西陣にまつわる
人々による
ウェブメディア

12/23

西陣にまつわる人々が、綴るコラムCOLUMN

2021.10.06
Written By

最近断乳に成功しまして、
二年ぶりに強いお酒を堪能できるようになり、
夜ご飯時の夫とのむ芋焼酎とアテを楽しみに日中を過ごす毎日です。
芋焼酎にはやはりお刺身に甘い醤油。
海の遠い京都で福岡生まれを納得させる、
1000円以下の刺し盛りがあるか、
いや、ない…
と思いながら京都に住んで6年目。
見つけました美味しい刺身盛り合わせが!!
堀川丸太町の『イズミヤ』の刺し盛り698円!!!!(980円で内容さらに充実Ver.も有り)
中トロも入っていて、厚みもシッカリ。
トレーの中で輝いているのが一目見てわかりました。
非常に美味しかったです。
お刺身を食べたくなったら今後はここにチャリを飛ばすようにします!

それにしても、昭和生まれにしか伝わらない四コマになってしまいました…。
もうすぐハロウィンですし、ご容赦ください。
若いフレッシュな編集部の大学生の皆様はYoutubeで『ねるねるねるねCM』で探してみてくださいませ。

あいうめめ

主婦 あいうめめ

下京区から上京区へお引っ越し。 3歳と0歳の娘をもつ主婦です。 京都西陣の暮らしと子育てを綴る。

2021.10.05
Written By

#コロナ禍で忘れていたこと

同志社大学のヨリフジです。

夏休みに、6月に開催された町家オープンカレッジというイベント(Zoom)で出会った早稲田大学の学生が、西陣まで会いに来てくれました。
オンライン授業ばかりで友達もできず何もできない…そんな状況を打破しようと、地域に一定期間移り住み、インターンなどをしてコロナ禍でも積極的に学びを得ようと動いてきた方たちです。

西陣で初めて対面で会ったちょうどその頃、私は家で作業をすることが多く、人との交流が減り、家でアニメばかり見て引きこもりがちでした。
そんな中、“オンライン授業の中でどうやったら学生がイキイキと過ごせるか”といった共通の話題に関心がある同世代と話せたことがとても嬉しく、同時に、“対面で話す楽しさ”という、コロナが私たちから奪ったものを認めざるをえませんでした。
普段は聞かない様々な話を聞かせてもらい、その日は少しの疲労感といっぱいの幸福感で、よく眠れたことを覚えています。

コロナ禍で、身近な人との関係を大事にすることが見直されてきました。
しかし、やはり時には視野を広げ、今自分がいる狭い場所の外の情報に触れることが大切だと感じました。

依藤菜々子

紡ぎ手 依藤菜々子

同志社大学卒業。 2020年、同志社大学が発行する今出川地域のフリーペーパー「イマ*イチ」の制作を通じ、西陣ならではの凝縮された魅力を知る。 好きなもの:アニメ/クラシック音楽/ミッフィー

2021.10.04
Written By

最近、アコースティックギターを譲っていただきました。うれしくてかき鳴らしていた時、ふと頭を過りました。
「そういえば、西陣の歌って何やろ?」
西陣に地域を限定するとなかなか浮かんできません。リレーコラムのネタとしてはお蔵入りかとあきらめていたら…あったあったありました!
その歌は「千本ラブの歌」。千本通り商店街の歌です。

若い二人にささやく風は カラー歩道のアーケード
ラブの千本足どり軽く 新しい街恋の街
ラブラブラブラブ 千本ラブ

「西陣」というワードは出てきませんけど、歌中のアーケード内スピーカーでヘビーローテーションされていたので、ぼくの頭からはこの年まで、全く消えることがなく刷り込まれています。きっとぼくだけでなく、西陣の同年代の人は口をそろえてこの歌を挙げる…いや歌うんじゃないかな(笑)早速新しいギターで練習したいと思います。ちなみにアーケードはすでに撤去されておりますが、写真のあたりから北へ今出川通りまでありました。

※奇跡的?にYouTubeにローカルバンドの演奏が上がっています。「千本ラブの歌」で検索してみてください。

岡田健

光都紙工有限会社 代表兼デザイナー 岡田健

西陣の南東?の牛乳屋の息子として生まれ育って五十数年、今は極小印刷会社の代表取締役兼デザイナーです。ウクレレとコーヒーが好きです。

2021.10.03
Written By

「タルチョ」ってご存じですか?
伝統的なチベットの仏教旗で、それぞれにお経が印刷されています。描かれている馬が経文の功徳を乗せて届けていく。風に乗って経文の功徳が世界に遍満していくようにという願いが込められています。
スタジオジブリがDVDを企画制作した「チベット死者の書」というドキュメンタリー映画があり、映像の中にも至る所にタルチョを見ることが出来ます。
チベットは大変標高の高い国で、空の色はとてもとても濃くて深い青色です。
生死、信仰、祈り、日常、リアルなチベットの風景とそこに生きる人たちの姿。
限りなく深く、青い青い空に、草木も生えぬ灰色の町。峠に、町に、寺院に、家々に、この鮮やかな五色の旗がはためく様は祈りのイメージと重なり忘れがたい印象を心に残しています。
タルチョはチベットだけでなく、世界各所に見ることが出来ます。インドを旅したときにも仏跡や峠の各所にはためいていたのを思い出します。
寳幢寺でも、一番風が通る屋上に設置しています。場所は、上立売の小川通を下がったところです。通り沿いに面した場所にも設置していますので通りがかったら見上げてご覧になってみてください。青空に映える日にも、ぜひ。
送信日時: 2021/09/30 11:41

松波さゆり

和裁士 松波さゆり

岡山県出身。布好きが高じて京都で学び暮らし始めて早18年目。プロの和裁士としてテレビドラマの衣装をはじめ様々な仕立てを手掛ける。現在は市民運営の寺院 ”寳幢寺”のスタッフとして日々を過ごしながら、社会や地域に貢献できることを模索しています。

2021.10.02
Written By

西陣にマイホーム建設中の梅田家。
いよいよ上棟しました。

基礎だけだった場所に、運ばれてきた木材が次々と組み立てられて、
わずか1日で骨組みができてしまいました。

ここまで道のりは長く、あれこれ考え悩んで、トラブルにも見舞われ、土地を探しはじめてから1年以上経って、
ずっと図面でイメージするばかりだった家が、現実にボリューム感をもって現れ、
ホントに建ってきたんだなぁ…と感激しました。

いままでは何も思わず通り過ぎていた建設現場も、
今後は、見るたびに、それまでのストーリーや、こめられた想いがあることを想像して、
勝手に感極まってしまうかもしれません。

まだしばらく建設で、道を塞いだり、音を立ててしまいますが、どうぞご容赦ください…!!

梅田啓介

クリエイター 梅田啓介

あるときは会社員、あるときはデザイナー、あるときはアーティスト、あるときはおべんとうアーティスト。 楽しいことを求めて。 今年、西陣に家を建てて、引っ越してきます。

2021.10.01
Written By

西陣の名の由来は、応仁の乱で西軍・山名氏の陣の跡。戦乱を逃れ京都から離れていた織物職人たちが戻ってきて織物業を再開したことから、職人たちの住むエリア一帯を西陣と呼ぶようになったと言われている。

それに対して「東陣」と呼ばれるエリアはないのだが、東軍を率いた細川氏の屋敷跡の南にある、小川児童公園の一角には「東陣跡」の説明看板が置いてある。

さて、この公園。適度に距離を取ったベンチが配置されていて、昼休みとなると、ポツンポツンとベンチに腰掛ける老若男女。何をするでもなく人それぞれ、ぼんやりと休むのにちょうどいい公園だ。

私もたまに、その一人。

ある日もぼんやりベンチに座っていると、4人のお坊さんが列をなして、公園の中を斜め一直線、ザッザッザッと草履のいい音を立ててスピーディーに横切っていった。そして公園の敷地の外、角にあるお地蔵様へ何か唱えた後、そのまま通りを去っていく。

公園で休む誰も気には留めていない。のんびりとした時の止まった昼下がりを、さらに真空パックにしてそこに置いてけぼりにされた気がした私は、休憩時間を終えて公園を出る。静かに止まっていた時間を進める。

川原さえこ

もう一つの椅子 川原さえこ

京都府長岡京市在住。フリーランスのリサーチャー、保育士。「もう一つの椅子」という名義でまちのランドスケープ(風景)研究を行う。東京下町から京都へ来て約1年。観光客でもなく京都の地元民でもない境界の視点でふらりと歩いたまちの景色を描く。

2021.09.30
Written By

部屋の窓と版画プレス機と作業台、ついでにコーヒー器具を描いた展覧会のハガキ。その横にトドメの一押し、「西陣」の消印。

このエリアに仕事部屋を借りたばかりの僕は古い建物と版画道具の馴染みにすっかり気をよくして、部屋のものばかり描いた展覧会を企画したのだった。ついでに引っ越しのアナウンスもできるし。

そして、案内のハガキを作るとわざわざ、近くの西陣郵便局で記念切手を買い、近くの喫茶店で貼り付け、手書きで宛名を書き、また郵便局に行って消印を押してもらうというなんとも非合理なやり方でDMを出すという事をしていたのだ。
今、思えばあれは制作のために気持ちを集中させる儀式だったのかも。
そうして、部屋と窓とその周辺の版画ばかり展示した展覧会をしたのだった。

それからは制作や仕事のスタイルも変わってしまい、ああいう感じの展覧会はしていないのだが最近になって、またそういうやり方の展覧会をもう一度やってみたいなと思うようになった。

その時は西陣郵便局かもしれないし、また違う土地かもしれないが、暮らしている土地の消印を押した案内を出してみたいものだ。

*絵はその頃の日記に描かれたイメージです。実際の西陣郵便局は〒型の窓ではありません。

景井雅樹

版画家 景井雅樹

京都の版画工房で銅版画を始める。 2006年頃より、毎日の出来事をノートに青いボールペンで描く絵日記形式の作品を作り始める。 一日1ページで現在4000ページほど。まだ毎日描いている。 コーヒーと自転車と音楽の愛好家。

2021.09.29
Written By

多拠点生活サービス「ADDress」のまっさんこと高本です。
西陣で体験できる超絶な「おいしいもの」は前回お話したKéFU(ケフ)のあんバタートーストをはじめ、キッチンパパのハンバーグや、べじさら舎の野菜たっぷり定食などたくさんあるのだけれど、まだまだ西陣事に疎い身としては西陣で動き回っている人たちに聞いてみるのがお奨め。

ということで西陣に店を構えて、頑張っている二人組のタイ・オーガニック珈琲「Laughter(ラフター)」三輪くんに「なんか美味しいランチない?」と聞くと「それなら鳥岩楼の親子丼がイチオシですよっ!まだ食べたことないけど」と答えが返ってきたのだった。何故食べたこともない親子丼をイチオシに出来るのか、さっぱり意味不明だったけれど、いつもの際限ないスマイルで微笑む三輪くんのまるで象牙のようにきらりと輝く白い歯にほだされて、バッタリその日に会った宮武さんと行くことにしたのだった。

三輪くんへ、本当に有難う。これは今まで食べた中でも絶品の親子丼。そして次回は一緒に食べに行こう!もちろん、食後はチャーリーさんの珈琲で。みなさんにも是非味わって欲しい、西陣の美味しいあれやこれ。

高本昌宏

多拠点プランナー / ADDress 事業企画 高本昌宏

学生時代に伏見と西陣に住んだことがきっかけで、京都では決してメインストリームではないかもしれないこの二地域に惹かれる。多拠点居住サービス立ち上げをしながら、2020年伏見移住。西陣にも同年から通い始め、魅力再発見中。

2021.09.27
Written By

夏の終わりの昼下がり、郵便物を出しに上七軒郵便局へ。郵送手続きをすませて外に出ると、少しましになったとはいえまだまだ日差は鋭く首元に刺さる。いわゆる上七軒のメイン通りは北野天満宮の東参道にあたり観光地である。しかしコロナの影響で観光客らしき人影はほとんど見当たらない。近頃は外に出かける仕事も少なく体も鈍り気味なので、汗かきついでにフラっと歩くことにした。

東に向かってあてもなく歩いてると仕事の電話がかかってきた。少し込み入った話でなかなか話が終わらない。電話をしながらもいつもは通らない細い道を見つけて歩いていくと意外にも小道から小道に分かれ思いもよらない方向に導かれていく。電話を切る頃には全く来たことのない路地にいた。大体の場所はわかっているのだがだいぶ家から離れてしまった。

突き刺さる日差しが耐え難くなってきたあたりで真教寺というお寺の門の前に出た。小ぶりの門で屋根が低いので瓦の模様が近くハッキリ見えた。これほど近くで瓦屋根を見ることもないなと観察してみる。屋根は構造と経年によるものだろう味わい深く歪んでいて瓦の波模様と相まりグニャグニャに見えてきて面白い。

そうしてしばらく波模様を見てたらなぜか無性に「中華のサカイ」の冷めんが食べたくなってきたので思い切って北上することにした。
こうして行きあたりばったりの西陣歩きはまだ続くのだった。

小川 櫻時

映像監督 小川 櫻時

長年様々な映像をを作る仕事をしています。東京、沖縄を経て2015年から京都市在住。近年は、クラフト作家や様々な手仕事をする人々にフォーカスした映像を制作・発表しています。映像空間演出ユニット「SAKKAKU」としても活動しています。

2021.09.26
Written By

写真は、少し前に堀川商店街内のリサイクルショップで購入した飛騨産業のスツール。丸い座面に、持ち運び便利な取り外せる三本の脚と取手、かわいい代物です。
実は私、根っからの家具好きです。
自分の勉強机を買っていいと親から言われ、当時保育園だった私は「民芸家具のライティングビューローが欲しい」と答え、家具屋さんへ探し歩いた思い出があり、きっとその頃には既に「家具の沼」にハマっていたのではないでしょうか。
大人になって国産の希少価値の高い家具や中古家具を買うようになり、深い傷が付いていたり座面が割れていた場合は、修理に出して使っています。
コロナ禍により在宅ワークで椅子や机の需要が高まってはいますが、コスト重視の安価な家具が増加傾向にみえます。安価な家具が悪いわけではないですが、民芸家具は民芸活動で培われた技術によって日本の生活に寄り添った使いやすい構造になっており非常に質の良い物があります。しかし良質な木材とほぼ手作りな分金額が張るため、なかなか手が出せない現状もあり徐々に生産が減り職人も減る衰退現象が起こっているのではないかと…。そんな中で伝統技術を駆使した和家具職人の育成は厳しいのだろうと、民芸家具好きな私は勝手に危惧したわけです。一から作る技術も必要なのは当然ですが、修理に出された家具を通して、家具職人が昔使われた技術や技巧に直で触れ、職人育成に繋がるよう少しでも貢献できればいいなという気持ちで修理に出すようになりました。大工職人も同様、町家の修繕・改修工事をする際に昔の技術を直に触れることで職人育成に繋がるではないかと、地域活動や町家で仕事しつつ感じることがあります。古き良き物や技術を残していくためには、まずは金額関係なく自分がいいと思うものを買って修理しつつ大事に使う、身近なことから取り組んで続けていこうと思います。
あ、そういえば最近、ミズメザクラの無垢材を使用した舞良戸(まいらど)がついた、細部まで作り込まれている九州民芸家具を中古で購入しました。ANEWAL Galleryへお越しの際は見てください(笑)

磯村明見

特定非営利活動法人ANEWAL Gallery デザイナー/マネージャー 磯村明見

京都市出身のグラフィックデザイナー。日本の老舗印刷会社と上海の広告代理店を経て本帰国後フリーに転身。NPO ANEWAL Galleryデザイナー兼マネージャー担当。京都建築専門学校広報担当。京都芸術デザイン専門学校非常勤講師。