西陣にまつわる
人々による
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10/11

西陣にまつわる人々が、綴るコラムCOLUMN

2022.06.27
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幼い頃、8ミリ映画を見せてもらうのが楽しみでした。
祖父が凝っていた8ミリ映画はフィルム1本で5分ほどの映像しか撮れず、カメラ、フィルムは勿論、撮影後には現像料金が必要、上映には映写機やスクリーン、編集するには…。非常に贅沢なものでした。けれどそれだけ撮影者の思いが詰まっているように感じます。
昭和30年代の近所の様子や地蔵盆、8ミリ映画のお約束?堀川通を走るチンチン電車、祇園祭や時代祭、叔父・叔母の婚礼、曾祖母の葬儀の様子なども見つかりました。せっかくなのでデジカメで複製してアップロードしようと計画中です。
生前父が「久しぶりに見たい」と言ってましたが、準備が結構大変で、途中で早送りなどできませんし「今度時間があるときにやるから…」などと先送りにしたせいで、その願いをかなえてやれませんでした。父が若い頃の映像や父が祖父を撮った映像も見つかりました。本当に残念です。
スマホをタップしただけで見られる写真や動画、とても手軽なものとなりました。果たして50年後、ぼくの撮ったSDカードに残るデータをこんなふうに楽しんでくれる人はいるのだろうか…そんなことを考えながらしばらくわが家の「映像の世紀」を楽しもうと思います。

岡田健

光都紙工有限会社 代表兼デザイナー 岡田健

西陣の南東?の牛乳屋の息子として生まれ育って五十数年、今は極小印刷会社の代表取締役兼デザイナーです。ウクレレとコーヒーが好きです。

2022.06.25
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西陣に住み始めて一番印象的な景色が実は「お地蔵様」だったりします。今住んでいる場所も住宅の多いエリアですが、どんなに密集地でも絶対にお地蔵様の場所は確保されていて、民家の敷地内はもとより、場合によっては住宅建築の一角に組み込んで安置されている場所まであって、初めて見たときは驚きました。どこのお地蔵様もいつも綺麗に保たれていて、若い方でも手を合わせたり挨拶をし、地蔵盆の賑わいも町々で大切に守り継がれている。

とはいえ、今まではそれを傍観しているだけでした。ここに越してきて5年、地域の結びつきが大きいこの町で、町内会の運営にも少しずつ関わらせていただくように。お地蔵様当番もそのひとつで、私は今年の夏に町内のお地蔵様のお花係を受け持つことになり、真夏の暑い時期にいかに花を長持ちさせてお供えをするのか、なんてことを今から思案しています。

ふと、こうして考え行動する機会があるからこそ、地域の大切なもの。という意識が芽生えていくんだな、と、改めて。今までは通りがかって挨拶するだけだったお地蔵様との関わりが変わることで、そこを取り巻く景色も少し違って見えてくる。暮らすことで見えてくる景色がここにもまた。

松波さゆり

和裁士 松波さゆり

岡山県出身。布好きが高じて京都で学び暮らし始めて早18年目。プロの和裁士としてテレビドラマの衣装をはじめ様々な仕立てを手掛ける。現在は市民運営の寺院 ”寳幢寺”のスタッフとして日々を過ごしながら、社会や地域に貢献できることを模索しています。

2022.06.22
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お久しぶりです。

 

怒涛の施主施工から完成、そして引き渡しを経て、
新居に引っ越してきました。

 

荷物の多い私たち(おもに私)、引っ越しもハードでした。
引っ越し前の断捨離で250㌔もの荷物をクリーンセンターに運び処分したものの、荷物のダンボールは120箱。
現在、引っ越しから4ヶ月ほど経ちましたが、まだ箱は解体しきれていません。

 

そして、表札はじめ、自分たちで仕上げてゆくものがまだまだたくさん。
もうしばらく自分たちの家づくりは続きそうです。
むしろ、ずーっと続くのかな…

 

まだまだやることはたくさんあるものの、
それもひっくるめて、家族がワクワクのびのびできる家になったなぁと、実感しています。
これからもっと自分たちらしい家に育てていけたらと思っています。
ぜひ遊びにいらしてください!

 

※写真は1階のアトリエ兼ちいさなギャラリースペース、
家族が創作を楽しんだりそれを広げていける場になりますように…

梅田啓介

クリエイター 梅田啓介

あるときは会社員、あるときはデザイナー、あるときはアーティスト、あるときはおべんとうアーティスト。 楽しいことを求めて。 今年、西陣に家を建てて、引っ越してきます。

2022.06.20
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多拠点生活サービス「ADDress」のまっさんこと高本です。
昨年春から「フェザンレーヴ」という東京人形町の小さな広告代理店に飛び込んで、デジタルで地域を元気にする仕事を会社の仲間と始めている。(ADDressとは複業〜パラレルワークってやつだ)この会社の創業者地元が山形なので、なぜか東京以外に唯一山形支社があって先週初山形仕事で入ることに。

OSANOTEの原稿書かなきゃな〜 でも最近西陣行けてないな!って思いながら、七日町という大正や昭和の風情溢れる素敵な街があるのだけれど、そんなことを思いながら歩いていた。

急に雨が降ってきたので一番近くにあったビルに飛び込んだら、目に飛び込んできたのが西陣博覧会の文字。あいにく開催は今週からということで気になって仕方なかったのだけれど、これを見ると現代の西陣の凄まじい技術がわかるのでぜひご覧いただきたい!

山形で西陣。新しさと伝統が交差しながら地域の文化が交わることって素敵だなあ。

高本昌宏

多拠点プランナー / ADDress 事業企画 高本昌宏

学生時代に伏見と西陣に住んだことがきっかけで、京都では決してメインストリームではないかもしれないこの二地域に惹かれる。多拠点居住サービス立ち上げをしながら、2020年伏見移住。西陣にも同年から通い始め、魅力再発見中。

2022.06.18
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徐々に巷では催し物が増えてきましたね。ANEWAL Galleryでも今月6月上旬に、ArtVan「福寿走」さんをお招きして、路地カフェ屋台+ガチャガチャのコラボイベントを西陣connectにて行いました。
写真を見ると、変わった軽トラに変わった自転車だということが一目でわかります(笑)ArtVan「福寿走」さんは美術作家・白濱ご夫婦が北海道十勝から出発し、日本各地で軽トラの上に乗せている美術館を開館しています。今回は四国と本州を回られるということで、道中立ち寄っていただきました。
ANEWAL Galleryでは自転車に乗って自分で豆を挽くコーヒーミル自転車を出店し、異色のコラボということで道ゆく人たちは「!?」という反応をしてくださる方が多かったです。小学生の下校時間と重なり、子どもたちは「なんなんあの自転車?」「どうなってるん?」という言葉を発しながら足を止めてコーヒーミル自転車を眺めていました。まだまだコロナ禍ではあるので、注意を払いながらの出店になりましたが、大人も子どもも少しでも楽しんでもらえたのではないかと思います。
今後、イベントなどに徐々に顔出ししていけたらと思っています。そのためにガチャガチャは新たなバージョンを現在思案中。会場でコーヒーミル自転車を見かけたら気軽に乗ってご自分で豆を挽いてみてください。汗をかいて自分で挽いた豆のコーヒーを飲むのは格別ですよ。

磯村明見

特定非営利活動法人ANEWAL Gallery デザイナー/マネージャー 磯村明見

京都市出身のグラフィックデザイナー。日本の老舗印刷会社と上海の広告代理店を経て本帰国後フリーに転身。NPO ANEWAL Galleryデザイナー兼マネージャー担当。京都建築専門学校広報担当。京都芸術デザイン専門学校非常勤講師。

2022.06.15
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幾多の水道管・ガス管工事を経てかなりガタガタになっていたLaughterの前の道路(通称ラフター通り)が、キレイに舗装されました!

西陣に住んでらっしゃる常連さんでも、ここまで大規模に路面舗装をしたのは記憶にないとおっしゃていたので、中々貴重なタイミングに巡り合えたようです。

今回は、Laughterの前だけでなく周辺地域の広い範囲で数か月に渡って舗装工事が行われているのですが…
碁盤の目と言われる細く入り組んだ道で一方通行も多いため、工事期間は大きな回り道をしなければならないことも。警備員さんも複雑な道に悪戦苦闘しながら案内する姿が見られました。

回り道は大変でしたが、普段通らない道を通ると知らないお店や建物など思わぬ発見も沢山ありました。スマホで調べれば何でも分かる時代になりましたが、やっぱり自分の「足」で見つけるっていいなと思いました。

歩きやすくなった西陣の路地に皆さんも迷い込んでみては?

三輪浩朔

Laughterロースター 三輪浩朔

2020年10月「Laughter」を開業。21歳までコーヒーを飲んだことがなかったが、タイ北部の農園に直接足を運んだことでその魅力にほれ込む。コーヒーを通じて生産者の思いやストーリーも届け、一杯から笑顔溢れる空間を紡ぐことを目指している。

2022.06.13
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最近京都の空は不安定・・・そういえば近畿地方はそろそろ梅雨入りのはず。すっかり忘れていた。

さらにうっかりしていたがもう今年も半分が過ぎ去りつつある。毎年ながらあっと言う間に時間がすぎてうっすら焦りを感じるここ最近です。

そうそう、雨の季節は新緑から深緑に変わる季節でもある。この時期の街の風景の移ろいを色彩で感じるのは私にとって贅沢なひとときだ。西陣の街角にある植物や花などを散歩しつつ愛でたり、足を留めて物思いに耽ることができる。

先日ふと曲がり角に咲き始めた紫陽花に目を奪われた。日常に忙殺されていると感じる今日この頃でもまだ季節の変化を身体全体で感じることができるのは嬉しいことでもあり、不思議とありがたさを感じるタイミングでもある。

自然の移ろいを感じることができる様々な場所に身を置けていることに感謝しつつ、今日も紫陽花を眺めている。

ミツギタカユキ

デザインカタリスト ミツギタカユキ

20歳より渡米し、大学にて彫刻からインタラクティブアート、デザインなど幅広い分野を学びつつフリーのデザイナーとして活動。帰国後京都に移住。現在西陣にてデザインカタリストとしてウェブ制作からデザインに纏る企画・運営など幅広い分野で活動を行う。

2022.06.08
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1年生の子どもたちも、入学して2か月が過ぎ、小学校にもずいぶん慣れたようです。放課後にミライブラリに帰ってきたら、学校でこんなことをした、給食がおいしかったと、いつも楽しそうに、いろんなお話をきかせてくれます。ただ、宿題も増えてきたようで、うんうんと悩んでいる姿もみかけるようになりましたが、それも含めて、もうすっかり小学生です。

さて、前回もここでお話させていただいた、地域のさまざまな団体さまと取り組んでいる、親子謎解きイベント「なぞときまちさんぽ2」。5月からはじまり、期間がもうあと1週間となりました。この間、西陣や紫野のまちなかで、黄緑色のリーフレットを持った親子の方々の姿をたくさんお見かけすることができました。そしてこのイベントを楽しんでくださっている子どもたち、保護者の方々のお声もたくさんお聴きすることもできました。さらには、ご協力いただいている各店舗の皆さまも、子どもたちとの関わりをとても楽しんでくださっているようで、地域の皆さまの多様な反応をとても嬉しく感じています。今後もまた実施していきたいですが、こうした企画を通じて、地域の大人と子どもたちの接点が増えていけばいいなと願っています。

村上弘

特定非営利活動法人 代表 村上弘

特定非営利活動法人SOWERS代表 放課後の時間に、多様な体験を届けるafter schoolミライブラリを運営。子どもたちの今とこれからを考え、放課後の選択肢とその可能性の拡張を目指し、日々活動しています。

2022.06.04
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職人になりたいと、幼いころからぼんやり思っていました。

在学中、西陣の織物にふれ、職人さんを取り巻く人たちに出会い、多くの刺激を受けました。染織屋さんに、弟子入りはできますかと尋ねたこともありました。しかし厳しい道やでと言われ、小心者の私はすぐに引き下がったのでした。

結局、職人とは別の道を歩んでいる私。3年ほど前から、野草や野菜くずを集めては、台所やベランダで草木染めをしています。気が向いたときにやるだけですが、なんとなく理屈が分かってくるものです。

また、先月のこと。知り合いが織物教室を教えてくれました。バザールカフェとも関わりある個人がご自宅でやっておられる、ほぼマンツーマンの小さな教室。大きな機を使わせてもらい、ラグづくりに挑戦中です。

頭のどこかで好きなことを考えていると、不思議とめぐってくるものなのですね。
追究することや集中することが苦手な私は、やっぱり職人にはなれないかもしれないけれど、今のよく分からない状況も結構気に入っていたりします。
これまで出会いや機会を与えてくれている、西陣の場と人に感謝です。

(写真は、ティーマットを作成中のミニ織機です。たのしい!)

狭間明日実

バザールカフェ店員 狭間明日実

バザールカフェ事務局6年目。日々の営みをとおして、場から起こるもの、個人がのびのびと生きることなどを考えています。 傍らで、地域、福祉、食べることにまつわるいろんな仕事や遊びをしています。 同志社大学社会福祉学科卒業。社会福祉士。海が好き。

2022.05.28
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初めて自分で口座を開設した銀行と支店を、覚えているだろうか?わたしにとってのそれは、京都信用金庫西陣支店。高校三年生の頃、大学受験が終わってからは、初めてのアルバイトをすることに。そこで、給与振込に必要だったため、口座を開設したのだ。それまでは親が作ってくれていたゆうちょの口座しか持っていなかったため、より自分で管理する感があったように思う。

一度開設してしまえば、支店やATMは京都中にあるためわざわざ西陣支店に寄って入出金する必要はないのだが、先日結婚を機に苗字が変わったので、手続きが必要になり、久しぶりに西陣支店に行ってみた。いつ振りとかはもうわからなかった。3年前に新店舗としてリニューアルオープンされているので、懐かしさは無かった。用事を伝えると、受付のお姉さんが「おめでとうございます」と言ってくれたので嬉しかった(案外、役所関係の方にごく事務的に対応されることも重なっていたので)。地元の友人のお母さんが勤めていたけれどまだおられるのかな。

夫は先日、24JIN NEXTというイベントの展示を見に京信西陣支店へ行ったらしい。なんというか少しエモい、かも。

龍田 春奈

咲里畑 届けびと 龍田 春奈

1993年京都生まれ。西陣育ち。京都市西京区大原野「咲里畑」にて、季節の多品目の野菜、ハーブ、エディブルフラワーを、農薬や化学肥料を使わず育て、販売している。農ある暮らしの中に感じる豊かさを、人に届けることに喜びを見出しています。