西陣にまつわる
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西陣にまつわる人々が、綴るコラムCOLUMN

2022.02.08
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年初めなので、登山靴を新調した。
長い間憧れていたオールレザーの昔風の登山靴。

こういう靴は履くまでにも手間がかかるらしい。縫い目を液で何度も乾燥させながら目止めして、それが終わったらワックスを手で擦り込む、つまり自分で防水加工をしなければいけないのだ。そして中敷をいれたり靴下を合わせて調整したりと。
そんな事を2日もかけてやっていく。

そして、いよいよおろす。
せっかくなので格好も昔風のハットをかぶって旅気分で近所を散歩してみるのだ。
そしていざ、歩いてみるとまだ全然革が硬くて痛い。そして片方1キロはある登山靴は慣れないと足に重りをつけているようだ。
いつもはサッサと通り抜けていく西陣の道を一歩一歩ロボット歩きで歩いていく。

そしてもう疲れて部屋に戻ろうとすると、みたらし団子ののれんが目に入ってきた。
たぶんいつも見ていたはずなのだが意識した事なかったのかも。
甘いものが欲しくなり、立ち寄ってみた。

店のおばちゃんも僕が慣れない観光客に見えたのだろう。団子を用意しながらいろいろとの辺りについて教えてくれる。

「熱いうちに食べてな!」と念を押されて団子を手渡されたので、部屋に戻ってから食べるつもりが本当に観光客のようにみたらし団子を歩き食いすることになってしまった。

食べてみて驚いた。
おばちゃんの旦那さんの実家の飛騨高山の味付けというそのみたらし団子、甘くないのだ。
醤油の香ばしい味。今まで食べたことのない種類の団子である。

いつも歩いている道も違う設定で歩いてみると違うモノが目に入って、新たな出会いがあるものだ。

景井雅樹

版画家 景井雅樹

京都の版画工房で銅版画を始める。 2006年頃より、毎日の出来事をノートに青いボールペンで描く絵日記形式の作品を作り始める。 一日1ページで現在4000ページほど。まだ毎日描いている。 コーヒーと自転車と音楽の愛好家。

2022.02.06
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多拠点生活サービス「ADDress」のまっさんこと高本です。

ADDress西陣B邸でもあるKéFU(ケフ)stay&loungeで2021年からはじまった新年餅つきイベントは世代を超えるだけではなく地域をつなぐイベントでもある。

2020年冬にマネージャの横山恵さんが「こんなご時世だからこそ地域のみんなが笑顔になれ、元気になれることをしたい」と新年餅つきイベント企画を構想、Facebookで臼と杵を探しているという記事を見た時のこと。ちょうど伏見「田んぼラグビー」で餅つきしていた二人のスキンヘッドなオッサン顔が思い浮かんだ。(そういう僕も勿論オッサンだ笑)伏見つるりんズである。

伏見向島「宮本ファーム」の宮本直嗣さんのオーガニック餅米と特別養護老人ホーム「ヴィラ向島」の長田栄臣さんとこの石臼&杵。伏見つるりんズの協力で西陣お餅つきイベントでたくさんの笑顔が生まれることになった。2022年イベントは参加できなかったのだけれど、横山さん、伏見つるりんズはじめたくさんの関係者の尽力で西陣に笑顔が溢れるのは嬉しいなぁ。

僕の大好きな伏見と西陣。地域と地域がつながることで2022年も素敵な出会いや何か面白いことが生まれますように。

高本昌宏

多拠点プランナー / ADDress 事業企画 高本昌宏

学生時代に伏見と西陣に住んだことがきっかけで、京都では決してメインストリームではないかもしれないこの二地域に惹かれる。多拠点居住サービス立ち上げをしながら、2020年伏見移住。西陣にも同年から通い始め、魅力再発見中。

2022.02.05
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このコラムは、【西陣】についてのことなら何を書いてもらってもいいとお伝えしています。おすすめのお店や風景、文化、日常生活など、様々なことを皆さんに発信していただいているのですが、まもなく1年も経つとネタが尽きてきているようで、「困った」という声をよく耳にします。今後の運営について対策を考えつつ、私は一つの秘策を思いつきました。

 

コラムのネタを他の人のコラムの中から探す。これがなかなか皆さんのコラムを読んでいると、気になるお店が出てきたり、コメントを残したくなったりするもので、先月の宇野さんのコラムに出てきた「知り合いのタルト屋さん」というワードが気になり、宇野さんに「知り合いのタルト屋さん」の正体をお聞きしました。

 

そして、行ってきました【le murmure(ミュルミュール)】。
寺之内通小川通下るに位置するシンプルで洗練されたお店。私が行った頃には何人か並ばれていて、列に入りながら綺麗に並べられたお菓子を覗き込み心を躍らせます。タルトをはじめ、フィナンシェ、パウンドケーキ、シフォンなどドゥミセックを得意としたお店なのかな、と感じるラインナップ。味もたくさんあり、カウンターを行ったり来たりしながら、7種類ほどのお菓子を購入。一人一人への接客を大変丁寧にされていて、私も見習わなければと背筋を伸ばして帰ってきました。

 

家でハーブティーを淹れ、早速いただきます。
ちょっと衝撃。どれもすごく美味しいのだけど、特にフィナンシェの美味しさに驚きました。これは皆さんに食べてほしい。季節もののタルトタタンも絶品です。

 

コラムから新しいお気に入りを見つけてしまいました。これから人へのお土産はここにしよう。
宇野さんありがとうございます!

横山恵

紡ぎ手/運営 横山恵 オサノート

KéFU stay&loungeカフェ宿泊事業統括マネージャー。「オサノートを通して西陣の街を訪ねてほしい」という思いでメディアを設立。普段はKéFUの現場に立っていたり京都を走り回っています。純喫茶と歌謡曲が好き。すてきな純喫茶情報お待ちしてます。

2022.02.04
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「退屈な展覧会」というプロジェクトを2020年に立ち上げた。文字通り「退屈な展覧会」という展覧会をやるためのプロジェクトでその年の10月に「退屈な展覧会」を開催した。しつこく「退屈な展覧会」と連呼しているのは2つ理由がありまして。

1つめは「退屈な展覧会」という名前を中々覚えてもらえないこと。
「名前のない展覧会」「つまらない展覧会」「ヒマな展覧会」「憂鬱な展覧会」
「空虚な展覧会」「無意味な展覧会」「やる気のない展覧会」などなど。どれもだいたい意味合いを言い得ているものが多く、それがむしろ面白くて最近は間違えてても指摘も特にしていない。
でも一応この場でひとまず「退屈な展覧会」を連呼しておこうかなと。おそらく無駄な抵抗でこの先も間違われていくのだろう。

という訳で2つめは告知です。「退屈な展覧会」をやります。

2/10(木)〜 14(月)
西陣変築企画室 × 退屈な展覧会
「〇之景色」(ゼロノケシキ)

「西陣変築企画室」を主催するインスタレーションアーティストの間瀬拓人(https://about.me/7z)くんとワタクシ「退屈な展覧会」の共同企画です。

場所:PELGAG (instagram.com/pelgag.cafe)
京都市中京区裏寺町607‐19 ヴァントワビル3, 4階
12:00~20:00
1ドリンクオーダーで入場可能。

開催は街なかですが、西陣に住む2人を中心に展開する謎のインスタレーション展示です。
まんぼう中ですが開催します。自衛の上ご来場ください。

小川 櫻時

映像監督 小川 櫻時

長年様々な映像をを作る仕事をしています。東京、沖縄を経て2015年から京都市在住。近年は、クラフト作家や様々な手仕事をする人々にフォーカスした映像を制作・発表しています。映像空間演出ユニット「SAKKAKU」としても活動しています。

2022.02.03
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気がついたら2月に突入。てっきり1月中にオサノートのコラムの担当が回ってくると思っていたので、お正月のネタを準備していました。日にち的に、旧正月に近いと言う事でお正月ネタを話しちゃいます。

磯村家のおせち料理は、毎年作ります。
ちょっと大袈裟に言い過ぎですが…代々受け継がれてきた京都のおせち料理をベースに、時代に合わせて少しずつアレンジが加わったおせち料理を作っています。
小さい頃は三ヶ日毎日食べると飽きた記憶がありましたが、いつの頃か楽しめるようになりました。おそらくお料理を手伝うようになってからかなぁと今になって思います。

お手伝いをする時、私は基本、皮剥き役と味見役。
金時人参、くわい、蓮根、百合根、蕗、牛蒡などなど剥くものはたくさんあります。「今年の蕗は、皮と筋を剥くと水が滴るし、透き通っていて綺麗」とか「今年の小芋は、天候が悪かったからか、赤い傷が多い」という風に、目で見て指で触れて感じ、そして味見をして味覚で感じることが、楽しみに変わりました。
上海滞在中は、春節(旧正月)に一時帰国していたので、おせち料理は買える食材だけですが、自分で作りました。しかし、中国のくわいは日本の3倍の大きさで、割らないと(縁起が悪いですが…)なかなか味が染み込まなかった記憶が(笑)
そんな風に今では、毎年おせち料理を母と一緒に作り、楽しんでいます。

「作る」ことで、目で見て肌に感じて心に触れる。西陣の文化にも「作る」風習が根付いているから、ものづくりの人間である私は、居心地がいいと感じるのかもしれません。

磯村明見

特定非営利活動法人ANEWAL Gallery デザイナー/マネージャー 磯村明見

京都市出身のグラフィックデザイナー。日本の老舗印刷会社と上海の広告代理店を経て本帰国後フリーに転身。NPO ANEWAL Galleryデザイナー兼マネージャー担当。京都建築専門学校広報担当。京都芸術デザイン専門学校非常勤講師。

2022.02.02
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今年の正月休みは久しぶりに東京に行ってきました。
3日間の滞在でしたが、京都とは比べ物にならないくらいの人の多さと、立ち並ぶ高層ビル群、そして至る所で進む工事。
常に姿を変え進化を続けるまちに圧倒されっぱなしでした。

そして、3日間の滞在を終え戻ってきた西陣。そこには、いつもと変わらぬ「日常」が待っていました。
でも、束の間の「非日常」を経験したせいか、目の前に広がる「日常」がとても愛おしく感じました。

当たり前すぎる「日常」の素晴らしさを、西陣から離れてみて改めて感じることが出来ました。

今年もコロナ禍で不安定な状況が続きますが、色んなことにチャレンジし、色んなところに足を運んで、色んなものに触れながら西陣をもっと知り、もっと好きになる一年に出来ればと思います!

三輪浩朔

Laughterロースター 三輪浩朔

2020年10月「Laughter」を開業。21歳までコーヒーを飲んだことがなかったが、タイ北部の農園に直接足を運んだことでその魅力にほれ込む。コーヒーを通じて生産者の思いやストーリーも届け、一杯から笑顔溢れる空間を紡ぐことを目指している。

2022.02.01
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遅ればせながら明けましておめでとうございます。

小正月も過ぎ、寒さ真っ盛りの西陣ですが今年は底冷えするなぁという感覚はあまりなく、しっかり冬の寒さを味わっている気がします。雪も例年よりも多く降っているような気もしないでもない・・・

ちなみに実家は関東でして、このご時世なかなか帰省できなかったのですが、2年ぶりに実家にて正月を過ごしました。その時、恐らく初めて「関東の方が寒いんじゃね?」と感じた次第。普通に考えれば京都より北に位置するので当たり前って言えば当たり前なのですが、思った以上に寒かった・・・

そんなお正月を過ごし、今年の抱負をもんもんと練りつつ、新たな2022年を踊って行きたいと思います。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

ミツギタカユキ

デザインカタリスト ミツギタカユキ

20歳より渡米し、大学にて彫刻からインタラクティブアート、デザインなど幅広い分野を学びつつフリーのデザイナーとして活動。帰国後京都に移住。現在西陣にてデザインカタリストとしてウェブ制作からデザインに纏る企画・運営など幅広い分野で活動を行う。

2022.01.31
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先日の大雪も、ようやく雨で溶けたある日、お昼に、納豆と餅ばっかり食べてるのでは身体も温まらないと思って、近所のラーメン屋(誠養軒)へ。2坪ほどの客席しかないので、誰か中にいると入らないようにしていたけど、たまたま誰もいなかった。人生で2回くらいしか来たことがないので、どんな味かまったく覚えていない。とりあえずラーメンと餃子を注文。「はいどうぞ」って出てきたスタンダードな醤油ラーメン。味の特徴が掴めないほど、王道なラーメンだったけど、店主が「大寒(だいかん)」、で冷えた身体は少しは温まりましたか?」ってお声かけいただいて、味より、何より暖かいほっこりした気持ちになりました。西陣に来た際は、そんな少しだけ暖かい気持ちになる誠養軒に足を運んでみてはいかがだろうか。

 

亀村佳宏

映像ディレクター 亀村佳宏

1978年に京都市(北区平野)で生まれ育ち、2002年、上京ののち、PV、スポット CM 制作を経て、撮影技術やコンポジット編集技術を習得。2009年に京都に拠点を戻してから、個人事務所で映像や写真の仕事をしております。趣味:卓球

2022.01.30
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年が明けてから、冷え込む日が随分続いているように感じ、大人はふるえるばかりですが、
子どもたちは寒さなんかへっちゃらのようで、「あつい、あつい!」と言って走って毎日ミライブラリに帰ってきてくれます。そんな様子をみていると、こちらも何だかあったかくなった気分になっています。
さて、先日は皆さんもご存じの通り、京都市内もたくさんの雪が積もりました。最近は雪が降ることが多く、子どもたちはワクワクしながら積もらないかなぁと願っていたところでしたので、みんなとても嬉しそうでした。大人にとっては、通勤等など、なかなか大変な1日でしたが、子どもたちにとってはとても楽しい1日になったようで、「小学校で、雪合戦をした!」とか、「朝、雪だるまをつくった」とか、いろんな出来事のお話をきかせてくれました。
ここ最近の新型コロナウイルスの感染拡大により、またまた子どもたちの日常もガマンガマンの日々ですが、そうした中の、ちょっとした自然からの贈り物となったようです。
写真は、夜に、大きなタライいっぱいに雪をお部屋に持ってきて、みんなですこしだけ雪遊びをした時の様子。あたたかい部屋でもやっぱり雪は冷たいです!

村上弘

特定非営利活動法人 代表 村上弘

特定非営利活動法人SOWERS代表 放課後の時間に、多様な体験を届けるafter schoolミライブラリを運営。子どもたちの今とこれからを考え、放課後の選択肢とその可能性の拡張を目指し、日々活動しています。

2022.01.29
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西陣京極のお店がある町内と住んでいる場所の町内とでは近所の人たちの雰囲気が全然違う。当たり前ではあるのだけど、

2つの場所はわかりやすく
一方は映画館が立ち並んだり、ピンク街だったり…もう一方は昔からの西陣織の会社や地主の人が多くいるようなところ。

エリアによって何があった場所か、どんな店がある場所か。どのような歴史があったかによって雰囲気が大きく変わってくる。

個人的に店が街を創っていくと考えているので、これからの町内の歴史や雰囲気を創りあげる意味でも自店も重要なピースであると。
少しづつ街を創る優しい風を吹かせていけたらなと。(具体的に何やねん笑)

特にカオスな雰囲気の西陣京極は、何度も変化し歴史を重ねて味をだしている。
下駄の音、日本映画、ピンク街、飲み屋街。

味が出過ぎて近寄りにくいくらいに。
そんな色濃い場所がまた歴史を重ねるべく少しづつ変化しているように感じる。
若い店主の店が増えたり、クーポン件作ったり、HP作成も進んでいる。うちのとなりのとなりには20代前半のオーナーの店ができる予定。

変化をとげ歴史を重ね独特の雰囲気を創り上げるこの場所がまた味を濃くしていく。
楽しみ。

森 風渡

風とCOFFEEオーナー 森 風渡

2020年10月に"風とCOFFEE"を西陣京極にオープン。コーヒー屋には不向きとされる入り組んだ路地奥にて自家焙煎を行う傍ら、京都で1番ディープな路地(自称)である西陣京極に新たな風を吹かせるべく奮闘中。