西陣にまつわる
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西陣にまつわる人々が、綴るコラムCOLUMN

2021.05.04
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地図の点と線が実際の景色とつながると、まちあるきはたのしくなる。碁盤目の京都は、東西南北を把握すると地図感覚が身につきやすい。京都御所ある方角の北に向かえば上ル、京都駅の方角の南に向かえば下ル。 初めて友人たちと京都を旅した2003年、私は上ル下ル(あがるさがる)を理解していなかった。エリア名と案内看板を頼りに、面の感覚で歩いていた。もともと地図は好きだが方向音痴。わからないので地図もグルグル回す。いまは、地図は回さなくなったし、観光客向けに北と南が逆さになった絵地図にこちらの目が回るくらいには京都の地図感覚に慣れてきた。 次に縦の通りと横の通りが繋がれば、座標軸のように場所が思い浮かぶようになる。2つの通り名で場所が特定できる「辻の感覚」をはじめて体感で掴めたのは、中京区の三月書房(2020年末で廃業)へいくとき。住所ではなく「寺町二条上ル」という呪文だけでたどり着けた時「そういうことか」と合点がいった。だが、西陣は私の中では未だ面の感覚だ。慣れなくて、どこを歩いているかわからない。だから迷う。いまはまだ迷うことを楽しみながら、徐々に点の感覚を掴み、西陣散歩をしてみたいと思っている。

川原さえこ

もう一つの椅子 川原さえこ

京都府長岡京市在住。フリーランスのリサーチャー、保育士。「もう一つの椅子」という名義でまちのランドスケープ(風景)研究を行う。東京下町から京都へ来て約1年。観光客でもなく京都の地元民でもない境界の視点でふらりと歩いたまちの景色を描く。

2021.05.03
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コラムの参考に西陣を自転車でウロウロする。

景井雅樹

版画家 景井雅樹

京都の版画工房で銅版画を始める。 2006年頃より、毎日の出来事をノートに青いボールペンで描く絵日記形式の作品を作り始める。 一日1ページで現在4000ページほど。まだ毎日描いている。 コーヒーと自転車と音楽の愛好家。

2021.05.02
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今から28年前の今頃、僕は大学にほど近い堀川上長者町に住んだばかり。丸太町のセブンイレブンや、西陣織会館でのアルバイトをワクワクしながら始めていたことをまるで昨日のように思い出しながらこれを書いている。

多拠点生活サービス「ADDress」で連携している「KéFU(ケフ)」の皆さんと知り合って、西陣には学生時代全く見えてなかった「日常のなかの非日常の魅力」に溢れていることを知った。KéFUには路地(ろおじ)まで描いたWALLMAPがあり、そこでも紹介されている地元食材店から仕入れた朝ごはんが美味しくて伏見から通っている。

西陣に通い始めて、何より嬉しいのは声をかけあえる「まちのなかま」が出来たこと。

写真は朝食の際に偶然一緒になり、やってみたいことについて情報交換できた「まちのなかま」。(ADDress池上家守でもある黒田愛美さんと学生起業家の宮武愛海さん)西陣のあちこちでこんなシーンがこれから増えていくことを楽しみにしている。多拠点ぐらしは短期宿泊ではなかなか出会えない「まちのなかま」が生まれていくチャンスに満ちている。そこから何かが生まれるかもしれないこれからが楽しみだ。

高本昌宏

多拠点プランナー / ADDress 事業企画 高本昌宏

学生時代に伏見と西陣に住んだことがきっかけで、京都では決してメインストリームではないかもしれないこの二地域に惹かれる。多拠点居住サービス立ち上げをしながら、2020年伏見移住。西陣にも同年から通い始め、魅力再発見中。

2021.05.01
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皆さんこんにちは。
同志社大学政策学部2回生の窪田早希です。
私は、地方創生や地域活性化に興味があり研究者を志しています。

私は実は西陣という町をまだ全然知りません。
ご縁があってオサノートのライターをさせていただくことになって、風とCOFFEEさんの取材に同行したのが、私にとって初西陣でした。

その日は大雨で、ひっそりとした西陣京極の一番奥に進んで行く時、独特の雰囲気に呑まれてドキドキしたのを覚えています。

私自身まだ西陣について知らないことだらけです。オサノートのライターとして、西陣の魅力、西陣で暮らす人々の魅力を沢山見つけていきたいと思います。そしてオサノートをきっかけに人と人が繋がっていけばとても素敵だと思います。政策学の視点から見てもオサノートはすごく魅力的です。ライターとして関わらせていただけるご縁に感謝しています。

西陣歴2ヶ月とちょっとの未熟者ですが、これからどうぞよろしくお願いします。皆さん、お会いした際には西陣のいいところを私にぜひ教えてください!西陣で沢山の人と出会えることを楽しみにしています。

窪田早希

学生 窪田早希

出身は大阪ですが、中高6年間京都の学校に通っていたので京都歴は長いです。地方創生に興味があって大学では政策学を学んでいて、研究者を目指して勉強しています。osanoteを通じて西陣の魅力を発掘&発信していきたいです!よろしくお願いします!

2021.04.30
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私にとって西陣は「初恋のまち」だ。
西陣にお店を構えて約半年。出身は名古屋、大学時代は伏見で過ごしたため、文字通り縁もゆかりもない場所でのゼロからのスタートだった。
「上手くやっていくことが出来るのだろうか」
何とも言えない不安を抱えていたのも確かだ。

しかし、日々お店に立ち、街を眺め、様々な方と出会う中でいつの間にか不安は消えていた。底知れぬ魅力をもつ西陣というまちにいつの間にか虜になっていた。

公共政策系の学部に通っていた私は、大学四年間で「まちづくり」に関する事例を沢山学んだ。
その中で学んだのが「まちを好きになる大切さ」だった。
まるで自分の子供のようにそのまちの歴史や魅力を語る大人たちの姿はカッコよかった。
その熱量は間違いなく「このまちが好き」という純粋な気持ちが生むものだと思った。

このコラムでは、私が感じた西陣の「好き」を思い切り書き綴りたい。
そして、私たちのお店も数ある西陣の魅力の一つと思ってもらえることが今の目標だ。

ぜひお付き合いください!

三輪浩朔

Laughterロースター 三輪浩朔

2020年10月「Laughter」を開業。21歳までコーヒーを飲んだことがなかったが、タイ北部の農園に直接足を運んだことでその魅力にほれ込む。コーヒーを通じて生産者の思いやストーリーも届け、一杯から笑顔溢れる空間を紡ぐことを目指している。

2021.04.29
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関東で生まれ育ったにも関わらず、幼い頃から何故か京都に行ってみたいと思っていた。もちろん当時の私は本の中やテレビの映像でしか京都というものを知らなかった。親に連れられて京都に来た事もない。

 

高校2年生の春休み、ふと思い立って青春18切符を買い、誰にも言わずに京都へバックパック旅行に出かけた。これが初めてのソロ旅行であり、初京都だった。後で親に京都から電話をかけてこっぴどく叱られたのを今でもよく覚えている。

 

1週間ほど京都の公園や駅のベンチで野宿をしていたが、その旅行も終わりになりかけた頃、ふらっと何気なしに晴明神社を目指した。今は綺麗に建て直されているが、その当時はとても古い、何か不思議な印象を与えてくれる神社だった。

 

それがご縁なのか、気づいたら今、その社の近くに居を構えている。あれから大凡25年たってからのことだ。

 

偶然なのか必然なのか、よく分からないが嬉しい導きがある京都・西陣。

 

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

ミツギタカユキ

デザインカタリスト ミツギタカユキ

20歳より渡米し、大学にて彫刻からインタラクティブアート、デザインなど幅広い分野を学びつつフリーのデザイナーとして活動。帰国後京都に移住。現在西陣にてデザインカタリストとしてウェブ制作からデザインに纏る企画・運営など幅広い分野で活動を行う。

2021.04.28
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このたびは、西陣にまつわるコラムに参加させていただきます。

さっそく先日、読者の皆さまに紹介できる素敵な場所を探し求めて、カメラ片手に意気揚々と自転車を走らせました。
近くなのに、いざ足を運ぶと行ったことないとこだらけ…。自分も初めてのお店にわざわざ入って紹介するのも、変だし…、ガイドブックに掲載されている場所を、自分の薄っぺらい知識で上書きして紹介するのも、これほど無意味なコラムはない。

などなど思いを巡らせながら、自転車を走らせていると、よく行くセブンイレブンの前にいた。
コラムのためではなく“自然体の自分がよく訪れる場所についてコラムを書く”というよくわからない縛りを、自分に課せていた私は、このセブンを紹介することにした。

確信犯だろう。この場所は、「七本松通り」と「上七軒」の交差点にセブンイレブンという、トリプルセブンな店舗なのである。千本キング(パチンコ屋)に朝から並ぶ方々は、げんかつぎに真っ赤なグアテマラブレンドを一杯飲んでから出勤されているに違いない。はたまた全国のセブンファンが聖地巡礼に訪れているかもしれない。

 

西陣に来た際は、そんな少しだけ幸せな気持ちになるセブンイレブンに足を運んでみてはいかがだろうか。

亀村佳宏

映像ディレクター 亀村佳宏

1978年に京都市(北区平野)で生まれ育ち、2002年、上京ののち、PV、スポット CM 制作を経て、撮影技術やコンポジット編集技術を習得。2009年に京都に拠点を戻してから、個人事務所で映像や写真の仕事をしております。趣味:卓球

2021.04.27
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桜の小道にて

とようけのお豆腐屋さんで買い物をし七本松通りのなだらかな坂を自転車で帰っていた朝。
まだ朝も早かったのでぼーっとしながらペダルを漕いでいると、目の端に鮮やかな景色が映って思わずわっと声を出して自転車を停めました。
細い道に桜が咲いていて地面には落ちた花びらが線を作り道の奥へと続いていました。

道に入ると桜木の高さがだんだんと低くなりアーチを形作っていて雪のようにはらはらと花びらが散っていきます。
身体をかすめていく花びらはゆっくりと落ちていき、体感する時間が遅くなっていくようでした。
そのあまりにも突然居合わせてしまった小道は僕がそれまでいた七本松通りから遠く離れた場所に誘い込んでいるに思えて、あぁ美しいものは畏ろしいんだなと感じそっと引き返しました。

もといた七本松通りに戻るとすっかり目が覚めていて、通りにいる車や人を見ながら帰りました。
春はあらゆる命が芽吹き波打つことで力強く世界がうねる季節ではないでしょうか。

 

あの朝僕はそんな「春の渦」のようなものに踏み入れてしまったのだと思います。

黒田健太

紡ぎ手/綴り手 黒田健太 オサノート

初めまして、 西陣に住んでいる黒田健太です。 夜のがらんとした千本通を歩くのが好きで、たまに夜中に出かけます。生活をしていると忘れてしまうのですが、そんなささやかな時間にときどき立ち寄りたいと思っています。

2021.04.26
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西陣に愉快な路地が飽きるほど点在しているが、

西陣は移動すればするほど飽きない発見があるような街かと。

 

その中でも私が愛してやまない路地は西陣ろうじの少し南側に入り口を構える細長い路地である。横幅2mにも関わらず長さは100mほどある。歩行者や自転車ですら一方通行を強いられそうなこの道では、 すれ違いざまに”ありがとう”と一言思いやりが感じられる。

あまりにも横幅が狭く入口からは出口が見えないことで居住者以外はここが道であることを認識できないのもロマンを感じる。

 

まるでダンジョンのごとく先に何があるかわからない道をあえて通って今日も家に帰ろう。

森 風渡

風とCOFFEEオーナー 森 風渡

2020年10月に"風とCOFFEE"を西陣京極にオープン。コーヒー屋には不向きとされる入り組んだ路地奥にて自家焙煎を行う傍ら、京都で1番ディープな路地(自称)である西陣京極に新たな風を吹かせるべく奮闘中。

2021.04.25
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はじめまして。after schoolミライブラリの村上といいます。

ミライブラリは子どもたちの放課後の居場所、遊び場です。

西陣にこの場所を開いて、この4月で4年目を迎えました。

 

今回、こうした機会をいただいたので、子どもたちに関わる大人として、 普段このまちで感じていること、あと子どもたちが見ている世界についても ふれていけたらと思っています。

 

さて、今日は西陣のまちの人と子どもたちについて少しだけ。

ミライブラリでは、子どもたちと一緒に船岡山や天神公園によく遊びに行きますが、 その道中でいろんな地域の方と出会います。

面識のある方ばかりではないのですが、 通りかかると、いつも笑顔で挨拶をしてくださったり、「ええ天気やなぁ」、 「どこ行くん?」と子どもたちに声を掛けてくださいます。

こうしたことも実は中々難しい世の中ですが、このまちの皆さんが、子どもたちを大事に思っておられる気持ちが子どもたちに伝わって、やっぱりいいなぁと思うのです。

昔に比べ、子どもと大人の距離が少し開いてしまった今の社会。互いに良い方向で、もう少し近づいていけるといいなぁと、 あらためて思う今日この頃です。

 

これからよろしくお願いします。

村上弘

特定非営利活動法人 代表 村上弘

特定非営利活動法人SOWERS代表 放課後の時間に、多様な体験を届けるafter schoolミライブラリを運営。子どもたちの今とこれからを考え、放課後の選択肢とその可能性の拡張を目指し、日々活動しています。