西陣にまつわる
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南知明

上京ちず部 副部長南知明

鴨川近くで生まれ、幼い頃から近くの上京区の商店街の店主の方々に見守られ育つ。現在は「まいまい京都」商店街食べ歩きツアーなどのほか、地理好きを活かし、「上京ちず部」副部長など、上京区全般で活動。本業は宿泊業。京都観光おもてなしコンシェルジュ。

2022.10.12
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今回のコラムは福岡県北九州市で執筆しています。ちょうどこのタイミングでこの地へ来る機会があり、小倉駅で「地図の博物館」という大きな広告を見つけて、上京ちず部副部長としては、「なんだこれは!行かねば!」ということで行ってまいりました。
訪れたのは北九州市に本社がある、住宅地図で有名な会社ゼンリンが手掛ける「ゼンリンミュージアム」。
大航海時代からヨーロッパで描かれた日本地図、江戸時代以降に伊能忠敬をはじめ国内で描かれた日本地図に、吉田初三郎の鳥瞰図や、江戸時代の観光名所地図。床にも巨大な日本の古地図が描かれているなど、地図マニアにはたまらない古地図の世界。
同じ建物内には、白地図に色を塗ったり、切り絵にして世界に一つだけの地図を作れる地図の工房や、地図柄のいろんな雑貨などを販売しているショップもあって、本当に充実した施設です。
スタッフの方とも地図の話が弾み、あらためて地図の奥深さや面白さ、汎用性を実感しました。
皆さんもあらためて地図を手に取りながら西陣のまちを歩いてみませんか?普段気付かなかった新たな発見があるかもしれませんよ。

2022.07.25
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京都の夏を代表する行事といえば、やはり祇園祭。今年は3年ぶりに山鉾巡行も復活し、196年ぶりに復帰した鷹山も含めて35基の山鉾も勢揃いしました。
中世の京都は職人のまち・上京と商人のまち・下京に分かれていましたが、祇園祭といえば商人のまち・下京の町衆の祭り。応仁の乱後に下町と呼ばれたまちが形成されたエリアは、現在祇園祭の山鉾が建っているエリアとほぼ合致しています。
そんな下京を代表する祇園祭ですが、上京の職人の技が多く取り入れられています。それぞれの山や鉾には、前掛・銅掛・後掛・見送・水引などと呼ばれる懸装品が掛けられていて、宵山の時は会所で一般公開されているものもありますが、この中には西陣の織物の技術が多く取り入れられています。毎年のようにどこかの山鉾の懸装品が新調されたというようなニュースがありますが、今でも西陣の技術がよく使われます。
祇園祭は下京の祭りやから、なんて言うこともありますが、上京の技術に支えられている側面もある、オール京都のお祭りなんだと思います。今年の祇園祭は間もなく終わりますが、今後祇園祭に行かれる際は、是非懸装品にも注目していただけたらと思います。

2022.05.11
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新緑真っ盛りのシーズンがやってきています。皆さんは、普段新緑をゆっくり見てみよう思うようなことはありますか?紅葉や桜などに比べて、新緑は意外と見過ごされがちじゃないかなぁと、個人的には思っています。でも新緑、すごく好きです。紅葉や桜は見れる期間が短いし、雨や風ですぐに落ちて見頃が終わってしまうけど、新緑の期間は長いし、雨や風でも落ちません。むしろ、雨にはより映えます。あと、紅葉は葉っぱの寿命が終わりを迎える時なので、真っ赤になったときはきれいだけど、だんだん色がくすんでいくし、個人的には見ていて寂しい気持ちもします。でも新緑はどんどん緑が濃くなっていって、生命の力を感じるので見ていて元気や日々の活力がもらえる気がするんです。なので、完全に僕の主観ですけど、是非皆さんも近所でいいので、紅葉を見にぶらっとしてみてはいかがでしょうか?西陣にはお寺や公園も多く、船岡山なども近いので、様々な種類の新緑を愉しめますよ!

2022.03.24
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先月は梅に関する話題を書きました。ということは、今月は…?はい、桜です(笑)何の捻りもなくてすみません。この西陣界隈は大きめのお寺が多く、そういったお寺の境内には必ずといっていいほど、美しい桜が咲き誇っています。そこで今回は、個人的にオススメな桜をめぐるルート「桜ロード」をご紹介したいと思います。スタートは妙顕寺です。そこから西へ、本法寺の境内を抜けます。ここもきれいな桜が咲き誇ります。堀川を超えて妙蓮寺の桜を見て寺之内通を西へ進み、智恵光院通を少し下がります。そこにあるのは雨宝院。ここには美しい歓喜桜があります。その南側の本隆寺にも大きな枝垂れ桜があります。さらに西へ、千本釈迦堂を超えて進めば桜の名所平野神社。早咲きから遅咲きまで多種多彩な品種が愉しめます。ここまで来たらもっと西へ行きましょう。ゴールは仁和寺の御室桜です。このコースのポイントは、雨宝院、平野神社、仁和寺と遅咲きの桜が愉しめるスポットが多いこと。個人的には、ソメイヨシノは少しピークを過ぎているかもしれませんが、これらの遅咲きの桜が美しく咲く4月10日頃がオススメです。ソメイヨシノはどこでも見れますからね(笑)

2022.02.20
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年が明けたばかりだと思っていたら早いもので、もう春の訪れを迎え、梅の花が開き始めています。梅といえばやはり、天神さん(北野天満宮)。季節の花を観賞するのが好きなので、梅の花もいろんなところへ見に行きましたが、京都近辺ではやっぱり天神さんの梅が一番だと思っています。天神さんの境内には広い立派な梅苑もありますが、梅苑に入らなくても、境内いたるところに美しい梅がたくさん咲き乱れるので、十分楽しめます。年によって変わりますが、天神さんの梅は3月に入って雛祭りを少し過ぎた頃がだいたい見頃でしょうか。ところで、天神さんといえば菅原道真公。天神さんの梅も道真公が愛していたことにちなんで植えられているわけですが、学問の神様である道真公を祀る天神さんに多くの受験生がお詣りに来る時期にちょうど美しい梅が咲き始めるというのがまた、うまいことなっているなと感じます。もちろん、道真公が生きていた頃には受験はないので、梅の時期と受験の時期が重なるのは偶然なのですが。そんなことを思いながら、自分が受験の時に天神さんにお詣りしたことが懐かしく思い出されます。

2022.01.18
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寅年の2022年を迎え、お正月に「鳴虎 報恩寺」を訪れました。ここにある、後柏原天皇によって下賜されたと言われる大きな虎の図の掛け軸を豊臣秀吉が聚楽第に持ち帰ったところ、夜にその虎が鳴いて秀吉は眠ることができず、お寺に掛け軸を返したと言われています。そのことから、「鳴虎(なきとら) 報恩寺」と呼ばれるようになり、12年に一度、寅年のお正月3が日のみ特別公開され、この鳴虎の図の掛け軸を拝観することができます。今回ちょうど12年に一度のタイミングに合ったので、観に行ってきました。他にも戦国大名の黒田長政が亡くなった部屋や長政と父の官兵衛の位牌、寺宝なども鑑賞することができました。次はまた12年後のお正月まで本物の鳴虎の図は観ることができませんが、京の冬の旅で鳴虎の図のレプリカや一部の寺宝は公開されるとのことです。このお正月行かれなかった方は、せっかくの寅年にちなんで、レプリカですが、鳴虎の図を観に行かれてはいかがでしょうか。

2021.12.08
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皆さんはどんな景色を見ると、気持ちが落ち着くでしょうか?そんなことを普段考えることはあまりないとは思いますが、個人的には、「庭」もその一つだと思います。

庭と言っても、様々なものがあります。入場料を払って見に行くようなお寺や神社、あるいは史跡の大きな「庭園」もあれば、普通のお家の中にある庭もありますし、ちょっとしたテラスに草や木が植わっているところも一つの庭だと思います。そして、京都の町家には玄関から裏庭まで続く土間がありますよね。あそこも、庭なんです。「通り庭」というそうです。さらに通り庭も細分化されていて、特に「おくどさん」があったりするあたりは、「走り庭」というそうです。面白いですよね。

ここ西陣には、大きなお寺の庭園から、道路から見える学校などの施設の庭、皆さんのお家の中の庭、そして町家にある通り庭など、様々なお庭がそろっています。皆さんはどんな庭が好きですか?

今回の画像は西陣にある「好文舎」さんで撮らせていただきました。周りの民家に囲まれた中にある、小さいけど立派な素敵な庭です。

ちなみにこれを読んで庭にちょっと興味を持った方。「おにわさん」というサイト、おすすめです!

2021.11.08
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早いもので、11月です。京都で観光業に携わる者にとって、1年で最も忙しい月がやってきました。言い換えれば、稼ぎ時とも言えるかもしれません。
半面、市民である皆さんにとっては、人が増えるので生活がしにくいとか、あまり良くないイメージがある方もいらっしゃるかもしれません。
でも皆さん、ちょっと考えてみてください。「京都観光」って、他人事だと思っていませんか?よそから来た人がするものだと思っていませんか?
こんなに身近なところに、わざわざ遠方から時間とお金をかけて多くの人が見に来るほど価値のある景色が沢山あるのに、それをスルーするのは勿体ない!と私は思います。
幸い(と言っていいの分かりませんが)、西陣周辺はほかの地域に引けの取らない見どころが沢山あるにもかかわらず、京都の中でも比較的観光客が少ないエリアですので、人込みをさほど気にせず観光することができます。今年も妙顕寺や妙顕寺では昼夜特別拝観があって美しい紅葉も楽しめますし、堀川通り沿いの銀杏もとても美しいと思います。
今年の西陣の秋は、地元の私たちが率先して楽しんでみませんか?

2021.10.09
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秋晴れの季節になりましたね。この時期のどこまでも澄み切った青空ももちろん大好きなのですが、この時期の夕暮れの風景も個人的には大好きです。特に西陣の街並みは夕暮れがとても似合うと思っています。西陣の街並みに夕暮れが訪れた風景を見ていると、なかなか言葉で表現するのは難しいですが、日々の疲れた心が洗われるという感じでしょうか。令和のシステマチックな世の中で生活していることを一瞬でも忘れるような感覚になります。そこに機織りの音が聞こえてきたり、あるいは、1台の自転車でも通り、チリンチリンと音がしたらもう堪りません。
是非皆さんも、西陣の真ん中で、夕暮れの西の空をぼーっと眺めてみてはいかがでしょうか。

2021.09.08
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今、御所の東側にある京都市歴史資料館などで京都市電に関する展示などが行われています。そこで、今回は市電の史跡を探してみることにしました。
西陣界隈では今出川通や千本通、中立売通などを市電が通ってしましたが、40年以上前に廃止されているので見たことはありません。
市電を分かりやすく言うと、路面電車です。特に西陣界隈で興味深いのが北野線の史跡で、天神さんの前の滋賀銀行の横に記念碑があります。ここが北野線の終点の駅だったそうです。
そしてそこから一条通のほうへ出ると、今は立ち入りできませんが、こども文化会館の跡地の壁面に市電にちなんだレリーフがあります。ここに昔は車庫があったそうです。
そしてそこから中立売通をずっと西に線路は続き、堀川中立売で堀川を渡って、今の広い堀川通ではなく、東側の狭い道路(東堀川通)を市電は走っていました。戦時中に堀川通が拡幅される前から市電は存在したので、こちらを通っていたんですね。堀川中立売では、市電の線路が堀川を渡っていた鉄橋の跡を見ることができます。
皆さんもこの機会に、狭い道路を電車が走っていた半世紀前の京都の街を思い出したり、想像してみてはいかがでしょうか。