西陣にまつわる
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西陣にまつわる人々が、綴るコラムCOLUMN

2021.07.08
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6月は青梅の季節でしたね。
フレスコ、イズミヤ、イオンにライフ…
スーパーの充実した西陣では
あちらこちらで1kgの青梅の袋詰めがみられました。
マイママ友のSNS投稿も梅ジュースに梅酒の仕込みでにぎわいます。

 

私も「梅」の漢字のつく苗字を背負う人間として、
もちろん数年頑張って作っていました。
なんなら梅の採取から梅小路公園の採取日に行って、
とって仕込んでみたりもしました。
が、
んが!
瓶の購入、消毒、毎日のシェイク、…
なんて…
なんて……めん……ゴホゴホ

 

そんな同じ心境のあなたにこっそりオススメしたいのが
「青梅の甘露煮」
です。
瓶なんてなくとも、
氷砂糖なんてなくとも、
鍋と砂糖さえあればできちゃいます。
(※レシピは検索して一番簡単そうな作り方のやつを作りなさい)
発酵して失敗の心配もありません。
あー楽チン

 

冷蔵庫に冷やしといて、ヨーグルトに混ぜたり、
ちょっと和え物に加えたりすると美味です。
最近は我が家では
そうめんもそうですが、
ざるラーメンにのせるのがマイブームです。
醤油に爽やかな甘さがたまりません。

 

暑さと湿気がうっとおしいですが、
爽やかに乗り切ってまいりましょう!

 

あいうめめ

主婦 あいうめめ

下京区から上京区へお引っ越し。 3歳と0歳の娘をもつ主婦です。 京都西陣の暮らしと子育てを綴る。

2021.07.07
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#オンラインの壁を越えて

 

同志社大学のヨリフジです。
蒸し暑くハンカチが手放せない日が続いていますね・・・。

 

さて、私は先月
町家学びテラス・西陣(京都産業大学)で開催されている
「町家オープンカレッジ」に参加しました。
現在はオンラインで開催されている勉強会で
その日は学生生活について考えました。

 

大学での時間の使い方は人それぞれ。
正解のない中で、私が大事だと思っているのは
様々なコミュニティに属して自分の考え方を見つめ直すことです。

 

私自身、この西陣に来てから
たくさんの人と話し、たくさんの価値観に触れることで
高校までの狭いコミュニティの中で形成されてきた自分を
見つめることができています。

 

しかし、今の大学1・2年生に話を聞くと、
オンライン・リアル問わず、
普段は家族とバイト先の人たちとしか関わらないという人がたくさんいます。

 

コロナ時代に入学してきた今の1・2年生、
特に、この西陣という素敵な地域に関わるチャンスがある人たちに
新たな自分の居場所・コミュニティをもつための
初めの1歩を提供できないものかな・・・

 

オンライン時代の心理的な壁を越えていきたいと考え始めました。

 

依藤菜々子

紡ぎ手 依藤菜々子

同志社大学卒業。 2020年、同志社大学が発行する今出川地域のフリーペーパー「イマ*イチ」の制作を通じ、西陣ならではの凝縮された魅力を知る。 好きなもの:アニメ/クラシック音楽/ミッフィー

2021.07.06
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高校に入った年の夏、父が「町内で撮影するから牛乳屋の看板を3日程外させてくれと言ってきたわ!」。その話を聞いた時、何のことかあまりピンと来なかったのですが、その日が近づくにつれとんでもない人がロケにくるということがわかりました。その年をもって引退するという山口百恵さんが最後の映画「古都」の撮影が町内で行われるというのです。京都が舞台となった川端康成原作の物語、主人公の家の前のロケ地としてうちの町内が選ばれたようです。
それからは町内の同級生と授業をいかにさぼって、どこでどう見るかを必死で考えました。撮影は2日間で確か土・日曜日の朝であったと記憶しており、土曜日は学校に行かず、ロケ場所となった家の真正面で待機しました。引退間近の百恵ちゃんはもちろん、ロケ2日目の早朝は道路に塩を撒いて煙幕を焚き冬の朝もやを作り出す様子など、映画の撮影という見たことも無い現場を目の当たりにしてとても興奮したことが思い出されます。

ロケ場所は今では見る影もありません。作品中の古い京都の町並みはどんどん失われつつあります。けれど映画の中にわずかに映る実家やその周辺の景色はぼくの幼い頃の西陣の記憶そのものです。物語には祇園祭も描かれており、毎年この時期になると懐かしく思い出されます。

岡田健

光都紙工有限会社 代表兼デザイナー 岡田健

西陣の南東?の牛乳屋の息子として生まれ育って五十数年、今は極小印刷会社の代表取締役兼デザイナーです。ウクレレとコーヒーが好きです。

2021.07.05
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「パンの海に溺れてしまう…」
そう呟くのは、お寺によく遊びに来てくれるミライちゃん。

美味しいものが大好き。とりわけ、パンが好きでたまらない彼女。
普段は他府県に住んでいるのですが、京都に来た際には寳幢寺に逗留してはパン巡りを敢行。なんでも、京都のパンレベルと格が圧倒的過ぎて、もはや聖地巡礼レベルなのだとか。

彼女はネット上の情報は参考程度に、実際に訪れたお店の雰囲気やメニュー構成、パンの配置、照明に至るまで様々な情報を一身に感じ、これぞ!と思うパンを選び出しては皆にふるまってくれるのです。

彼女のパンセンサーにヒットしたパンたちの美味しさたるや、我々は今まで京都に暮らしながら、なんと漫然とパンを食べていたことかと認識が変わっていくレベルです。
大好きなパンの魅力や美味しさを語ってくれる彼女との食卓は本当に豊かで、 心から大好きなものをみんなで分かち合うことがこんなに幸せなんだなぁと、いつも教えてもらっています。

ちなみに、ミライちゃんイチ押しの殿堂入りパン屋さんは西陣エリアから少し北。千本北大路にある『たまや』さん。そしてその更に北の鷹峯にある『クロア』さん。どちらも絶品パンが居並びます。

松波さゆり

和裁士 松波さゆり

岡山県出身。布好きが高じて京都で学び暮らし始めて早18年目。プロの和裁士としてテレビドラマの衣装をはじめ様々な仕立てを手掛ける。現在は市民運営の寺院 ”寳幢寺”のスタッフとして日々を過ごしながら、社会や地域に貢献できることを模索しています。

2021.07.04
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西陣に、マイホーム建築予定の梅田家。

先日は地鎮祭をさせていただきました。

 

友人のお坊さんにお願いして、

建築士さんが鍬・鋤・鎌を手づくりしてくださり、

地鎮祭のあとのお弁当は飲食店を営むお坊さんの奥さまに、

自分たちで用意できそうなものはなるべく自分たちで手配して…

身近な方々のチカラを借りて、想い出深い地鎮祭になりました。

 

土地さがしと建築パートナーさがしとプランニングと、

気付けば1年以上が経って、慌ただしく過ぎ去る日々の中、

立ち止まり、大切なことを振り返る機会になりました。

 

通りをゆく方があいさつしてくださり、ほっとしました。

はやく家が完成しないかなぁと、待ち遠しく思うこのごろです。

梅田啓介

クリエイター 梅田啓介

あるときは会社員、あるときはデザイナー、あるときはアーティスト、あるときはおべんとうアーティスト。 楽しいことを求めて。 今年、西陣に家を建てて、引っ越してきます。

2021.07.03
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西陣を通る縦の通り、土屋町通を南から北へ歩く。

住宅地が続く中、「平安宮内裏弘徽殿跡」という石碑が見えた。案内看板であたり一帯は、平安京の内裏だった場所とわかる。すぐ近くに「清涼殿」の文字を見つけ密かに興奮する。
このところ、菅原道真を祀る天満宮信仰について調べていたからだ。

930年のこと。京都に災害が相次いだ際に、天皇をはじめ政治家たちがその災害対策を話し合っている最中の清涼殿に落雷が落ちる。相次ぐ災害と合わせ、落雷は太宰府に左遷され亡くなった政治家・菅原道真の怨念の仕業とおそれられたという。当時は、御霊会と呼ばれる死者の怨霊を恐れ神として祀る思想があり、その怨霊を鎮めるために道真を神として祀る天満宮信仰が展開した。
のちに、怨霊への恐れは消え、子どもの時より秀才だった道真にあやかって天満宮は学問の神様として知られるが、信仰発祥の契機の一つである落雷事件が起きた「清涼殿」が、ここにあったのだ。

そんな平安宮内裏跡一帯を通り抜け、西陣京極商店街につくと、竹屋町通からスタートした土屋町通は終わる。歴史の一場面が溶け込んだ地が、日常の路地に静かにあるのは、京都歩きの醍醐味だなあと思う。

川原さえこ

もう一つの椅子 川原さえこ

京都府長岡京市在住。フリーランスのリサーチャー、保育士。「もう一つの椅子」という名義でまちのランドスケープ(風景)研究を行う。東京下町から京都へ来て約1年。観光客でもなく京都の地元民でもない境界の視点でふらりと歩いたまちの景色を描く。

2021.07.02
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「ハローワークで仕事探してるけどないな。で、落ち込んで帰る前にコーヒーくらい飲みたいやん。喫茶店とかに入ると出費かさむし、ここならタダやん」

そんなセリフを言ってのける、かつてミュージシャンだった友人は僕が仕事している部屋に毎週やって来た。
近くにある西陣ハローワークの帰りだ。

そうしてコーヒーを煎れさせられるのだが、使ってる豆について、ドリップ方法について、かかってる音楽についてのウンチクが始まる。転がってるギターを弾く時もあるし、昼間からお酒を飲んでる時もあるし、残り物とかでテキトーにパスタを作って食べてる時もある。

なんともダメダメな大人たちの話なのだが、どこかボヘミアンな雰囲気を感じて楽しかったものだ。

最近ではそんな西陣のボヘミアンたちもめっきりコーヒーを飲みにこなくなった。それはそれで良いことなのだろう。

景井雅樹

版画家 景井雅樹

京都の版画工房で銅版画を始める。 2006年頃より、毎日の出来事をノートに青いボールペンで描く絵日記形式の作品を作り始める。 一日1ページで現在4000ページほど。まだ毎日描いている。 コーヒーと自転車と音楽の愛好家。

2021.07.01
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多拠点生活サービス「ADDress」のまっさんこと高本です。西陣のみならず、京の街を歩いていると必ず出会い、その度に引き寄せられそうになる存在。それが「ろおじ」。「ろおじ」とは、京ことばで路地のこと。京都の人は「お」にアクセントを置き愛おしむように発音するらしい。(『京のろおじ』暮らす旅舎編)岡山生まれの僕にはあまりうまく発音できないけれど、そんな「ろおじ」が西陣にもたくさんあって、その中でヘンテコなお店がおもちゃばこみたいに詰まっているろおじがこの「西陣ろおじ」。京友禅とアフリカをマッチさせたアフリカドッグスや、職人が黙々と皮を編んでいるキャッチャーミット屋さん、最高の笑顔で話しかけてくれてほっこりさせてくれるアクセサリー屋さん。ろおじに入っても普通はすぐに出る感じだけれど、ここはなかなか抜けられない人の魅力が詰まったヘンテコろおじなので、だまされたと思って一度入ってみて欲しい。きっとじわじわとくる予想もしなかった、何がが起こるかもしれないよ。

高本昌宏

多拠点プランナー / ADDress 事業企画 高本昌宏

学生時代に伏見と西陣に住んだことがきっかけで、京都では決してメインストリームではないかもしれないこの二地域に惹かれる。多拠点居住サービス立ち上げをしながら、2020年伏見移住。西陣にも同年から通い始め、魅力再発見中。

2021.06.30
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引っ越してきた頃は新鮮だった京都の街の風景も、丸6年も住んでいると流石に目が慣れてきてしまっている。このコラムを機会にかつて目を引いて気になってたものを思い返している。

京都市街の住所はややこしい。例えば市役所は「中京区寺町通御池上る上本能寺前町488」とある。外から来た人間はまず読もうという気が起こらないし大抵は読めない。やがて住んでるうちに縦横の通り名とその交差点に対する方角で示されているという法則を知る。これがわかれば読み解けて便利ではあるのだが、それにしても長くて漢字も多く難解。
しかしそれはそれで京都らしくて良いなと思うのは、通りで古い住所表記のプレートを見かける時だ。今出川通の少し南側、堀川通と千本通の間に残っているのをよく見かける。多くは白地に青い縁取りされた中に「仁丹」のロゴマークと住所が表記されている物。たまに「フジイダイマル」のロゴが入った物。ごく稀に他の広告が入った物もある。元の色がわからないくらい変色していたりもする。時代を感じる年期の入ったプレートにあの経文のような難解な住所表記がある。それを見つけるとなぜだか妙に嬉しくなってしまうのだった。

小川 櫻時

映像監督 小川 櫻時

長年様々な映像をを作る仕事をしています。東京、沖縄を経て2015年から京都市在住。近年は、クラフト作家や様々な手仕事をする人々にフォーカスした映像を制作・発表しています。映像空間演出ユニット「SAKKAKU」としても活動しています。

2021.06.29
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私が西陣地域で「何かした」はじめが2005年であったことははっきりしているが、その地域一帯が西陣と呼ばれていると認識したのはいつのことだったか、記憶は曖昧なことになっている。
初めて接した地域は「上七軒」と呼ばれていたし、その次に出会ったのは「織成舘」と「大黒町」だった。他所から来た私が「西陣」という言葉をそれなりに正しく使えるようになるには、5、6年かかったような気がする。 それでも、西陣という言葉がすっと腑に落ちた記憶がある。
私の育ったまちの駅前に工場があり、そこから伸びる大きな煙突に、「西陣染色」と書いてあったからだ。
その駅の手前側出口までが小学生の私の行動範囲であり、煙突はしょっちゅう目にしていた。梅田の眼医者へ行く時、親戚のいる桂や堺を訪ねる時、中学、高校になって一人で電車を使うようになってから、私は何度あの煙突に書かれた「西陣」を目にしただろうか。
だから、「あ、ここがあの西陣か」と気づいた時の感覚は、全くはっきり思い出せる。何か運命を感じて少し嬉しくなった感覚も。
当の工場は既に閉鎖し、今は大きなマンションが建っている。平成時代、阪急京都線相川駅界隈のことである。

益山周三

副理事 事務局長 益山周三 特定非営利活動法人 ANEWAL Gallery

2005年から「都ライト」をはじめ、西陣界隈で楽しく過ごしています。近年は「西陣マルシェ」「能舞台フェスタ」でしたが、コロナで先行き見通せず。漫画を描いています。写真はボツになった作品の主人公。供養。