西陣にまつわる
人々による
ウェブメディア

4/9

西陣にまつわる人々が、綴るコラムCOLUMN

2021.10.02
Written By

西陣にマイホーム建設中の梅田家。
いよいよ上棟しました。

基礎だけだった場所に、運ばれてきた木材が次々と組み立てられて、
わずか1日で骨組みができてしまいました。

ここまで道のりは長く、あれこれ考え悩んで、トラブルにも見舞われ、土地を探しはじめてから1年以上経って、
ずっと図面でイメージするばかりだった家が、現実にボリューム感をもって現れ、
ホントに建ってきたんだなぁ…と感激しました。

いままでは何も思わず通り過ぎていた建設現場も、
今後は、見るたびに、それまでのストーリーや、こめられた想いがあることを想像して、
勝手に感極まってしまうかもしれません。

まだしばらく建設で、道を塞いだり、音を立ててしまいますが、どうぞご容赦ください…!!

梅田啓介

クリエイター 梅田啓介

あるときは会社員、あるときはデザイナー、あるときはアーティスト、あるときはおべんとうアーティスト。 楽しいことを求めて。 今年、西陣に家を建てて、引っ越してきます。

2021.10.01
Written By

西陣の名の由来は、応仁の乱で西軍・山名氏の陣の跡。戦乱を逃れ京都から離れていた織物職人たちが戻ってきて織物業を再開したことから、職人たちの住むエリア一帯を西陣と呼ぶようになったと言われている。

それに対して「東陣」と呼ばれるエリアはないのだが、東軍を率いた細川氏の屋敷跡の南にある、小川児童公園の一角には「東陣跡」の説明看板が置いてある。

さて、この公園。適度に距離を取ったベンチが配置されていて、昼休みとなると、ポツンポツンとベンチに腰掛ける老若男女。何をするでもなく人それぞれ、ぼんやりと休むのにちょうどいい公園だ。

私もたまに、その一人。

ある日もぼんやりベンチに座っていると、4人のお坊さんが列をなして、公園の中を斜め一直線、ザッザッザッと草履のいい音を立ててスピーディーに横切っていった。そして公園の敷地の外、角にあるお地蔵様へ何か唱えた後、そのまま通りを去っていく。

公園で休む誰も気には留めていない。のんびりとした時の止まった昼下がりを、さらに真空パックにしてそこに置いてけぼりにされた気がした私は、休憩時間を終えて公園を出る。静かに止まっていた時間を進める。

川原さえこ

もう一つの椅子 川原さえこ

京都府長岡京市在住。フリーランスのリサーチャー、保育士。「もう一つの椅子」という名義でまちのランドスケープ(風景)研究を行う。東京下町から京都へ来て約1年。観光客でもなく京都の地元民でもない境界の視点でふらりと歩いたまちの景色を描く。

2021.09.30
Written By

部屋の窓と版画プレス機と作業台、ついでにコーヒー器具を描いた展覧会のハガキ。その横にトドメの一押し、「西陣」の消印。

このエリアに仕事部屋を借りたばかりの僕は古い建物と版画道具の馴染みにすっかり気をよくして、部屋のものばかり描いた展覧会を企画したのだった。ついでに引っ越しのアナウンスもできるし。

そして、案内のハガキを作るとわざわざ、近くの西陣郵便局で記念切手を買い、近くの喫茶店で貼り付け、手書きで宛名を書き、また郵便局に行って消印を押してもらうというなんとも非合理なやり方でDMを出すという事をしていたのだ。
今、思えばあれは制作のために気持ちを集中させる儀式だったのかも。
そうして、部屋と窓とその周辺の版画ばかり展示した展覧会をしたのだった。

それからは制作や仕事のスタイルも変わってしまい、ああいう感じの展覧会はしていないのだが最近になって、またそういうやり方の展覧会をもう一度やってみたいなと思うようになった。

その時は西陣郵便局かもしれないし、また違う土地かもしれないが、暮らしている土地の消印を押した案内を出してみたいものだ。

*絵はその頃の日記に描かれたイメージです。実際の西陣郵便局は〒型の窓ではありません。

景井雅樹

版画家 景井雅樹

京都の版画工房で銅版画を始める。 2006年頃より、毎日の出来事をノートに青いボールペンで描く絵日記形式の作品を作り始める。 一日1ページで現在4000ページほど。まだ毎日描いている。 コーヒーと自転車と音楽の愛好家。

2021.09.29
Written By

多拠点生活サービス「ADDress」のまっさんこと高本です。
西陣で体験できる超絶な「おいしいもの」は前回お話したKéFU(ケフ)のあんバタートーストをはじめ、キッチンパパのハンバーグや、べじさら舎の野菜たっぷり定食などたくさんあるのだけれど、まだまだ西陣事に疎い身としては西陣で動き回っている人たちに聞いてみるのがお奨め。

ということで西陣に店を構えて、頑張っている二人組のタイ・オーガニック珈琲「Laughter(ラフター)」三輪くんに「なんか美味しいランチない?」と聞くと「それなら鳥岩楼の親子丼がイチオシですよっ!まだ食べたことないけど」と答えが返ってきたのだった。何故食べたこともない親子丼をイチオシに出来るのか、さっぱり意味不明だったけれど、いつもの際限ないスマイルで微笑む三輪くんのまるで象牙のようにきらりと輝く白い歯にほだされて、バッタリその日に会った宮武さんと行くことにしたのだった。

三輪くんへ、本当に有難う。これは今まで食べた中でも絶品の親子丼。そして次回は一緒に食べに行こう!もちろん、食後はチャーリーさんの珈琲で。みなさんにも是非味わって欲しい、西陣の美味しいあれやこれ。

高本昌宏

多拠点プランナー / ADDress 事業企画 高本昌宏

学生時代に伏見と西陣に住んだことがきっかけで、京都では決してメインストリームではないかもしれないこの二地域に惹かれる。多拠点居住サービス立ち上げをしながら、2020年伏見移住。西陣にも同年から通い始め、魅力再発見中。

2021.09.27
Written By

夏の終わりの昼下がり、郵便物を出しに上七軒郵便局へ。郵送手続きをすませて外に出ると、少しましになったとはいえまだまだ日差は鋭く首元に刺さる。いわゆる上七軒のメイン通りは北野天満宮の東参道にあたり観光地である。しかしコロナの影響で観光客らしき人影はほとんど見当たらない。近頃は外に出かける仕事も少なく体も鈍り気味なので、汗かきついでにフラっと歩くことにした。

東に向かってあてもなく歩いてると仕事の電話がかかってきた。少し込み入った話でなかなか話が終わらない。電話をしながらもいつもは通らない細い道を見つけて歩いていくと意外にも小道から小道に分かれ思いもよらない方向に導かれていく。電話を切る頃には全く来たことのない路地にいた。大体の場所はわかっているのだがだいぶ家から離れてしまった。

突き刺さる日差しが耐え難くなってきたあたりで真教寺というお寺の門の前に出た。小ぶりの門で屋根が低いので瓦の模様が近くハッキリ見えた。これほど近くで瓦屋根を見ることもないなと観察してみる。屋根は構造と経年によるものだろう味わい深く歪んでいて瓦の波模様と相まりグニャグニャに見えてきて面白い。

そうしてしばらく波模様を見てたらなぜか無性に「中華のサカイ」の冷めんが食べたくなってきたので思い切って北上することにした。
こうして行きあたりばったりの西陣歩きはまだ続くのだった。

小川 櫻時

映像監督 小川 櫻時

長年様々な映像をを作る仕事をしています。東京、沖縄を経て2015年から京都市在住。近年は、クラフト作家や様々な手仕事をする人々にフォーカスした映像を制作・発表しています。映像空間演出ユニット「SAKKAKU」としても活動しています。

2021.09.26
Written By

写真は、少し前に堀川商店街内のリサイクルショップで購入した飛騨産業のスツール。丸い座面に、持ち運び便利な取り外せる三本の脚と取手、かわいい代物です。
実は私、根っからの家具好きです。
自分の勉強机を買っていいと親から言われ、当時保育園だった私は「民芸家具のライティングビューローが欲しい」と答え、家具屋さんへ探し歩いた思い出があり、きっとその頃には既に「家具の沼」にハマっていたのではないでしょうか。
大人になって国産の希少価値の高い家具や中古家具を買うようになり、深い傷が付いていたり座面が割れていた場合は、修理に出して使っています。
コロナ禍により在宅ワークで椅子や机の需要が高まってはいますが、コスト重視の安価な家具が増加傾向にみえます。安価な家具が悪いわけではないですが、民芸家具は民芸活動で培われた技術によって日本の生活に寄り添った使いやすい構造になっており非常に質の良い物があります。しかし良質な木材とほぼ手作りな分金額が張るため、なかなか手が出せない現状もあり徐々に生産が減り職人も減る衰退現象が起こっているのではないかと…。そんな中で伝統技術を駆使した和家具職人の育成は厳しいのだろうと、民芸家具好きな私は勝手に危惧したわけです。一から作る技術も必要なのは当然ですが、修理に出された家具を通して、家具職人が昔使われた技術や技巧に直で触れ、職人育成に繋がるよう少しでも貢献できればいいなという気持ちで修理に出すようになりました。大工職人も同様、町家の修繕・改修工事をする際に昔の技術を直に触れることで職人育成に繋がるではないかと、地域活動や町家で仕事しつつ感じることがあります。古き良き物や技術を残していくためには、まずは金額関係なく自分がいいと思うものを買って修理しつつ大事に使う、身近なことから取り組んで続けていこうと思います。
あ、そういえば最近、ミズメザクラの無垢材を使用した舞良戸(まいらど)がついた、細部まで作り込まれている九州民芸家具を中古で購入しました。ANEWAL Galleryへお越しの際は見てください(笑)

磯村明見

特定非営利活動法人ANEWAL Gallery デザイナー/マネージャー 磯村明見

京都市出身のグラフィックデザイナー。日本の老舗印刷会社と上海の広告代理店を経て本帰国後フリーに転身。NPO ANEWAL Galleryデザイナー兼マネージャー担当。京都建築専門学校広報担当。京都芸術デザイン専門学校非常勤講師。

2021.09.25
Written By

京都で生活していく上欠かせないのが「通り名」だろう。
「四条河原町」「烏丸御池」といった普段目にする地名も縦横の通り名で構成されている。

しかし、地元名古屋では日常生活の中で通りの名前を意識することなど全くなかった。

なので、初めて京都に来た時に通り名がここまで生活の中に浸透していることにとても驚いたことを今でも覚えている。
最初は戸惑ったが、一度覚えてしまえばとっても便利。
「♪まるたけえびすに~」と何度も歌って覚えたものだ。

西陣界隈も綺麗な碁盤の目状になっているので、道案内の際などには通り名がとっても役に立つ。
しかし、ここで一つ大きな問題が浮上!
なんと、私が運営するコーヒー店「Laughter」沿いの道は全長350メートルほどしかないため通り名が付いていないのだ…。

これは困った!と思ったところでひらめいた。
「じゃあ通称をつけてしまおう!」と。
ぜひ、お近くを通る際は「ラフター通」と愛をこめて呼んでいただきたい。

三輪浩朔

Laughterロースター 三輪浩朔

2020年10月「Laughter」を開業。21歳までコーヒーを飲んだことがなかったが、タイ北部の農園に直接足を運んだことでその魅力にほれ込む。コーヒーを通じて生産者の思いやストーリーも届け、一杯から笑顔溢れる空間を紡ぐことを目指している。

2021.09.24
Written By

やっと暑い夏が終わり、秋の風が心地良く吹く季節になってきた。とは言え日中の日差しはなかなか厳しいところではあるのですが。

秋が始まるこのタイミングは、私的にも大好きな散歩の季節。趣味である写真や映像を撮り流し、新たなお店や今まで見た事のなかった、もしかしたら気付いていなかった場所を探すこの時間はこの上なく贅沢な時間の使い方だ。

そんな散歩にうつつを抜かしつつ、この秋から西陣で少しづつ新たな動きが生まれ、人と人、人と街を繋ぐようなプロジェクトに参加させて頂いている。

内容はもう少し先にお話出来るかな、とワクワクしながらコソコソと西陣の片隅で動いているのです。

ミツギタカユキ

デザインカタリスト ミツギタカユキ

20歳より渡米し、大学にて彫刻からインタラクティブアート、デザインなど幅広い分野を学びつつフリーのデザイナーとして活動。帰国後京都に移住。現在西陣にてデザインカタリストとしてウェブ制作からデザインに纏る企画・運営など幅広い分野で活動を行う。

2021.09.22
Written By

9月、新学期もはじまって、子どもたちはいつもの日常にもどり、学校が終わって、「ただいま!」と、毎日元気よくミライブラリに来てくれています。そして子どもたちの服装の変化で、秋の訪れを感じる今日この頃です。

さて、秋の訪れとともに、本来であればイベントで賑わうシーズンですが、最近も延期や中止が相次ぎ、本当に子どもたちの周りからおもしろい出来事がどんどん減ってしまっているように感じています。子どもたちの安全を守ることはもちろん大切。でも今しかないこの時間も大切にしたい。そこで、イベントや催しが減っているなら「新しいおもしろい出来事」、「安全安心にたのしめる出来事」を増やしていこうというシンプルな思いから、親子で楽しめる新しいオープンイベントを企画しています。

まずは第1弾として、地域のお店をめぐる「たからさがし」。地域のお店の方にもご協力いただき、それぞれのお店の前に掲示された暗号を集めて謎を解いていきます。
親子で散歩がてら、好きなタイミング(日時)で楽しめるイベントです。

いろいろやってみたいことはありますが、
まずは「いまできること」にチャレンジしていきたいと思っています。

村上弘

特定非営利活動法人 代表 村上弘

特定非営利活動法人SOWERS代表 放課後の時間に、多様な体験を届けるafter schoolミライブラリを運営。子どもたちの今とこれからを考え、放課後の選択肢とその可能性の拡張を目指し、日々活動しています。

2021.09.21
Written By

少し前にクラブハウスというアプリが流行ったのを皆様は覚えているだろうか。

京都のカフェがテーマのトークルームでのやり取りがあった。
そのトークルームには京都内外多くのカフェ好きが集まり、オススメのカフェについて情報交換していた。

発言する機会があったので
私のオススメカフェを忖度なしで公表したのである。
鼻息を荒くして自慢のお気に入りリストを公表したが、聴衆の反応は冷ややかであった。
マニアックでローカルな店の羅列を後押しする森の説明の下手さが相まったのである。全然盛り上がらなかった。
あっ無難なところをオススメしとけばよかった。健気な24歳は自信を失った。
(誇張しています)

しかし今日お店にきたお客さんとの会話で小さなしこりがはれた
お客さんにオススメのお店を聞かれた森は、
ボロボロになりかけたお気に入りリストの埃をはらい、
かすれ声でオススメの店を紹介した。
冷ややかな反応に身構えたが、予想とは反しお客さんは喜ばれた。

そういうなかなか表に出ないようなお店とかを知りたかったんだよ!
マニアックなところいいね!と。
今度は盛り上がった!

そして森は自信を取り戻した。
そうだ!もっとオススメの店を話していこう!

森 風渡

風とCOFFEEオーナー 森 風渡

2020年10月に"風とCOFFEE"を西陣京極にオープン。コーヒー屋には不向きとされる入り組んだ路地奥にて自家焙煎を行う傍ら、京都で1番ディープな路地(自称)である西陣京極に新たな風を吹かせるべく奮闘中。