西陣にまつわる
人々による
ウェブメディア

10/19

メンバーMEMBER

益田雪景

オサノートライター益田雪景

広島県出身。同志社大学在学中。大学ではボランティア支援室学生スタッフARCO及び新島塾2期生としても活動中。小説家は太宰治と遠野遥、映画は「劇場」と「ミッドナイト・イン・パリ」、音楽はgo!go!vanillasとB T Sが好きです。

特集 WALK

西陣のキホンのキ!

第4回 京町家を思う     *京町家が並ぶ風景   「西陣のキホンのキ!」連載最後のテーマは「京町家」についてです!   京都といえば、町家が立ち並んでいる風景を思い浮かべる方が […]

WALKぶらニシまち歩き西陣
2021.10.11
Written By

最近、すっかり秋の涼しさを感じられるようになりました。京都の秋といえば、やっぱり荘厳な寺社仏閣と、境内に生える樹々が紅く染まった光景だと僕は思っています。京都に来てから約2年経ちましたが、どこを訪れても絵になってしまっているのが、怖いくらいです。
さて、今回は「まるごと美術館」について勝手に書いてみたいと思います。僕は昨年の秋に初めて、「まるごと美術館」にボランティアとして参加しました。ご存知の方もいるかもしれませんが、簡潔に述べると、このイベントは寺社仏閣と芸術が融合した展覧会です。昨年、僕は妙覚寺と妙蓮寺でお手伝いさせていただいたのですが、お寺で芸術を鑑賞するのは、とても新鮮な経験で、欲を言えば、その場で半永久的に呼吸をし続けられたらなあと思いました。境内に映える自然を鑑賞するのもよし、展示されたアート作品と格闘するのもよし、お寺の御本尊をじっくりと眺めるのもよし…… 「〇〇の秋」とよく言われますが、◯◯に入る言葉が全て詰まったような、素敵な美術館が期間限定で西陣界隈に出現します。聞くところによると、今年も開催する予定だそうなので、今年の秋の思い出に、訪れてみてはいかがでしょうか。

2021.09.10
Written By

「蜂蜜」をただミツバチが採集した「花」の蜜としたり、くまのプーさんの大好物と捉えることに間違いはないかもしれないし、実際に僕も、蜂蜜は「花」の蜜で出来ていて、くまのプーさんがその蜜を愛してやまないと知っていた。でも、蜜を育む花を、単に「花」とだけ捉えるのはもったいないと言っていい。「百花繚乱」という言葉からも分かる通り、幾多もの「花」が世界で美しく咲いているからだ。
僕の好きな作家である太宰治は『女生徒』という作品の中で「花の美しさを見つけたのは、人間だし、花を愛するのも人間」であると書いた。「花」は、色とか、形とか、匂いとかによって、とにかく多様な分類をされている。そこで僕は考えた。もし本当に太宰の言う通りなのであれば、いろいろな花に由来する蜂蜜にもそれぞれの美しさや愛しさがあるのではないだろうか、と。
さて、ここまで「花」と「蜂蜜」についてだらだらと書いてしまったが、僕がこのコラムで伝えたいことは、ただ一つしかない。それは、西陣にある「蜂蜜専門店ドラート」に訪れてみてほしいということだ。そこに行けば蜂蜜の多様な美しさや愛しさに触れることができるだろう。

2021.07.12
Written By

YouTubeとか雑誌とかテレビとかで、サウナについて誰かが語っている時に「整う」という言葉を必ず見聞きする気がします。でも、「整う」という言葉を見聞きすることはあっても、「整う」という経験をしたことが僕はありませんでした。先日とある銭湯に行くまでは……
「整う」というのはどんな感覚なのでしょうか。これは僕の完全な主観ですが、全身を血液が循環しているのを実感することなのではないかと思います。この非日常的な幸福感はおそらく水風呂の後の休憩時間に襲ってきます。僕の場合はそうでした。
ということで、なんだかんだ「整う」という体験を済ませた僕は、西陣でも「整える」場所はないだろうかと、インターネットで調べてみると、たくさんありました。できればこのコラムを書くまでに行きたかったのですが、時間がなく、行けていません。いつの日か報告できればと思います。
さて、ここまで何を伝えたいのかよく分からない文章をダラダラと書いてしまいましたが、ダラダラと書いてしまったのは、僕が「整って」ないからだと思います。そろそろ「整う」必要があるので、ここら辺で筆を置きます。

2021.06.13
Written By

青天の中に白い雲がいい具合に散らばっている日はのんびり外を歩きたくなるけれど、雨が降っている日こそ京都では散歩をするべきで、とりわけ雨の降る夜に石畳の上を歩くのは格別だ、と僕は思っているので、夜になって西陣にいくつかある石畳を雨が打ちつけている写真を撮ろうと思って出歩いてみたけれど、全く雨が降ってくれなかった。仕方なく、北野天満宮近くの花街「上七軒」に通りかかったところで、iPhoneのシャッター音を鳴らした。普通石畳は「石」の色をしていて硬いけれど、夜になると暖色の街灯や建物の中から漏れる光を浴びて、艶やかで柔らかい印象に化けてしまう。しかも、雨が降れば、そのような石畳の美しさにますます深みが出てくる、と僕は感じているので、繰り返しになってしまうけれど、一度でいいから、お気に入りの傘をさして、雨夜の西陣を散歩してみてほしい。靴が濡れてしまったら、よく晴れた日に乾かせばいいだろうし、あるいは、靴が濡れてしまうことこそ雨中の散歩における醍醐味の一つだと信じてみるのもありかもしれない、と念押しするのは流石に無理があるだろうか。

2021.05.14
Written By

先月のリレーコラムで名前も名乗らず書いてしまったので、今月は少しだけ自己紹介をしようと思います。
遅ればせながら、はじめまして!同志社大学経済学部3回生の益田雪景です。大学ではボランティア支援室の学生スタッフARCOのメンバーとして、学生と地域の橋渡しをしています。この春からオサノートのライターとして活動することとなり、こうしてリレーコラムにも参加させていただくことになりました。ただ、実を言うと僕と西陣のこれまでのつながりといったら、ARCOが西陣織をテーマとして実施した企画で職人の方に直接お話を聞いたり(写真はそのイベント際に貰った栞で、綜絖をする際に使用するものを再利用したものです)、西陣で開催されている朝市のイベントにボランティアとして参加したくらいしかありません。
でも、西陣についてもっと知りたい!と僕は思っています。今後も継続的にコラムや記事を書いていくために西陣についてある程度知っておく必要があるという理由も少しはありますが、何より西陣は僕が知っているよりも更に楽しい街だと感じているからです。
これから更に西陣の魅力を発信していけるよう頑張りますので、よろしくお願いいたします!

2021.04.14
Written By

子は親離れをしたつもりでいるけれど、親は子離れができないままらしい。大学生になって初めての夏休み、故郷の広島から二日間だけ母が来た。初日は古都を観光もせず、生活必需品を二人で探し回った。もったいないと思ったが、母はそれで満足したようだった。翌日の昼、西陣にある鳥岩楼というお店で親子丼を食べたいと言われた。僕はそのお店を知らなかったから、今となっても少し悔しい。鳥岩楼に到着後、靴を脱ぎ2階に通されると、僕が生きていない時代の匂いのする畳に置かれた座布団はほとんど他人の尻で埋まっていた。先客から順番に親子丼が配膳されていく。やがて僕と母の前にも親子丼がやって来た。丼の蓋を取り、すぐさま一口目を迎えると、爽やかな山椒の香りや卵と鶏肉の偉大な血筋に感動した。つまり、鳥岩楼の親子丼はこの上なく美味しかった。母も美味しいと言っていたから、僕の感覚が間違っているわけではないと思う。親子で鳥岩楼の料理に舌鼓した後、新幹線に乗って母は帰った。この日以来、西陣を訪れる度に鳥岩楼の親子丼を思い出す。お店を友達に紹介する際も、いつもこの日のことを口にしてしまうけれど、その理由など知らないふりをし続けるだろう。