西陣にまつわる
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宇野貴佳

好文舎店主宇野貴佳

油小路の路地奥でギャラリー喫茶を運営しています。 目立たない店が故か、ちょっと個性的なお客様が多いように感じています。 ここでの出会いを中心に、見聞きしたあれこれをお話しできれば幸いです。

2022.12.23
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先日声楽家の知人のコンサートで、詩人まどみちおさんの「うたをうたうとき」を知りました。からだをぬいで こころひとつになって かるがるとんでいくのですと、そんな風に透明で健やかな心でいつもありたいと思いますが、年末年始に色々詰め込んだ用事に毎日何かと気ぜわしく過ごしています。

 

しかしまた一方で思うのは、今年の漢字は「戦」でしたが、こうして私自身はいつもと変わらないお正月を迎えようとしている訳で、今困難な状況にいるであろう方々を思うと申し訳ない気持ちにもなります。来る新しい年にはこの詩にある一節のように、たどりつくうたを皆がやさしくむかえてあげる平和な時が訪れますようにと願ってやみません。

 

さて好文舍は元日から営業します。お雑煮やぜんざいなどもご用意しますので初詣のついでにお立ち寄りください。来年もどうぞよろしく、皆様良いお年をお迎えくださいませ。

2022.10.17
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いま好文舍では木の器の展示会をしていますが、器の他に少しですが鹿のフンの着火剤も販売しています。

作家の工房がある能勢では、畑を荒らす鹿が罠に掛かると、全て食用にするわけにもいかず処分されるそうです。着火剤はそんな里山の暮らしの、自然豊かな良い面だけでなく抱える問題も知ってもらおうと考えて作ったとのこと。

自分の暮らす地域の問題を指摘して伝える事は少し勇気のいる事のように感じますが、しかし自分なりの表現方法でありのままを提示することでこそ、日常と危機感が結び付くのではないかと思います。

京都も様々な問題が山積していますが、私たちの毎日の日常がとりあえず自転していれば安心と無感覚でいるのではなく、おかしな事にはおかしいと、うるさい大人にならねばと思っています。

2022.08.01
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8月1日は八朔。
祇園では芸妓さんが挨拶回りをされますが、猛暑の中の礼装姿、見ていて少々気の毒になります。しかしそれはしきたりのある花街ならでは。我々庶民は昨今の温暖化に対応して、従来の着物ルールにとらわれず柔軟に装いを楽しめたら良いですよね。例えば単衣は5月からとか、夏物なら9月も着てて良いのでは?
好文舍にはたびたび和装のお客さんが来店されますが、その装いで店内の雰囲気を高めていただいています。京都の街中でも、今の気候に合わせた快適で楽な和装姿で、京都の魅力アップにつながるよう着物人口が増えれば良いなと思います。

2022.05.18
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4月に鹿児島の実家に引っ越した知人が、ひと月経たない内に京都が恋しくなり好文舍へ寄ってくれました。リラクゼーションの仕事をされていて、鹿児島と京都の2拠点生活が目標との事です。すぐに実現は難しいかもしれないですが、リラクゼーションだけでなくても何かと掛け合わせてイベントなどして、将来の仕事に繋がることが出来たら良いねと彼女と話をしていました。

 

西陣エリアにはユニークな活動をしている個人やお店が多いので、せっかくなので横のつながりを作って、みんなで地域の魅力を外へ発信できればなあと思っています。そういう訳ですので、読者の皆様の中で素敵なアイデアをお持ちの方がいらっしゃれば教えていただけると嬉しいです。

 

ところでその知人ですが、京都で何をして過ごしているのか尋ねると、お寺で写経しているらしく、きっと功徳を得て彼女には明るい未来が待っていることと思います。

2022.03.27
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こんにちは。
私、東山区の金剛寺さんでおてらカフェを主催していて、前回偶然に好文舍の常連さんが意図せず参加いただき、世間は狭いなあと盛り上がりました。

おてらカフェは地域の居場所作りや交流会の場として今年で7年目。行政や社会福祉協議会、地域包括支援センターなどとの連携を通して朝の交流会に留まらず、金剛寺さんが主体となり介護者カフェなどの形で更に開かれた展開をしています。

上京区でももしかしたらすでに同じような取り組みがあるかもしれませんが、寺院などの既存の場を活かして個人がアイデアで面白いことにチャレンジしてみてはと思います。意欲的なご住職は意外に多いかも!

2022.02.23
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庭の梅の蕾が丸く膨らみ、そろそろ開くかと静かに眺めていると、キーキーと高い悲鳴と共にバタバタ落下する飛来物が。

ハヤブサのような猛禽類が獲物を逃すまいと鷲掴みにし、羽毛を舞い上がらせながら抵抗する小鳥の声もやがて消えて、という弱肉強食のドラマがうちの箱庭で繰り広げられるシュールな光景を目の当たりにしました。

物知りの知人によると、猛禽類は御所や二条城に意外と住んでいるらしく、豊かな自然が身近にあることに改めて気付かされました。

今年は梅の花芽がたくさん付いています。花が咲くとメジロが遊びに来るので今から楽しみにしています。

2022.01.21
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好文舍はギャラリーだけでなく喫茶営業も行なっているので、たまにグルメのインフルエンサーが来られます。うちみたいな隠れ家というか隠れっぱなしの店をよく見つけましたねと尋ねるのですが、彼らは情報収集が得意のようで私よりもネット上の好文舍の掲載情報をご存知であったりします。
最近、知人が近くにタルトのお店をオープンしたのですが、その彼女も新店情報をアップするインフルエンサーの店舗紹介をきっかけにSNSのフォロワーが倍になったと驚いていました。影響力すごいですね。
この地域は住宅が中心ですので、お客さんにはネットで情報を見つけてもらい、わざわざ来ていただく必要があります。しかし、私は色違いのソーダを並べたりパフェの上に動物を乗せたりといった視覚的な「映え」は苦手ですので、せめて和やかで良い時間を過ごしたと口コミをアップしてもらえるように頑張らないとと思う次第です。
ところでうちの2軒隣にコーヒー店ができるそうで、只今工事中。店舗紹介のインフルエンサーさん、新店舗情報のついでに好文舍のこともちょこっと触れてくれないかなあ。

2021.12.11
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振り返れば今年も厚い雲に覆われた一年でしたが、もうすぐ2021年を終えようとしています。丑年は我慢の年でしたが、来年は芽吹き成長の礎となる壬寅。明るい気持ちで新年を迎えたいものですね。

ところで皆さん、初詣はどちらへ行かれるのでしょうか。私はすぐ近くの護王神社へ。亥年以外は比較的空いていてゆっくりお詣りできますよ。
一方、最近話題の御金神社は御池通まで続く大行列らしいですね。
本当、給付金の窓口のようなつもりで並ぶのやめてあげて下さい。金属の神様ですから。きっと戸惑っておいでの事と思います。お金を儲けたければ伏見のお稲荷さんへ!

というところで、少し早いですが皆様良いお正月を。またオサノートでは大変お世話になりました。来年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
ちなみに好文舍は正月から開ける予定です。初詣のついでにぜひお立ち寄りください。

2021.11.11
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きょうはいい事いっぱいありそうな11月11日。ポッキーとプリッツの日として最近は知られていますが、実は「西陣の日」らしいですよ。ご存知でしたか?

応仁の乱が治まったのが文明9年11月11日。以降疎開していた織の職人達が京都に戻り西陣織の発展に繋がったそうです。また「西陣の日」と制定したのは西陣織の組合で昭和42年の事。当時は大変景気も良く、きっと西陣織に携わる人達は我々が西陣、そして京都を支えているという強い自負と地域への愛着があった事でしょうね。

翻って今の西陣はどうでしょう?
この同じ地域で共有できる想いを捉えにくくなっているのかなと私自身は感じています。
もしここに暮らす人々を横断して結び付けるような価値観がはっきり見えれば、それがこの町の次の魅力に繋がるのかな、そしてその為のキーワードはやはり「ものづくり」なのかなと、西陣の日をきっかけにして考えを巡らせています。
皆で西陣を盛り上げていきましょう!

2021.10.12
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お茶の先生から電気の風炉を格安で譲っていただいたので、早速同じ社中の陶芸作家と二人でお客さんをおもてなし。これを機に、お茶を楽しむ企画を色々試してみたいなと思っています。
またこのエリアはすぐ近くの楽美術館をはじめ茶道にゆかりのある地域ですので、その恩恵にあやかれたらとの下心も。気楽なお茶会の場所をお探しの皆さんにも使っていただければと考えています。
敷居は低く、楽しいお茶のアイデアをお持ちの方がいらっしゃれば、ぜひお話を聞かせてくださいね。