCO及び新島塾2期生としても活動中。小説家は太宰治と遠野遥、映画は「劇場」と「ミッドナイト・イン・パリ」、音楽はgo!go!vanillasとB T Sが好きです。

2022.11.26
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【 藁で作ったクリスマスリース 】

 

京都は紅葉の真っ盛り。となると今年もまもなくクリスマス、そして新年の準備が始まりますね。

 

さて、アートスペース・クマグスクの中にある視覚研究所では、12/9(金)〜12/11(日)、同所で開かれる恒例のクリスマスマーケットへ出品するために、今年は《藁(わら)》で作った和テイストのクリスマスリースを用意しました。

 

オーナメントは真鍮や銅を一つずつ鍛造して槌目をつけた手作りの本物。伝統紋様で形どられたたくさんのパーツの中から自由に組み合わせて、その場でオリジナルのリースを手にすることが出来ます。だからクリスマスに限らず《お正月飾り》にもなる優れもの。

 

ものづくりの街らしく”選べて自分だけのリースをデザインする手作りの愉しみ”を体験していただけたらな、と思います。ご都合えばぜひお越しくださいね。

 

【ソシエテヌーベルリュネト視覚研究所】

〒604-8805 京都市中京区壬生馬場町37-3

075-432-8168

 

◎kumagusuku Christmas Market 2022

12/9 fri – 12/11 sun・11:00 – 18:00

kumagusuku Christmas Market 2022

山ノ瀬亮胤

眼鏡制作者・現代美術家・ソシエテヌーベルリュネト視覚研究所々長 山ノ瀬亮胤

京都市上京区在住。眼鏡制作者・現代美術家・ソシエテヌーベルリュネト視覚研究所々長。芸術~工芸に拡がる独自分野の構築で国内外より評価され欧州ハプスブルグ家御用達。マスメディアでの出演・取材多数。豊かな江戸庶民文化と職人の心を紹介している。

2022.11.21
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小さな路地に沿った木造長屋の一角。中に入れば、剥き出しの木造の柱や梁、織物の作業場だった頃の面影を残す二階から飛び出した手摺などが目をひきます。おまけに奥の壁には天井まで届く後付けの本棚も。ギャラリーと聞いて、真っ白な壁に囲まれた空間を思い浮かべる人にとって、現代美術製作所はかなり変わった所に感じることでしょう。
しかし、いわゆるギャラリーとは違う、個性的な空間に表現意欲を掻き立てられるアーティストもいます。11月20日まで個展を開催していたエリザベス・シールストロムさんもその一人。世界各地の民芸がモダニズムに与えた影響をテーマに作品を制作しています。コロナウィルスの流行を挟み、3年越しで実現した今回の個展《皮膚に触れる》では、自らの手織りの布を用いた作品を展示。作品の点数を絞り込み、それぞれの作品を繊細に配置し関係づけることで、古い建物の持ち味を活かしながら、モダニズムに通じる純度の高い空間を作り上げてくれました。
ちょうど「西陣555」とも会期が重なり、先日は西陣織の工房見学の街歩きにも参加。そういう機会が提供できたのも嬉しい限りです。

曽我高明

ANEWAL Gallery現代美術製作所 ディレクター 曽我高明

東京の下町・墨田区の向島で、長年展覧会やアートプロジェクトに取り組んできました。縁あって2017年より上京区に拠点を移し、ANEWAL Gallery 現代美術製作所(通称:現代美術製作所)をオープン。ゆるいペースで様々な活動をしています。

2022.11.16
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この頃、西陣の知り合いが出店するイベントにいくつか遊びに行っていました。

イベントに行くと、西陣という地域の知名度の高さを感じる一方、イベントで販売されている商品に込められた思いや、西陣という地域そのもののこと…例えば、西陣織以外にも、実はオシャレなカフェがたくさんあったり、疲れを癒してくれるような素敵な飲み屋や銭湯があったり、静かな朝の散歩が最高だったり…そういった魅力を一度のイベントだけで知ってもらうのは、なかなか難しいと感じました。「とりあえず西陣に来て歩いて、色んな人とゆっくり話してもらって1日くらいは泊まってみて…そしたら色々わかるから!!」とイベントに来ている方に言いたい気分でした。

最近の京都の街には、海外の方を含め多くの人の姿があります。私もつい先日、京都へ訪れた際に海外の方の市バスの代金を一緒に数えたりしていました。コロナ禍前は、京都の観光地には海外の方がたくさんいらっしゃったこと、また、英単語もたくさん忘れてしまっていました…。これからの季節、国内外の多くの方が西陣に来て、自身の体で、西陣の光景、空気、人、ものに触れてもらえたら嬉しいなあ。

依藤菜々子

紡ぎ手 依藤菜々子

同志社大学卒業。 2020年、同志社大学が発行する今出川地域のフリーペーパー「イマ*イチ」の制作を通じ、西陣ならではの凝縮された魅力を知る。 好きなもの:アニメ/クラシック音楽/ミッフィー

2022.11.14
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祖父と父は写真が好きで、たびたび押入れからはたくさんのプリントやネガが発掘されます。今後この写真などをどうしたものか…私の課題でもあります。
たくさんの写真を整理していると大変興味深いネガが出て来ました。撮影者は不明ですがスキャナにかけて見てみると、うちの町内(2021年7月6日の投稿と同じ場所)で祖母の姉が孫をだっこしてる様子です。何が興味深いのかというと、このフィルムサイズが14mm角の正方形!なのです。
カメラ本体は父が生前「これは値打ちあるから大切にしろよ!」とよく言ってましたのでちゃんと大切に?保管されておりましたが、撮影されたネガを見たことはありませんでした。
撮影年月は1950年頃でしょう。この時代のこんな小さなフィルムとカメラでここまでの情報が写し込まれている…昔の光学技術はとても素晴らしいものであったととても感動した次第。
以前も書きましたが写真や8mm映画(動画)は、今の手軽さからは考えられない程、庶民の趣味としてはぜいたくなものでした。改めて実感しました。

岡田健

光都紙工有限会社 代表兼デザイナー 岡田健

西陣の南東?の牛乳屋の息子として生まれ育って五十数年、今は極小印刷会社の代表取締役兼デザイナーです。ウクレレとコーヒーが好きです。

2022.11.12
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「片付け」というものがとにかく好きで仕方がない。
明日の朝、食器棚の整理をしよう。など予定が立つと、楽しみでいそいそと早起きをしてしまうほどに。ある種の才能と感じるのですが、部屋なり物の置き場なりを見ればどう片づけたらいいのかが解るのです。もう少し詳細に説明すると、その空間の容積と物の”導線”を含めた必要容積がどれほどかということが脳内で立体パズルの如く理解される。物はただ整然と仕舞い並べるだけでは不十分で、よく使う(動かす)物であるほどに配置はよく考えなくてはならない。片づけた時から、その物を人間がどのような動きで使うのか。それに付随する身体の占有スペース、視線の位置、物が再び置かれる場所の範囲幅、等々…全てを総合し考え配置し、うまく導線が確保出来その場・物の使用がスムーズになる。この立体的かつ時間軸の加わったパズルが楽しくて仕方がないのです。
しかし、そうして組み上げた人間の思惑を一ミリも慮らないのが愛猫たち。最近では換気のために配置した扇風機がまさかのお気に入りで、日々見事に毛を吸い込んでは弱まる送風力。人の思惑などかくも浅はかなものかと、愛らしき毛玉に翻弄される日々でもあるのです。

松波さゆり

和裁士 松波さゆり

岡山県出身。布好きが高じて京都で学び暮らし始めて早18年目。プロの和裁士としてテレビドラマの衣装をはじめ様々な仕立てを手掛ける。現在は市民運営の寺院 ”寳幢寺”のスタッフとして日々を過ごしながら、社会や地域に貢献できることを模索しています。

2022.11.09
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多拠点生活サービス「ADDress」のまっさんこと高本です。
西陣より少し南に下がった烏丸通沿いにある地元岡山生まれヒーローの神社〜護王神社をご紹介しましょう。

この神社、平安京建都を具申した和気清麻呂公を祀った社なのです。高尾山神護寺境内にあった社が明治天皇の勅命でこの地に遷座されたという変わった神社でもあります。

岡山和気町で生まれた清麻呂は姉広虫と宮廷で活躍、一方で道鏡の九州・宇佐八幡の「道鏡を天皇にせよ」という偽神託を買収に屈せず、暴きいて流罪に遭った際、足の腱を切られながら宇佐八幡に立ち寄った際にイノシシたちが現れて、清麻呂の輿を支えるように道教の刺客から守護した逸話が。40kmにも渡る道のりをガイドされるうちに清麻呂の足の傷も癒えたという奇跡を今に伝える社なのです。足腰の神様として人気のこの社、一時は羽生選手の絵馬だらけになってたこともあったなぁ。

足の痛みがなかなかおさまらなかったオカンの代理祈願で毎年参詣しているけれど、徐々に良くなってはいるようで来年も御参りするつもり。足腰の痛みがある方も、ない方も心静かに落ち着く素敵な場所なのでよかったら立ち寄ってみてくださいね。

高本昌宏

多拠点プランナー / ADDress 事業企画 高本昌宏

学生時代に伏見と西陣に住んだことがきっかけで、京都では決してメインストリームではないかもしれないこの二地域に惹かれる。多拠点居住サービス立ち上げをしながら、2020年伏見移住。西陣にも同年から通い始め、魅力再発見中。

2022.11.07
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今年も11月4日〜6日の三日間、京都建築専門学校では堀川茶室が建てられました。場所は堀川丸太町下がったあたりの堀川遊歩道。2年生たちが茶屋の基礎から組み立てて1年生は2年のお手伝いや土壁を塗り、苫葺や襖、太鼓橋などを拵えます。そして中日でお餅つきを行い、いつもお世話になっている方々につきたてのお餅を振る舞って、ご近所さんにはお裾分けを配る。というのが毎年恒例の学園祭行事になります。
学生たちが今まで作ったことのない物を、前年の学生の作った資料を参考にしながら、3週間ほどの期間で一から自分たちで作り上げていく姿は、いつも感心させられます。
実はこの茶屋を作る行事の前に、学生にとって夏の合宿が重要なんです。夏休み期間中、合宿を行いながら改修・修繕工事を行うのも、この学校の毎年恒例行事になっており、この合宿で生活や仕事をともにすることで学生たちの施工スキルやコミュニケーション、連帯感などが育まれ、夏の経験がこの茶屋の建築に生かされます。
専門学校は2年間と学びの期間が短いですが、短い分学生たちがみるみるうちに成長していく様が(叩き上げともいう?)、堀川茶室では垣間見ることができますので、まだ来られたことのない方は来年ぜひ足を運んでみてください。
この学園祭が終われば2年生は、年明け2月に行われる卒業制作発表に向けて動き出します。まだまだ学生生活は続きます!

磯村明見

特定非営利活動法人ANEWAL Gallery デザイナー/マネージャー 磯村明見

京都市出身のグラフィックデザイナー。日本の老舗印刷会社と上海の広告代理店を経て本帰国後フリーに転身。NPO ANEWAL Galleryデザイナー兼マネージャー担当。京都建築専門学校広報担当。京都芸術デザイン専門学校非常勤講師。