西陣にまつわる
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西陣にまつわる人々が、綴るコラムCOLUMN

2021.10.17
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京都に住んでいるならば一度はそののぼりを目にしたことがあるだろう、キョウトグラフィーに行ってきた。

「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭」は、2013年を皮切りに、ここ京都で毎年行われている国際的な写真祭である。西陣より少しエリアはズレるが、ご近所の二条城をはじめ、京都ならではの歴史的建造物や、モダン建築の空間に展開される貴重な展示を、毎年楽しみにしているファンも多い。今年は友人の声掛けもあって、京都の街中に点在する会場をパスポートで巡ることになった。

震災やコロナ禍をテーマにしたまあまあ重めな作品から、体験型で遊び心のある展示まで。特に、写真鑑賞の後、撮影風景を動画で見られたところが面白かった!

「今ここにあるものを自分の目線からまんま撮って残したい」
「計算して細部まで作り込んだオリジナルの世界観を写真で表現したい」
カメラを構えるとき、何を思っていたのか。もっと知りたい。

芸術に触れる秋はとても気持ちが良いものだ。この日は朝から一日かけて会場をまわって、写真もたくさん撮った。お出かけをして、休みらしい休みの日だった。これだけのことで小旅行気分が味わえてしまって、やっぱり特別な街だなぁ。

龍田 春奈

咲里畑 届けびと 龍田 春奈

1993年京都生まれ。西陣育ち。京都市西京区大原野「咲里畑」にて、季節の多品目の野菜、ハーブ、エディブルフラワーを、農薬や化学肥料を使わず育て、販売している。農ある暮らしの中に感じる豊かさを、人に届けることに喜びを見出しています。

2021.10.16
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現在、佛教大学の社会福祉学部の学生が当施設に実習に来ています。
この機会に多くのことを学ぼうという姿勢が感じられて、自分の学生時代の態度が恥ずかしくなります。
もっと勉強しておいたら良かったと思う反面、いつからでも挽回がきくとも思っていて、結局、いくつになっても日々勉強だなとつくづく感じます。

学生時代といえば、佛教大学の近くに「タンポポ」というラーメン屋さんがあって、当時付き合っていた彼女がここのラーメンが好きで、よく食べに行っていました。
ちなみに、伊丹十三の映画「タンポポ」のモデルになったのは四条大宮の「珍元」ですが、こちらは残念ながら2019年に閉店されています。

社会人になって間もない頃、ラーメン好きの先輩に連れられて毎日のようにラーメンを食べ歩いていました。もう20年以上も前のことなので、お気に入りだったお店がなくなっていたり、当時は想像もしなかった斬新なお店ができていたりして、諸行無常の響、盛者必衰の理を感じます。
そんな中でも、堀川商店街の「笑麺」は変わらず好きです。

こんなとりとめもないことをつらつらと書いたのは、先日、佛教大学のある紫野あたりも西陣だよね、という話をしていたからでした。

中島慶行

京都市小川特別養護老人ホーム 施設長 中島慶行

立命館大学大学院社会学研究科博士前期課程修了。 2009年より2年間、京都市小川特別養護老人ホーム副施設長兼京都市上京区地域介護予防推進センター長を務めたあと、伏見区の施設に異動。 2019年、京都市小川特別養護老人ホーム施設長兼京都市上京区地域介護予防推進センター長として復帰。 銭湯と牛乳とじゃこ天が好きです。

2021.10.15
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街角に古写真が吊るされていた。石畳が敷かれ風情ある町並みが広がる西陣大黒町界隈の一角だ。ちょうどこの日は町内の行事があったようで、近くに設けられた舞台で歌や仮装などが行われていた。会場には屋台が出され、近隣の介護施設の人たちも集まっていた。もう2年ほど前のこと。コロナ禍以降はすっかり見られなくなった光景だ。

写真には昭和の京都の姿が写されていた。町内の人から集めたものだろうか。きっとここに集まっている人たちにとっては、若いころを思い出させる懐かしい風景なのだろう。二条の駅前にあったという櫓を持った旅館や、まだ街路樹も十分に育っていない堀川通など、よく知る場所の知らない風景に、私はしばし足を止めて見入っていた。

古写真は場所の記憶の饒舌な語り部だ。たとえモノクロであろうとも、それは色鮮やかに当時の光景を伝える。視覚だけではない。音も。匂いも。古写真の語りは、やはりその場所で見てこそ一番伝わってくる。私はもっと、街角に古写真が増えてほしい。今まさに自分がいる場所の、ほんの少し昔。それが分かれば、まち歩きはどれほど楽しくなるだろう。

重永瞬

京都大学文学部地理学専修 重永瞬

地図とまち歩きが好きな大学生。“西陣の端っこ”(お隣?)仁和学区で生まれ育つ。大学で地理学を学ぶかたわら、まち歩き団体「まいまい京都」でスタッフとガイドを務める。なんでもない街角の記憶を掘り起こしたい。古本とラーメンが好き。

2021.10.14
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寺之内通ラフター通り上る
Laughterさん
ラフター通り?新しく呼ぶようになりまして(笑)
ただ南行き一方通行なんでラフター通りは上がれませんが、寺之内通から5メートル位で私はバイクでクルッと回って店前に止めてます。

そんなLaughterさんのコーヒーがうまい!
常連ぶりますがまだ2回しか行ってないですが、
美味しいコーヒーをいただきながら店主の三輪さんとお話しをするのが大好きです。
コーヒーに詳しくないのですが、
西陣ブレンド・ラフターブレンドといただきました、私的に深く濃い感じに思えるとても美味しいコーヒーでした。
自家製焙煎って凄いな、いいな!と思うお店です。

西陣に行かれるときは 是非!!お立ち寄りしてみてください。

林亮

タクシー運転手 林亮

2019年にまるごと美術館を知り、夜間拝観にお客様をお連れし、その時頂いた福銭の5円玉がご縁を呼んで 西陣、上京区の 沢山の方々と繋がる事が出来ました。 日々 自分地元はもちろん 西陣、上京区を応援してます。

2021.10.13
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モノの値段。

前回の続き。。
西陣で個人で服飾をされている方に偶然出会い、仕事用エプロンの複製をオーダーしました。

喫茶店で打ち合わせ。
お会いするのは2回目で、同じ年齢だという事もあり自己紹介も兼ねてお互いの事を楽しくお喋りし、エプロンを見てもらいながら納期と値段の見積もりをお聞きしました。
そうしたら、その方から幾らにしますか?幾らなら出せますか?と予想外の質問が返ってきました。

私は服飾関係のお仕事の相場というものが全く分からなかったので
凄く戸惑ってしまいました。

その方は業界の値段の付け方に疑問を持っており、値段が理由で頼み難かったり嫌悪感を抱かれることに抵抗感があるようで、お互いが気持ちよく洋服と向き合える値段をお客様と相談しながら決めているとのことでした。

そのような値段付けをしていることに目から鱗でした。
最低製作費もきちんと提示してくださりましたが、それを見てどうプラスしていけば良いか全くわからず。。結局私ももの作りの仕事をしているので製作者をリスペクトしたく言い値でお願いしました。この方法は難しさもありますが、“想い合う”価値を教えてもらう良い機会となりました。

山本萌加

Société Nouvelles Lunetts 視覚研究所 主任研究員 山本萌加

武蔵野美術大学(工芸デザイン学科木工専攻)卒業後、眼鏡制作者七代目山ノ瀬氏に弟子入り。眼鏡制作の修行と、師と共に眼鏡ブランド〝Société Nouvelles Lunetts 視覚研究所〝の主任研究員てしてお店を運営しています。

2021.10.12
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お茶の先生から電気の風炉を格安で譲っていただいたので、早速同じ社中の陶芸作家と二人でお客さんをおもてなし。これを機に、お茶を楽しむ企画を色々試してみたいなと思っています。
またこのエリアはすぐ近くの楽美術館をはじめ茶道にゆかりのある地域ですので、その恩恵にあやかれたらとの下心も。気楽なお茶会の場所をお探しの皆さんにも使っていただければと考えています。
敷居は低く、楽しいお茶のアイデアをお持ちの方がいらっしゃれば、ぜひお話を聞かせてくださいね。

宇野貴佳

好文舎店主 宇野貴佳

油小路の路地奥でギャラリー喫茶を運営しています。 目立たない店が故か、ちょっと個性的なお客様が多いように感じています。 ここでの出会いを中心に、見聞きしたあれこれをお話しできれば幸いです。

2021.10.11
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最近、すっかり秋の涼しさを感じられるようになりました。京都の秋といえば、やっぱり荘厳な寺社仏閣と、境内に生える樹々が紅く染まった光景だと僕は思っています。京都に来てから約2年経ちましたが、どこを訪れても絵になってしまっているのが、怖いくらいです。
さて、今回は「まるごと美術館」について勝手に書いてみたいと思います。僕は昨年の秋に初めて、「まるごと美術館」にボランティアとして参加しました。ご存知の方もいるかもしれませんが、簡潔に述べると、このイベントは寺社仏閣と芸術が融合した展覧会です。昨年、僕は妙覚寺と妙蓮寺でお手伝いさせていただいたのですが、お寺で芸術を鑑賞するのは、とても新鮮な経験で、欲を言えば、その場で半永久的に呼吸をし続けられたらなあと思いました。境内に映える自然を鑑賞するのもよし、展示されたアート作品と格闘するのもよし、お寺の御本尊をじっくりと眺めるのもよし…… 「〇〇の秋」とよく言われますが、◯◯に入る言葉が全て詰まったような、素敵な美術館が期間限定で西陣界隈に出現します。聞くところによると、今年も開催する予定だそうなので、今年の秋の思い出に、訪れてみてはいかがでしょうか。

益田雪景

ライター 益田雪景 オサノート

広島県出身。同志社大学在学中。大学ではボランティア支援室学生スタッフARCO及び新島塾2期生としても活動中。小説家は太宰治と遠野遥、映画は「劇場」と「ミッドナイト・イン・パリ」、音楽はgo!go!vanillasとB T Sが好きです。

2021.10.09
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秋晴れの季節になりましたね。この時期のどこまでも澄み切った青空ももちろん大好きなのですが、この時期の夕暮れの風景も個人的には大好きです。特に西陣の街並みは夕暮れがとても似合うと思っています。西陣の街並みに夕暮れが訪れた風景を見ていると、なかなか言葉で表現するのは難しいですが、日々の疲れた心が洗われるという感じでしょうか。令和のシステマチックな世の中で生活していることを一瞬でも忘れるような感覚になります。そこに機織りの音が聞こえてきたり、あるいは、1台の自転車でも通り、チリンチリンと音がしたらもう堪りません。
是非皆さんも、西陣の真ん中で、夕暮れの西の空をぼーっと眺めてみてはいかがでしょうか。

南知明

上京ちず部 副部長 南知明

鴨川近くで生まれ、幼い頃から近くの上京区の商店街の店主の方々に見守られ育つ。現在は「まいまい京都」商店街食べ歩きツアーなどのほか、地理好きを活かし、「上京ちず部」副部長など、上京区全般で活動。本業は宿泊業。京都観光おもてなしコンシェルジュ。

2021.10.08
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はじめまして。徳田早莉と申します。
大学4回生です。KéFUで働き始めて1年半、西陣で暮らし始めて1年半になります。

突然ですが、就活を経て不健康になりました。具体的には太ったことと、肩こり腰痛です。大体の人間が持つ体の悩み全てを獲得してしまい、運動することを決意しました。

でもジムは高いし雨降ったら行かなくなるしな…と極度のヘタレを発揮して思い付いたのが『コソコソ西陣ランニング』です。

『コソコソ西陣ランニング』とは、知り合いに出会わない(もしくは出会っても気づかれない)夜の時間帯に西陣を走り回り、しれっと健康になるぞという作戦です。

走り始めて体の調子が良くなってきていることを実感しているのですが、それ以上に新しい発見がたくさんありました。
それは西陣の『人』です。

例えば毎晩9時頃に手を繋いで犬の散歩をする夫婦、家の前でバッティング練習をする野球少年、仲良くお喋りしながら歩く銭湯帰りのおばあちゃん達…。
こんなに色んな人が夜の西陣を歩いていたなんて、ランニングを始めるまで知りませんでした。どの街にもあるありふれた日常かもしれませんが、その光景を見て、「あ、西陣だな〜」といつも思うのです。

徳田早莉

KéFUスタッフ 徳田早莉

同志社大学4回生です。 KéFUのカフェでアルバイトさせていただいてます。朝ごはんとタイ料理とおにぎりが好きです〜!

2021.10.07
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ある日、見知らぬ男性が訪ねて来て、いきなり「おたくの路地園芸、とても素敵なので、今度芸術祭にご参加いただけませんか?」と頼まれたら、大抵の方は「新手のオレオレ詐欺?」と怪しむかもしれません。10年ほど昔、アーティストの村山修二郎さんは、東京墨田区の京島で「京島路地園芸術祭」を企画しました。彼が選んだ10軒ほどのお宅にエントリーをお願いして、独自なマップを作り、地域の内外の鑑賞者に「路地園芸術スポット」を巡り歩いてもらいながら、路地やそこでの暮らしの魅力を再発見してもらうプロジェクトです。幸い木訥とした村山さんの人柄も手伝って、警察に通報されることもなく、何度か足を運ぶうち、みなさん快く協力してくださいました。初めは「うちの園芸なんて、人様に見せる価値が無いから」と渋っていた家も、二度目に伺うと、植木鉢が前より綺麗に並んでいた、なんてこともあったとか。「路地園芸術祭」では人気投票も行い、最多得票の方には、金色の植木鉢のついたトロフィーがプレゼントされました。西陣エリアを散歩するたび、彼のエピソードを思い出し、こちらの路地でもいつかプロジェクトをやってみたいと、勝手に妄想したりしています。

曽我高明

ANEWAL Gallery現代美術製作所 ディレクター 曽我高明

東京の下町・墨田区の向島で、長年展覧会やアートプロジェクトに取り組んできました。縁あって2017年より上京区に拠点を移し、ANEWAL Gallery 現代美術製作所(通称:現代美術製作所)をオープン。ゆるいペースで様々な活動をしています。