西陣にまつわる
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12/22

西陣にまつわる人々が、綴るコラムCOLUMN

2021.07.04
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西陣に、マイホーム建築予定の梅田家。

先日は地鎮祭をさせていただきました。

 

友人のお坊さんにお願いして、

建築士さんが鍬・鋤・鎌を手づくりしてくださり、

地鎮祭のあとのお弁当は飲食店を営むお坊さんの奥さまに、

自分たちで用意できそうなものはなるべく自分たちで手配して…

身近な方々のチカラを借りて、想い出深い地鎮祭になりました。

 

土地さがしと建築パートナーさがしとプランニングと、

気付けば1年以上が経って、慌ただしく過ぎ去る日々の中、

立ち止まり、大切なことを振り返る機会になりました。

 

通りをゆく方があいさつしてくださり、ほっとしました。

はやく家が完成しないかなぁと、待ち遠しく思うこのごろです。

梅田啓介

クリエイター 梅田啓介

あるときは会社員、あるときはデザイナー、あるときはアーティスト、あるときはおべんとうアーティスト。 楽しいことを求めて。 今年、西陣に家を建てて、引っ越してきます。

2021.07.03
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西陣を通る縦の通り、土屋町通を南から北へ歩く。

住宅地が続く中、「平安宮内裏弘徽殿跡」という石碑が見えた。案内看板であたり一帯は、平安京の内裏だった場所とわかる。すぐ近くに「清涼殿」の文字を見つけ密かに興奮する。
このところ、菅原道真を祀る天満宮信仰について調べていたからだ。

930年のこと。京都に災害が相次いだ際に、天皇をはじめ政治家たちがその災害対策を話し合っている最中の清涼殿に落雷が落ちる。相次ぐ災害と合わせ、落雷は太宰府に左遷され亡くなった政治家・菅原道真の怨念の仕業とおそれられたという。当時は、御霊会と呼ばれる死者の怨霊を恐れ神として祀る思想があり、その怨霊を鎮めるために道真を神として祀る天満宮信仰が展開した。
のちに、怨霊への恐れは消え、子どもの時より秀才だった道真にあやかって天満宮は学問の神様として知られるが、信仰発祥の契機の一つである落雷事件が起きた「清涼殿」が、ここにあったのだ。

そんな平安宮内裏跡一帯を通り抜け、西陣京極商店街につくと、竹屋町通からスタートした土屋町通は終わる。歴史の一場面が溶け込んだ地が、日常の路地に静かにあるのは、京都歩きの醍醐味だなあと思う。

川原さえこ

もう一つの椅子 川原さえこ

京都府長岡京市在住。フリーランスのリサーチャー、保育士。「もう一つの椅子」という名義でまちのランドスケープ(風景)研究を行う。東京下町から京都へ来て約1年。観光客でもなく京都の地元民でもない境界の視点でふらりと歩いたまちの景色を描く。

2021.07.02
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「ハローワークで仕事探してるけどないな。で、落ち込んで帰る前にコーヒーくらい飲みたいやん。喫茶店とかに入ると出費かさむし、ここならタダやん」

そんなセリフを言ってのける、かつてミュージシャンだった友人は僕が仕事している部屋に毎週やって来た。
近くにある西陣ハローワークの帰りだ。

そうしてコーヒーを煎れさせられるのだが、使ってる豆について、ドリップ方法について、かかってる音楽についてのウンチクが始まる。転がってるギターを弾く時もあるし、昼間からお酒を飲んでる時もあるし、残り物とかでテキトーにパスタを作って食べてる時もある。

なんともダメダメな大人たちの話なのだが、どこかボヘミアンな雰囲気を感じて楽しかったものだ。

最近ではそんな西陣のボヘミアンたちもめっきりコーヒーを飲みにこなくなった。それはそれで良いことなのだろう。

景井雅樹

版画家 景井雅樹

京都の版画工房で銅版画を始める。 2006年頃より、毎日の出来事をノートに青いボールペンで描く絵日記形式の作品を作り始める。 一日1ページで現在4000ページほど。まだ毎日描いている。 コーヒーと自転車と音楽の愛好家。

2021.07.01
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多拠点生活サービス「ADDress」のまっさんこと高本です。西陣のみならず、京の街を歩いていると必ず出会い、その度に引き寄せられそうになる存在。それが「ろおじ」。「ろおじ」とは、京ことばで路地のこと。京都の人は「お」にアクセントを置き愛おしむように発音するらしい。(『京のろおじ』暮らす旅舎編)岡山生まれの僕にはあまりうまく発音できないけれど、そんな「ろおじ」が西陣にもたくさんあって、その中でヘンテコなお店がおもちゃばこみたいに詰まっているろおじがこの「西陣ろおじ」。京友禅とアフリカをマッチさせたアフリカドッグスや、職人が黙々と皮を編んでいるキャッチャーミット屋さん、最高の笑顔で話しかけてくれてほっこりさせてくれるアクセサリー屋さん。ろおじに入っても普通はすぐに出る感じだけれど、ここはなかなか抜けられない人の魅力が詰まったヘンテコろおじなので、だまされたと思って一度入ってみて欲しい。きっとじわじわとくる予想もしなかった、何がが起こるかもしれないよ。

高本昌宏

多拠点プランナー / ADDress 事業企画 高本昌宏

学生時代に伏見と西陣に住んだことがきっかけで、京都では決してメインストリームではないかもしれないこの二地域に惹かれる。多拠点居住サービス立ち上げをしながら、2020年伏見移住。西陣にも同年から通い始め、魅力再発見中。

2021.06.30
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引っ越してきた頃は新鮮だった京都の街の風景も、丸6年も住んでいると流石に目が慣れてきてしまっている。このコラムを機会にかつて目を引いて気になってたものを思い返している。

京都市街の住所はややこしい。例えば市役所は「中京区寺町通御池上る上本能寺前町488」とある。外から来た人間はまず読もうという気が起こらないし大抵は読めない。やがて住んでるうちに縦横の通り名とその交差点に対する方角で示されているという法則を知る。これがわかれば読み解けて便利ではあるのだが、それにしても長くて漢字も多く難解。
しかしそれはそれで京都らしくて良いなと思うのは、通りで古い住所表記のプレートを見かける時だ。今出川通の少し南側、堀川通と千本通の間に残っているのをよく見かける。多くは白地に青い縁取りされた中に「仁丹」のロゴマークと住所が表記されている物。たまに「フジイダイマル」のロゴが入った物。ごく稀に他の広告が入った物もある。元の色がわからないくらい変色していたりもする。時代を感じる年期の入ったプレートにあの経文のような難解な住所表記がある。それを見つけるとなぜだか妙に嬉しくなってしまうのだった。

小川 櫻時

映像監督 小川 櫻時

長年様々な映像をを作る仕事をしています。東京、沖縄を経て2015年から京都市在住。近年は、クラフト作家や様々な手仕事をする人々にフォーカスした映像を制作・発表しています。映像空間演出ユニット「SAKKAKU」としても活動しています。

2021.06.29
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私が西陣地域で「何かした」はじめが2005年であったことははっきりしているが、その地域一帯が西陣と呼ばれていると認識したのはいつのことだったか、記憶は曖昧なことになっている。
初めて接した地域は「上七軒」と呼ばれていたし、その次に出会ったのは「織成舘」と「大黒町」だった。他所から来た私が「西陣」という言葉をそれなりに正しく使えるようになるには、5、6年かかったような気がする。 それでも、西陣という言葉がすっと腑に落ちた記憶がある。
私の育ったまちの駅前に工場があり、そこから伸びる大きな煙突に、「西陣染色」と書いてあったからだ。
その駅の手前側出口までが小学生の私の行動範囲であり、煙突はしょっちゅう目にしていた。梅田の眼医者へ行く時、親戚のいる桂や堺を訪ねる時、中学、高校になって一人で電車を使うようになってから、私は何度あの煙突に書かれた「西陣」を目にしただろうか。
だから、「あ、ここがあの西陣か」と気づいた時の感覚は、全くはっきり思い出せる。何か運命を感じて少し嬉しくなった感覚も。
当の工場は既に閉鎖し、今は大きなマンションが建っている。平成時代、阪急京都線相川駅界隈のことである。

益山周三

副理事 事務局長 益山周三 特定非営利活動法人 ANEWAL Gallery

2005年から「都ライト」をはじめ、西陣界隈で楽しく過ごしています。近年は「西陣マルシェ」「能舞台フェスタ」でしたが、コロナで先行き見通せず。漫画を描いています。写真はボツになった作品の主人公。供養。

2021.06.28
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先日、海外に移住した方に密着したテレビ番組をみた。
そこで、移住してきつかったこととして「四季を感じられないこと」があげられていた。

普段なかなか意識しない「四季」も、日本人にとっては生きてく上での大切な要素の一つなのだろう。
西陣も日中は半袖でも過ごせるほど暑い日が続き、まさに季節は春から夏へ移ろうとしている。

私が西陣にお店を構えたのは昨年10月のこと。つまり、これから西陣で初めての夏を迎えることとなる。

「夏の西陣」は私にどんな楽しみを与えてくれるのだろう。

巷のお店を覗いてみると、様々なところで夏限定メニューがあるようだ。

日の入りが遅くなったことで、見落としていた色んなものに気が付きそうだ。

暑さに参っているだけではもったいない。自分なりの視点で初めての「夏の西陣」を思いっきり満喫したいと思っている。
四季を感じる喜びを噛みしめながら。

p.sオサノートを通じて皆さんが知ってる西陣の夏の魅力も知れたら良いなぁ

三輪浩朔

Laughterロースター 三輪浩朔

2020年10月「Laughter」を開業。21歳までコーヒーを飲んだことがなかったが、タイ北部の農園に直接足を運んだことでその魅力にほれ込む。コーヒーを通じて生産者の思いやストーリーも届け、一杯から笑顔溢れる空間を紡ぐことを目指している。

2021.06.27
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時刻は9時45分。

丁度夜空を見上げるとほぼ満月。満月まであと2日あるが、まんまるなお月様がうっすら雲にかかりつつ美しく光っている。

夏に近づく夜の雰囲気は昔から柔らかくて好きなのだが、京都での夜散歩はなかなか風情があってよい。夏の夜散歩は是非オススメしたい贅沢な時間だ。

日中にみる街の顔とまた違う側面を見せてくれたり、昼間の悩み(的なもの)を静かに解きほぐしてくれるような感覚をくれるのがとても優しくて好きなのだ。

子供の頃、夜に外で出歩くことにちょっと悪いことをしているような気持ちになった事を思い出し、ノルタルジーに浸ることもあるが、こと、西陣界隈を夜ふらふらしてみると、生まれ育った場所でもないのに、これまた郷愁を強く感じる。

昼はひねもす、夜はよもすがら。

西陣の片隅で、月を眺めながら日々を楽しむのは悪くない。

ミツギタカユキ

デザインカタリスト ミツギタカユキ

20歳より渡米し、大学にて彫刻からインタラクティブアート、デザインなど幅広い分野を学びつつフリーのデザイナーとして活動。帰国後京都に移住。現在西陣にてデザインカタリストとしてウェブ制作からデザインに纏る企画・運営など幅広い分野で活動を行う。

2021.06.26
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「京都の400年の歴史、みなはれ〜!」
竹竿、つんっ!
「おおぉ〜。(歓声)」

同じ箇所をピンポイントに竹竿でつんっ!てやってるから、岩が凹んじゃったみたい。

伝統ってすごいな〜、歴史ってすごいな〜。
なんて、心の中で感動していたら、次の岩の凹みは、真っ黒な穴のようで、先が何センチ深くまで挿さるかわからない。

「保津川下り400年の歴史、みなはれ〜!えーい。」
竹竿、つんっ!
「しもた〜。外してもうた〜。」

実は、わざと外したようで、あまりに深くなりすぎた穴は、竹竿がひっかかってしまうから、つんっ!できないみたい。
そんなつん劇(寸劇)も交えながら、亀岡から嵐山まで、家族で近所の自然を満喫、観光地料金の嵐山はスルーして、円町まで帰ってきて、金閣寺マクドへ。
そんな週末でした。

西陣に来た際は、そんな保津川下りに足を運んでみてはいかがだろうか。

 

亀村佳宏

映像ディレクター 亀村佳宏

1978年に京都市(北区平野)で生まれ育ち、2002年、上京ののち、PV、スポット CM 制作を経て、撮影技術やコンポジット編集技術を習得。2009年に京都に拠点を戻してから、個人事務所で映像や写真の仕事をしております。趣味:卓球

2021.06.25
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4月から続いた緊急事態宣言がようやく明けたと思ったら、もう6月下旬です。子どもたちが汗をたくさんかいて学校から帰ってきたり、ミライブラリのおやつにアイスがでてくるようになったり。なんだかあっという間に夏がもうすぐそこまで来ています。子どもたちにとって夏といえばやっぱり夏休みです。すでに「こんなことしたい」「あんなことしたい」と言った夏休みの計画の話題もところどころで聴こえてきます。今年はミライブラリでも、宿泊のキャンプは断念しましたが、日帰りのデイキャンプや、じっくり時間をかけて作る工作のプログラムの計画など、いろんな夏の体験の機会を、たくさんつくりたいと考えています。まだまだいろんな場面で我慢が必要な毎日ですが、子どもたちの安全が守られるよう、そして子どもたちの一度しかない「今年の夏」の豊かな機会が守られるよう、最大限に頭と身体を動かして、夏に向けて準備していきたいと思っています。

村上弘

特定非営利活動法人 代表 村上弘

特定非営利活動法人SOWERS代表 放課後の時間に、多様な体験を届けるafter schoolミライブラリを運営。子どもたちの今とこれからを考え、放課後の選択肢とその可能性の拡張を目指し、日々活動しています。