西陣にまつわる
人々による
ウェブメディア

4/8

西陣にまつわる人々が、綴るコラムCOLUMN

2022.03.10
Written By

3月に入り、日中は暖かな春の陽気を感じる日も出てきました。
子どもたちも学年末、春休みももうすぐそこまで近づいてきています。

子どもたちの関心の中には、すでに新しい学年になってからのこともあるようで、
特に今の1年生は、新しい1年生を仲間に迎えることに内心ドキドキしているようです。
西陣のまちの中でも、小学校へ通う練習をしているのかなぁと思われる親子の姿をお見かけします。そうした様子を眺めながら、新しい年度を間近に控え、私たちも少し気持ちがソワソワする今日この頃です。

さて、昨年11月に、まちのフィールドを活用し、様々な地域の店舗様にご協力いただいて実施した「なぞときまちさんぽ」ですが、この春(予定では5月)、マチゴトアフタースクールプロジェクトとして、第2弾を実施することになりました。今回はさらに多くのメンバーの皆さまと共に、よりおもしろいイベントとなるよう企画を進めています。このまちが、子どもたちにとって、子育て世帯にとって、そして多様な多世代にとって、さらにおもしろいことに溢れた「まち」となるよう、微力ながら全力で取り組んでいきたいと思います。

村上弘

特定非営利活動法人 代表 村上弘

特定非営利活動法人SOWERS代表 放課後の時間に、多様な体験を届けるafter schoolミライブラリを運営。子どもたちの今とこれからを考え、放課後の選択肢とその可能性の拡張を目指し、日々活動しています。

2022.03.09
Written By

子供の頃は団地に住んでいて団地の中が遊び場だった。塀や物置きなど登れるところはどこにでも登り、そこから団地の外や隣接する塀の上を伝って近所にワープするルートを知りつくしていた。かくれんぼや缶蹴り、ドロケイに明け暮れる日常で自然と身についていた。新しいルートや隠れるスペースを見つけるとすごくワクワクしたのを覚えている。

今住んでいる西陣界隈の住宅地には自転車も通れないような小道がちょこちょことあって散歩で見つけると探索してみる。敢え無く行き止まってしまう事もあるが、思わぬところにつながっていたりする。新たなルートを発見すると小躍りしたくなるような快感がある。子供の時からその感覚は変わってないのだ。

小川 櫻時

映像監督 小川 櫻時

長年様々な映像をを作る仕事をしています。東京、沖縄を経て2015年から京都市在住。近年は、クラフト作家や様々な手仕事をする人々にフォーカスした映像を制作・発表しています。映像空間演出ユニット「SAKKAKU」としても活動しています。

2022.03.08
Written By

何度も雪が降り厳しい寒さが続いた冬もそろそろ終わり。
春の訪れを感じる温かい日も増えてきました。
と同時に、新生活の準備を始める方も増えてきました。先日もお客さんで「名古屋への引っ越しが決まりました」「就職で東京に向かいます」なんて声も聞きました。

実は、卒業や就職・引っ越しなどライフステージが変わってもまた京都に立ち寄った際にふらっと来てもらえるそんなお店になれば良いなぁというのがオープンするときの隠れた野望でした。

だからこそ、もちろん寂しい気持ちで一杯ですが、ただ商品をやり取りするだけでなくささやかながら個人的なお話を出来る事にとても幸せを感じます。

コロナ禍で様々なコミュニティの希薄化が叫ばれる中で、誰かにとっての「帰って来れる場所」でありたいなぁと思うし、自分自身もいつか西陣を離れる日が来たとしても「帰って来れる場所」と言えるようにもっともっと西陣の事を知りたいと改めて感じる日々です。

三輪浩朔

Laughterロースター 三輪浩朔

2020年10月「Laughter」を開業。21歳までコーヒーを飲んだことがなかったが、タイ北部の農園に直接足を運んだことでその魅力にほれ込む。コーヒーを通じて生産者の思いやストーリーも届け、一杯から笑顔溢れる空間を紡ぐことを目指している。

2022.03.06
Written By

あっという間に今年も3月。

北野天満宮では梅が咲き始め、そろそろメジロも戻って来始める初春。とは言えまだまだ朝夜は寒く油断していると風邪を引きそうな温度差で、早く暖かくならないかなぁと願ってやまない今日この頃です。

さて今年に入ってから長らくお休みしていたフォトウォーク、というかタダのお散歩カメラとvlogを再開しているのですが、ここ2年ほどあまり街をウロウロしていなかったせいか、色々なところにお店が出来ていたり、はたまた町家がなくなって空き地になっていて寂しくなったりと西陣の変化をリアルに感じつつ、写真や映像に収めています。

今年1年は西陣界隈の雰囲気をアーカイブしつつ、色々な動きに繋げていければ。季節を楽しみつつ、のほほんと春を待つこととします。

ミツギタカユキ

デザインカタリスト ミツギタカユキ

20歳より渡米し、大学にて彫刻からインタラクティブアート、デザインなど幅広い分野を学びつつフリーのデザイナーとして活動。帰国後京都に移住。現在西陣にてデザインカタリストとしてウェブ制作からデザインに纏る企画・運営など幅広い分野で活動を行う。

2022.03.02
Written By

「コロナ陽性者が出て保育園が休園になった」
「小学校でリモート授業が始まった」

第6波が来たと言われてしばらく、こんな事態になっています。
普段行く場所をなくした子どもたちがどこに「いる」のか、私は想像できていませんでした。

2月上旬のある日、お昼どきを過ぎた頃にバザールカフェに寄ると、庭で4,5人の子どもたちが走り回っていました。そこに親御さんの姿はほぼなし。バザールカフェのスタッフやボランティアやお客さんが、子どもたちと一緒に遊んでいるのです。

カフェなので、子どもさんと遊べる態勢でないときが勿論あります。
まったく知らないお子さんが1人で訪れるということも、これまではなかったように思います。

ただ、子どもが今そこに「いる」ということを、空間や、居合わせた人が無条件に受け入れている。
そしてそれぞれが無理のない距離感で、そのときをなんとなく楽しんでいる。
そんなように私は感じました。

「お子さんと一緒に遊びます!ぜひおいでください!」と大手を振っては言えませんが、お子さんも親御さんも「いる」ことができる場所のひとつとして、バザールカフェを思い出していただけると幸いです。

狭間明日実

バザールカフェ店員 狭間明日実

バザールカフェ事務局6年目。日々の営みをとおして、場から起こるもの、個人がのびのびと生きることなどを考えています。 傍らで、地域、福祉、食べることにまつわるいろんな仕事や遊びをしています。 同志社大学社会福祉学科卒業。社会福祉士。海が好き。

2022.03.01
Written By

《仕出し文化》

京都には”仕出し”という文化があります。
今流に言えば料理のデリバリーのことですが、気軽なお弁当から、フルコースの懐石まで幅があって、さまざまな料理を身近に愉しむことができます。

祇園の一般的なお茶屋さんは、自ら料理を用意せずに仕出しを頼み、席を貸しています。
その席のアレンジはお客様の利用目的に沿うものなので、本来は自由度が高いのです。
そこでは、舞妓さん芸妓さんをお願いして遊興の席にしても良し、会議の席に利用しても良し。
集まりの趣旨に合わせて会場も選びます。

京都では地域の有志による活動も活発なので、仕出しはその会合が和やかな雰囲気に進むための潤滑剤にもなっています。

古来から日本を動かすときに付き物の、密議、密談、謀議といった穏やかならざる謀りごとの文化も、こういうふうに始まったのでしょうか。

山ノ瀬亮胤

眼鏡制作者・現代美術家・ソシエテヌーベルリュネト視覚研究所々長 山ノ瀬亮胤

京都市上京区在住。眼鏡制作者・現代美術家・ソシエテヌーベルリュネト視覚研究所々長。芸術~工芸に拡がる独自分野の構築で国内外より評価され欧州ハプスブルグ家御用達。マスメディアでの出演・取材多数。豊かな江戸庶民文化と職人の心を紹介している。

2022.02.27
Written By

入籍をした。入籍日は覚えやすい日がいいよねという理由から、2022年2月22日という、2がズラッと並んだ日を記念日とした。にゃんにゃんにゃんイヤーににゃんにゃんにゃんデイということで、今年はスーパー猫の日ということらしかった。特段猫派というわけでもないのだけれど、こういうことはいろんなお祝いごとが重なった方が嬉しいに決まっているので良かった。結婚に当たり、下京区に引っ越すことになり、長く住んだ西陣から少しだけ離れることになってしまった。といっても実家は西陣にあるのだし、心の距離的には変わらない。先日「つぎの西陣をつくる交流会(つぎにし)」というオンラインイベントに参加した際も、「西陣から参加しています」と揚々と言っていたが、結局、どこに住んでいようと、関わりしろは気持ち次第なのであまり関係ないと思った。たくさん通えばいいし、これからもたくさん、この街を面白がっていこう。そろそろあったかくなってきたら、夫(と呼ぶのはまだ恥ずかしい)と写真散歩でもしたいなと思う。

龍田 春奈

咲里畑 届けびと 龍田 春奈

1993年京都生まれ。西陣育ち。京都市西京区大原野「咲里畑」にて、季節の多品目の野菜、ハーブ、エディブルフラワーを、農薬や化学肥料を使わず育て、販売している。農ある暮らしの中に感じる豊かさを、人に届けることに喜びを見出しています。

2022.02.26
Written By

先月下旬にオミクロン株と思われるクラスターが発生し、その対応に追われ続けた1ヶ月でした。
実感として、世間が思っているような無症状者や軽症者は少ない印象です。
やはり何がしかの症状は出るし、重症化する人はします。
感染スピードもべらぼうに速いので、気付いたときには感染が拡がっています。

救急車を要請しても搬送先が決まらず、搬送先が決まっても入院させてもらえなくて、結局施設に戻ってこられるケースも多々ありました。
感染予防のため極力部屋から出ないようお願いしていたこともあって、入居者の多くはADLの低下が顕著です。
この間、デイサービスやショートステイも休止せざるを得ず、利用予定だった皆さまにはたいへんなご迷惑をお掛けしました。

先日、ようやくクラスターは収束しましたが、当然、今回明らかになった感染拡大防止に係る課題については、きっちりと改善に取り組んでいきます。
一方で、低下したお年寄りの生活の質をどう立て直していくか、ということは、感染拡大防止と同じか、それ以上に大きな課題です。

「普段の暮らし」が大きく損なわれる中、私たちに何ができるのか、皆さまのお知恵も拝借しながら考えていきたいと思います。

中島慶行

京都市小川特別養護老人ホーム 施設長 中島慶行

立命館大学大学院社会学研究科博士前期課程修了。 2009年より2年間、京都市小川特別養護老人ホーム副施設長兼京都市上京区地域介護予防推進センター長を務めたあと、伏見区の施設に異動。 2019年、京都市小川特別養護老人ホーム施設長兼京都市上京区地域介護予防推進センター長として復帰。 銭湯と牛乳とじゃこ天が好きです。

2022.02.25
Written By

建物や道路の間にある余ってしまった土地のことを「残余地」という。ヘタ地や三角地と言ったりもする。「碁盤の目」の街である京都にも、ときどき残余地は発生する。写真は新町通りにある残余地で、道路の食い違いを解消するべく斜めに道を通した結果生まれたものである。
残余地にはどこかマニア心をくすぐるものがある。建物の敷地としては使いづらい残余地には、自動販売機が置かれたり、ゴミ捨て場になったり、あるいは緑地として利用されたり、「余っている」がゆえの利用法が見られる。それが面白い。
しかし、ここの残余地はまったく手が付けられていない。全面が導流帯(ゼブラゾーン)になっており、何も置かれることなく純粋な「残余」となっている。普通なら、これだけの広さがあれば軽く芝生を敷いてみたり看板を立てたりしそうなものだが、そんなことは一切しない。そこにはただ「無」があるのみである。
使えるものは何でも「活用」する昨今の風潮とは真逆を行くこの残余地には、孤高の美学すら感じる。余っているのではない、余らせているのだ。この残余地が失われるとすれば、それは京都という街に「余裕」が無くなったときなのだろう。

重永瞬

京都大学文学部地理学専修 重永瞬

地図とまち歩きが好きな大学生。“西陣の端っこ”(お隣?)仁和学区で生まれ育つ。大学で地理学を学ぶかたわら、まち歩き団体「まいまい京都」でスタッフとガイドを務める。なんでもない街角の記憶を掘り起こしたい。古本とラーメンが好き。

2022.02.24
Written By

今年に入って時間があっという間に過ぎ去り気がつけば、2月ももう半ば。
まだ雪が降る日も続いています。

私は九州生まれでどちらかと言えば夏が苦手でした。が、京都の冬を経験してから一気に冬が苦手になってしまいました。
寒さの質がまったく異なり、良く言われていますがとにかく“芯から冷える”寒さに毎年びくびく、ぶるぶるしております。
しかし、雪を纏った京都の冬はついつい寒い中外出したくなる程に風情を増し、雪景色にうきうきしてしまいます。

風情を楽しむ事が出来るようになったのは確実に京都に来てから。

数年前の大雪の日は、師匠に誘われて雪に覆われた金閣寺を見に行きました。その時はなぜ朝早くから寒い中わざわざ行くのだろうか?と疑問だらけでついて行きました。人混みの中見た雪の白と金のコントラストと池の青い氷は今でも脳裏に焼き付いています。

もう一つは紅葉の時期。
九州では紅葉狩りに行くという慣習は持ち合わせていなかったのですが、京都では桜の開花と同じ盛り上がりを見せている事に驚きましたし、気が付いたら毎年紅葉狩りに行っている気がします。

風情を愛でるという習慣を楽しむ事ができ、あ、大人になれたなと思った今年の寒い寒い冬でした。

山本萌加

Société Nouvelles Lunetts 視覚研究所 主任研究員 山本萌加

武蔵野美術大学(工芸デザイン学科木工専攻)卒業後、眼鏡制作者七代目山ノ瀬氏に弟子入り。眼鏡制作の修行と、師と共に眼鏡ブランド〝Société Nouvelles Lunetts 視覚研究所〝の主任研究員てしてお店を運営しています。