西陣にまつわる
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西陣にまつわる人々が、綴るコラムCOLUMN

2022.02.12
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このコラムを書かせていただくようになり、ネットで「西陣」とよく検索するのですが、パチンコ台メーカーの西陣という会社が検索結果にあがってきます。ぼくはギャンブルには全く縁がなく、西陣というパチンコ関係の会社があるのは知ってはおりましたが、社名の由来まで調べてみることはありませんでした。せっかくなので調べてみると、名古屋のパチンコ台製作の職人集団が群馬・桐生でパチンコ店経営をはじめたことに由来するそうです。西(名古屋)から出陣(群馬)したということで、ぼくたちが知るところの西陣の由来とは全く違いました。

西陣の中心あたりは千本通りや中立売通り、今出川通りがあって、昭和の頃はとても賑わった地域です。飲食、劇場、映画館、ボウリング場まで…もちろんパチンコ店もたくさんありました。十数年前からでしょうかパチンコ店も営業スタイルが変わり、郊外の大型店舗に姿を変え、地域密着型の中小規模のお店はどんどん姿を消しました。上京区のパチンコ店は今や3軒(うち西陣地域には2軒)です。
西陣の娯楽の灯もスマホのゲームやパソコンなどによって消えていくのかと思うと少し寂しく感じます。写真の駐車場もパチンコ店の跡地です。

岡田健

光都紙工有限会社 代表兼デザイナー 岡田健

西陣の南東?の牛乳屋の息子として生まれ育って五十数年、今は極小印刷会社の代表取締役兼デザイナーです。ウクレレとコーヒーが好きです。

2022.02.11
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2月に入ってから空気は春の気配を感じるのに、背筋を寒さが走り抜けるような底冷えを味わう日々。毎年毎年、こんなに寒かったっけ?と性懲りも無く考えを巡らせる。そういえば昨年もそのように思っていたような。人間とは単純なもので、暑さ寒さも過ぎてしまえば適度に忘却してしまうよう。なればこそ、季節が変わる度に新鮮さを感じていることにもふと気付くのです。例えば風景、体感や、食の楽しみも四季があるからこそ折々に。
セルフカレー修行の一環で、今年は新しいレシピも色々と練習し始めています。写真は先日作った「サンバル」という野菜カレー。南インドの味噌汁的存在といっても過言じゃない、現地では定番中の定番メニュー。優しくて体にすっと入ってくる、シンプルなのに滋味深いお料理。スパイスが入った温かなスープは体を巡らせ、冷えた体をぽかぽかと温めてくれます。常夏の南インドのお料理なのに、真冬の京都にもこんなに合うなんて、とちょっと驚き。同じ料理でも、場所の違い、季節の違いでまた新しい顔を見せてくれる。振る舞った方それぞれが感じる景色も、きっと様々に広がるのかな。なんて思いながら。温かな春を待つ、とある日のひとコマでした。

松波さゆり

和裁士 松波さゆり

岡山県出身。布好きが高じて京都で学び暮らし始めて早18年目。プロの和裁士としてテレビドラマの衣装をはじめ様々な仕立てを手掛ける。現在は市民運営の寺院 ”寳幢寺”のスタッフとして日々を過ごしながら、社会や地域に貢献できることを模索しています。

2022.02.10
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引っ越しまであと1ヶ月を切りました。

しかし、まだまだやることはたくさん。
最近は水まわりのタイル貼りを…

妻も私も陶芸をすこしするので、うちには小さな陶芸窯があり、
それを理由に自作タイルで水まわりを仕上げるという挑戦をしました。

しかし、始めてみると、
粘土を平らに延ばして、1枚1枚を型で抜いたり切り出したり、それを乾燥させて、表面を整えて、釉薬を吹付けて、陶芸窯に並べ入れて、焼成…
工程が多く非常に手間がかかりました。

また、小さな陶芸窯では焼く量が少なく、焼く回数を増やして応戦。
そして、電気代は爆上がり、粘土代や釉薬代もかさみました。

へとへとになりながらタイルを用意し、
ついに施工、接着剤で壁にはり、目地埋め。
ランダムな形で作ったので、並べるのにも神経と時間を要しました。

果てしない道のり、眠れぬ夜を越え、2ヶ月かけて、なんとか走りきりました…
自分の家でなければ投げ出したいほど手間はかかりましたが、家への愛着は湧くばかりです。

梅田啓介

クリエイター 梅田啓介

あるときは会社員、あるときはデザイナー、あるときはアーティスト、あるときはおべんとうアーティスト。 楽しいことを求めて。 今年、西陣に家を建てて、引っ越してきます。

2022.02.09
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スマートフォンの本体バッテリーの交換のため四条へ。しばらくスマートフォンを預け、外に出ることにした。まず器の展示を見に、いつもの喫茶・ギャラリー好文舎へ向かう。烏丸で12番の市バス、堀川下長者町で下車。ほうじ茶を飲み、店主さんとおしゃべりして器を堪能し、さてランチに前から行ってみたかった店に行こう。縦は小川通と覚えているが、横の通りは?とポケットに手をいれたが携帯がなく調べられない。そこで、喫茶ゾウのある中立売通を真っ直ぐ西のほうに行けば、KéFU stay &loungeじゃなかったっけ?と西陣へと向かう。ぐんぐん歩けば千本通にあたる。が、途中で、なんとなく上る。やはり以前から行きたかったアフリカドックスという「アフリカ布や京友禅を扱うオーダーメイドの仕立屋」のある路地にあたる。浄福寺通。お店はお休みの日。一条通から西陣京極商店街を横目に、千本へ。さて、上るか下るか。京ごよみ手帳の中に地図があることを思い出し、道を確認。今出川へ上る。千本今出川の喫茶静香もいいな、と思ったらこれまた定休日。最後はお地蔵さんの祠を目印に、KéFUに到着。
ちょっと遅めのランチ、ごちそうさまでした。

川原さえこ

もう一つの椅子 川原さえこ

京都府長岡京市在住。フリーランスのリサーチャー、保育士。「もう一つの椅子」という名義でまちのランドスケープ(風景)研究を行う。東京下町から京都へ来て約1年。観光客でもなく京都の地元民でもない境界の視点でふらりと歩いたまちの景色を描く。

2022.02.08
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年初めなので、登山靴を新調した。
長い間憧れていたオールレザーの昔風の登山靴。

こういう靴は履くまでにも手間がかかるらしい。縫い目を液で何度も乾燥させながら目止めして、それが終わったらワックスを手で擦り込む、つまり自分で防水加工をしなければいけないのだ。そして中敷をいれたり靴下を合わせて調整したりと。
そんな事を2日もかけてやっていく。

そして、いよいよおろす。
せっかくなので格好も昔風のハットをかぶって旅気分で近所を散歩してみるのだ。
そしていざ、歩いてみるとまだ全然革が硬くて痛い。そして片方1キロはある登山靴は慣れないと足に重りをつけているようだ。
いつもはサッサと通り抜けていく西陣の道を一歩一歩ロボット歩きで歩いていく。

そしてもう疲れて部屋に戻ろうとすると、みたらし団子ののれんが目に入ってきた。
たぶんいつも見ていたはずなのだが意識した事なかったのかも。
甘いものが欲しくなり、立ち寄ってみた。

店のおばちゃんも僕が慣れない観光客に見えたのだろう。団子を用意しながらいろいろとの辺りについて教えてくれる。

「熱いうちに食べてな!」と念を押されて団子を手渡されたので、部屋に戻ってから食べるつもりが本当に観光客のようにみたらし団子を歩き食いすることになってしまった。

食べてみて驚いた。
おばちゃんの旦那さんの実家の飛騨高山の味付けというそのみたらし団子、甘くないのだ。
醤油の香ばしい味。今まで食べたことのない種類の団子である。

いつも歩いている道も違う設定で歩いてみると違うモノが目に入って、新たな出会いがあるものだ。

景井雅樹

版画家 景井雅樹

京都の版画工房で銅版画を始める。 2006年頃より、毎日の出来事をノートに青いボールペンで描く絵日記形式の作品を作り始める。 一日1ページで現在4000ページほど。まだ毎日描いている。 コーヒーと自転車と音楽の愛好家。

2022.02.06
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多拠点生活サービス「ADDress」のまっさんこと高本です。

ADDress西陣B邸でもあるKéFU(ケフ)stay&loungeで2021年からはじまった新年餅つきイベントは世代を超えるだけではなく地域をつなぐイベントでもある。

2020年冬にマネージャの横山恵さんが「こんなご時世だからこそ地域のみんなが笑顔になれ、元気になれることをしたい」と新年餅つきイベント企画を構想、Facebookで臼と杵を探しているという記事を見た時のこと。ちょうど伏見「田んぼラグビー」で餅つきしていた二人のスキンヘッドなオッサン顔が思い浮かんだ。(そういう僕も勿論オッサンだ笑)伏見つるりんズである。

伏見向島「宮本ファーム」の宮本直嗣さんのオーガニック餅米と特別養護老人ホーム「ヴィラ向島」の長田栄臣さんとこの石臼&杵。伏見つるりんズの協力で西陣お餅つきイベントでたくさんの笑顔が生まれることになった。2022年イベントは参加できなかったのだけれど、横山さん、伏見つるりんズはじめたくさんの関係者の尽力で西陣に笑顔が溢れるのは嬉しいなぁ。

僕の大好きな伏見と西陣。地域と地域がつながることで2022年も素敵な出会いや何か面白いことが生まれますように。

高本昌宏

多拠点プランナー / ADDress 事業企画 高本昌宏

学生時代に伏見と西陣に住んだことがきっかけで、京都では決してメインストリームではないかもしれないこの二地域に惹かれる。多拠点居住サービス立ち上げをしながら、2020年伏見移住。西陣にも同年から通い始め、魅力再発見中。

2022.02.05
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このコラムは、【西陣】についてのことなら何を書いてもらってもいいとお伝えしています。おすすめのお店や風景、文化、日常生活など、様々なことを皆さんに発信していただいているのですが、まもなく1年も経つとネタが尽きてきているようで、「困った」という声をよく耳にします。今後の運営について対策を考えつつ、私は一つの秘策を思いつきました。

 

コラムのネタを他の人のコラムの中から探す。これがなかなか皆さんのコラムを読んでいると、気になるお店が出てきたり、コメントを残したくなったりするもので、先月の宇野さんのコラムに出てきた「知り合いのタルト屋さん」というワードが気になり、宇野さんに「知り合いのタルト屋さん」の正体をお聞きしました。

 

そして、行ってきました【le murmure(ミュルミュール)】。
寺之内通小川通下るに位置するシンプルで洗練されたお店。私が行った頃には何人か並ばれていて、列に入りながら綺麗に並べられたお菓子を覗き込み心を躍らせます。タルトをはじめ、フィナンシェ、パウンドケーキ、シフォンなどドゥミセックを得意としたお店なのかな、と感じるラインナップ。味もたくさんあり、カウンターを行ったり来たりしながら、7種類ほどのお菓子を購入。一人一人への接客を大変丁寧にされていて、私も見習わなければと背筋を伸ばして帰ってきました。

 

家でハーブティーを淹れ、早速いただきます。
ちょっと衝撃。どれもすごく美味しいのだけど、特にフィナンシェの美味しさに驚きました。これは皆さんに食べてほしい。季節もののタルトタタンも絶品です。

 

コラムから新しいお気に入りを見つけてしまいました。これから人へのお土産はここにしよう。
宇野さんありがとうございます!

横山恵

探り手/運営 横山恵 KéFU stay&lounge

KéFU stay&loungeカフェ宿泊事業統括マネージャー。「オサノートを通して西陣の街を訪ねてほしい」という思いでメディアを設立。普段は宿泊施設やカフェの現場に立っていたり京都を走り回っています。純喫茶とロックライブが好き。すてきな純喫茶情報お待ちしてます。

2022.02.04
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「退屈な展覧会」というプロジェクトを2020年に立ち上げた。文字通り「退屈な展覧会」という展覧会をやるためのプロジェクトでその年の10月に「退屈な展覧会」を開催した。しつこく「退屈な展覧会」と連呼しているのは2つ理由がありまして。

1つめは「退屈な展覧会」という名前を中々覚えてもらえないこと。
「名前のない展覧会」「つまらない展覧会」「ヒマな展覧会」「憂鬱な展覧会」
「空虚な展覧会」「無意味な展覧会」「やる気のない展覧会」などなど。どれもだいたい意味合いを言い得ているものが多く、それがむしろ面白くて最近は間違えてても指摘も特にしていない。
でも一応この場でひとまず「退屈な展覧会」を連呼しておこうかなと。おそらく無駄な抵抗でこの先も間違われていくのだろう。

という訳で2つめは告知です。「退屈な展覧会」をやります。

2/10(木)〜 14(月)
西陣変築企画室 × 退屈な展覧会
「〇之景色」(ゼロノケシキ)

「西陣変築企画室」を主催するインスタレーションアーティストの間瀬拓人(https://about.me/7z)くんとワタクシ「退屈な展覧会」の共同企画です。

場所:PELGAG (instagram.com/pelgag.cafe)
京都市中京区裏寺町607‐19 ヴァントワビル3, 4階
12:00~20:00
1ドリンクオーダーで入場可能。

開催は街なかですが、西陣に住む2人を中心に展開する謎のインスタレーション展示です。
まんぼう中ですが開催します。自衛の上ご来場ください。

小川 櫻時

映像監督 小川 櫻時

長年様々な映像をを作る仕事をしています。東京、沖縄を経て2015年から京都市在住。近年は、クラフト作家や様々な手仕事をする人々にフォーカスした映像を制作・発表しています。映像空間演出ユニット「SAKKAKU」としても活動しています。

2022.02.03
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気がついたら2月に突入。てっきり1月中にオサノートのコラムの担当が回ってくると思っていたので、お正月のネタを準備していました。日にち的に、旧正月に近いと言う事でお正月ネタを話しちゃいます。

磯村家のおせち料理は、毎年作ります。
ちょっと大袈裟に言い過ぎですが…代々受け継がれてきた京都のおせち料理をベースに、時代に合わせて少しずつアレンジが加わったおせち料理を作っています。
小さい頃は三ヶ日毎日食べると飽きた記憶がありましたが、いつの頃か楽しめるようになりました。おそらくお料理を手伝うようになってからかなぁと今になって思います。

お手伝いをする時、私は基本、皮剥き役と味見役。
金時人参、くわい、蓮根、百合根、蕗、牛蒡などなど剥くものはたくさんあります。「今年の蕗は、皮と筋を剥くと水が滴るし、透き通っていて綺麗」とか「今年の小芋は、天候が悪かったからか、赤い傷が多い」という風に、目で見て指で触れて感じ、そして味見をして味覚で感じることが、楽しみに変わりました。
上海滞在中は、春節(旧正月)に一時帰国していたので、おせち料理は買える食材だけですが、自分で作りました。しかし、中国のくわいは日本の3倍の大きさで、割らないと(縁起が悪いですが…)なかなか味が染み込まなかった記憶が(笑)
そんな風に今では、毎年おせち料理を母と一緒に作り、楽しんでいます。

「作る」ことで、目で見て肌に感じて心に触れる。西陣の文化にも「作る」風習が根付いているから、ものづくりの人間である私は、居心地がいいと感じるのかもしれません。

磯村明見

特定非営利活動法人ANEWAL Gallery デザイナー/マネージャー 磯村明見

京都市出身のグラフィックデザイナー。日本の老舗印刷会社と上海の広告代理店を経て本帰国後フリーに転身。NPO ANEWAL Galleryデザイナー兼マネージャー担当。京都建築専門学校広報担当。京都芸術デザイン専門学校非常勤講師。

2022.02.02
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今年の正月休みは久しぶりに東京に行ってきました。
3日間の滞在でしたが、京都とは比べ物にならないくらいの人の多さと、立ち並ぶ高層ビル群、そして至る所で進む工事。
常に姿を変え進化を続けるまちに圧倒されっぱなしでした。

そして、3日間の滞在を終え戻ってきた西陣。そこには、いつもと変わらぬ「日常」が待っていました。
でも、束の間の「非日常」を経験したせいか、目の前に広がる「日常」がとても愛おしく感じました。

当たり前すぎる「日常」の素晴らしさを、西陣から離れてみて改めて感じることが出来ました。

今年もコロナ禍で不安定な状況が続きますが、色んなことにチャレンジし、色んなところに足を運んで、色んなものに触れながら西陣をもっと知り、もっと好きになる一年に出来ればと思います!

三輪浩朔

Laughterロースター 三輪浩朔

2020年10月「Laughter」を開業。21歳までコーヒーを飲んだことがなかったが、タイ北部の農園に直接足を運んだことでその魅力にほれ込む。コーヒーを通じて生産者の思いやストーリーも届け、一杯から笑顔溢れる空間を紡ぐことを目指している。