西陣にまつわる
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西陣にまつわる人々が、綴るコラムCOLUMN

2021.08.11
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「あなたがイメージする『西陣』の範囲を教えてください」。そう問われ、白地図とペンを手渡されたら、どんな形を白地図に記すだろう。
「西陣」は、地図には無い地名。たしかなのは、応仁の乱で山名氏側の西軍が拠点を置いたのが西陣の名の起こりであること、その後に西陣織が産業として発展したことが、強い地域ブランドとなっていることだ。
あるイベントで、冒頭の問いかけを来場者の皆さんにした。
観光客は西陣織会館周辺に小さな丸を書いた。産業振興を担当する京都市職員は北、上京区の市街地全域を大きくくくった。生活文化に詳しい地元住民は「職人さんの話し言葉が、この辺から変わるねえ」と思案しつつ、細かく線を動かしていた。皆が書き込んだ白地図を重ねると、東西は堀川通~七本松通、南北は出水通~北大路通あたりに多くの線が並んだ。
正解は無いが、すべてが正解とも言える。暮らしや仕事、生い立ち…。経験から見える「西陣」は人によって違う。どの地域でも、誰の頭の中にも、その人なりの地域の地図がある。白地図に線を書き込みながらそれぞれの人が問わず語りに言う「地域との関わり」を聴くのは、楽しい経験だった。

石崎立矢

石崎立矢

東大阪・石切生まれ。学生時代からの京都歴 33 年。京都と滋賀がエリアの新聞社に勤めて各地を転勤し、 先々でまちの面白い動きに首をつっこむ。近年は、地図をまちづくり・まち歩きに 生かし、楽しむ「上京ちず部」を立ち上げ、ネット上で地図を共有したり、地図を集めたり囲んだり作ったり.…を楽しんでいる。まちの情報交換の場「上京朝カフェ」(第4木曜朝)を主催する。放っておくと消え去ってしまいかねない情報を囲んで共有し役立てるために「地図・場・ローカルメディア」の活用を提唱している。

2021.08.10
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まるごと美術館を応援させていただいてる方から
昨年ご依頼があり新規事業の下見をサポートさせてもらいました。
ジャンボタクシーで伝統工芸・工房見学みたいな感じでのお供となりました。
西陣織をされてる
加地金襴の工場を見せていただいたり
町屋でされてる
西陣爪掻本綴織(にしじんつめがきほんつづれおり)を見学させていただいたり
他には染色や陶芸も見学に行きました

加治金襴さんの金襴織は金の糸が織り機で鮮やかな柄に織込まれて行くのに見とれてしまいました。
西陣爪掻本綴織は爪をまずヤスリで削るところから見せていただき、これぞ伝統工芸の技を見せていただき感動しました。
陶芸では東山の蘇嶐窯さんで「飛鉋(とびかんな)」と言う技法を見せていただきました 青磁に飛鉋を使った陶磁器かとても素敵でした。
西陣の方と知り合っていなければ、見せていただく事もなかったかもです。
今後の仕事でお客様が興味があれば 加治金襴さんの見学や蘇嶐窯さんの陶芸体験も案内出来たらと思った1日でした。
蘇嶐窯さんは個展など見せていただく仲になり 私のご縁はどんどん続いてる!

林亮

タクシー運転手 林亮

2019年にまるごと美術館を知り、夜間拝観にお客様をお連れし、その時頂いた福銭の5円玉がご縁を呼んで 西陣、上京区の 沢山の方々と繋がる事が出来ました。 日々 自分地元はもちろん 西陣、上京区を応援してます。

2021.08.09
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『観緑のススメ』
夏らしい景色って何だろう?ふとそんなことを考えてみました。真っ先に思い浮かんだのは海!でした。しかし、京都市内でその景色にお目にかかることはできません。あらためて、京都で夏らしい景色といえば何だろうと考え直してみました。そうして思い浮かんだのが、青い空に白い雲、そしてそこに映える木々の緑!という風景でした。
西陣エリアは、多くのお寺や公園、そして並木の美しい堀川通に、北を見れば北山や船岡山の緑も間近に迫り、多くの緑に囲まれた地域です。いつでも、そして手軽にお目にかかることができる夏らしい景色で、日々の多忙な生活やコロナ禍の様々な不便な生活で疲れた心身を、そして東京オリンピックの見過ぎ(?)で疲れた眼を癒してみてはいかがでしょうか?

南知明

上京ちず部 副部長 南知明

鴨川近くで生まれ、幼い頃から近くの上京区の商店街の店主の方々に見守られ育つ。現在は「まいまい京都」商店街食べ歩きツアーなどのほか、地理好きを活かし、「上京ちず部」副部長など、上京区全般で活動。本業は宿泊業。京都観光おもてなしコンシェルジュ。

2021.08.08
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最近、引っ越しをした。
西陣の中での移動なので場所はあまり変わらないのだが、環境は綺麗なアパートから築140年の町家への大変化。

引っ越しをする前から、町家に住むには色々と覚悟がいると聞いていた。鼠や虫は出るし、壁は薄いし、夏は暑くて冬は寒い。そんな噂にビクビクしながらも、せっかく京都にいるならと町家に住むことに決めた。
いざ引っ越してみると想像していたよりも綺麗で、先人の方が大切に住まわれていたんだなということがわかる。

とは言っても、やはり築140年。幸いにも、大変心の広い大家さんで、自由に改装してもいいとのこと。これからも長く人が住める家になればと思い、水回りの取り替えと床上げをした。自分で漆喰を塗ったり柿渋を塗ったり、なんだかんだと大いに町家ライフを楽しませてもらっている。今のところ、鼠も大きな虫も現れてはいない。ほぼ梯子のような階段からは2回落ちたのだけど……。

 

「あそこに引っ越したよ」と言うと、そんな物件にどうやって出会ったのかと驚かれることが多い。絶対に不動産屋からは出てこない人気物件らしい。

京都には口伝いでしか手に入らない不動産情報があるようだ。いい町家に住みたいなら声を大にして「町家に住みたい!」と宣言しておくことをお勧めする。

京都に少しでも町家の風景が残ることを願って。

横山恵

紡ぎ手/運営 横山恵 オサノート

KéFU stay&loungeカフェ宿泊事業統括マネージャー。「オサノートを通して西陣の街を訪ねてほしい」という思いでメディアを設立。普段はKéFUの現場に立っていたり京都を走り回っています。純喫茶と歌謡曲が好き。すてきな純喫茶情報お待ちしてます。

2021.08.07
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西陣、いや上京区のファミリーなら誰しも利用しているでしょう、
聖地 御所児童公園(エリア的に西陣ではありませんがお許しを…)

自然遊びもできて、タバコの吸い殻なんて落ちてない
ウメミシュラン三つ星をあげたい、とてもいい公園です。
ここは市内では珍しいホールドタイプのブランコがあり、
親の手離れがよく、安心感もバツグン。
私の知りうる限り、ここと、
市内では梅小路公園内に最近できた、
線路よりの幼児用公園にも一つありますね。
親一人の手で複数押せるから、
グルーヴ感があり、我が家の姉妹は楽しそう。

また、御所児童公園、不定期にシャボン玉おじさんが出没します。
長い棒二本に輪っかをくくりつけた独自の装置を振り回し、
超巨大なシャボン玉をばらまいて、子供達を喜ばせてくれるんです。
なんて素晴らしいんですか!!!ありがとうございます!!!

ちなみに梅小路公園も不定期に紙飛行機おじさんが出没し、
独自開発のものすごく飛ぶ紙飛行機をくれるんです。
京都のおじさんのボランティア精神たるや…

私も年老いたら紙芝居おばさんとして、
あちらこちらの児童公園で子供達を喜ばせたいものです。

あいうめめ

主婦 あいうめめ

下京区から上京区へお引っ越し。 3歳と0歳の娘をもつ主婦です。 京都西陣の暮らしと子育てを綴る。

2021.08.06
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#上京朝カフェで朝活

同志社大学のヨリフジです。

7月29日木曜日、“上京朝カフェ”に行ってきました。
上京朝カフェとは、毎月第4木曜日、
朝8時すぎから開催されている地域交流の場です。

その日は、Zoomと上京区役所会場のハイブリット形式で開催され、
私は先月、町家学びテラスで知り合った京都産業大学の友人と初めて参加しました。

(写真は、当日の朝に区役所近くの、松家・今出川店で食べた牛丼の写真です。
なんと、もう今は閉店してしまったそうです・・・
思いがけず、貴重な牛丼になってしまいました。)

当日は、様々な年齢・職業・コミュニティに所属する人たち
25人(オンライン・対面合わせて)が参加しました。

こんなイベントをするよ、こんな人を探している、こんな面白いものがある、、、等々を
一人ひとりがみんなの前で発表する
非常に自由な空間でした。

西陣や上京区は、新しいことに対して前向きな人が多い地域だと以前から感じています。
上京朝カフェも、それを象徴していると思いました。

コロナで大変な時期ではありますが、工夫を凝らし
新しいことに一緒に前向きになれる地域でこれからもあり続けるように、
わたしも毎日を前向きに過ごしたいです!

 

依藤菜々子

紡ぎ手 依藤菜々子

同志社大学卒業。 2020年、同志社大学が発行する今出川地域のフリーペーパー「イマ*イチ」の制作を通じ、西陣ならではの凝縮された魅力を知る。 好きなもの:アニメ/クラシック音楽/ミッフィー

2021.08.05
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僕の幼い頃から高校くらいまでの記憶で、うちの近所には3軒の造り酒屋がありました。2軒は廃業され、今でも残る1軒は皆さんご存知の佐々木酒造です。よい水が出た西陣は他にも酒造関連の会社がいくつかあったと思われ、この写真の場所も古い地図を見ると造り酒屋であったようです。
駐車場となったこの場所に造り酒屋や酒蔵の面影は全くありませんが、連絡先の管理会社名に酒造関連であった痕跡をひっそりと残していました。こういうのを見つけたときはちょっと嬉しい気持ちになります(笑

岡田健

光都紙工有限会社 代表兼デザイナー 岡田健

西陣の南東?の牛乳屋の息子として生まれ育って五十数年、今は極小印刷会社の代表取締役兼デザイナーです。ウクレレとコーヒーが好きです。

2021.08.04
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あたしの名前? 絹ちゃんって呼ばれてる。
お母さんとはぐれて困ってたところを助けてもらって、今は寳幢寺ってお寺に住んでる。
ここは西陣織の工場跡をDIYして作ったお寺だから、「絹」っていう名前になったんだって。
我ながらだけど、身体も白くてふわっふわだし、手触りもシルキーで気持ちいいって皆が触りに来るの。抱っこは好きじゃないけど、撫でられるのは悪い気はしないわ。ブラシもあててくれたら…けっこう心許しちゃうかも。
ここには色んな人が遊びに来たり、一緒に暮らしてたりしてて、こういうのって大家族っていうのかな?
いつもみんな楽しそうにお話してたり、真面目に勉強したり対話してたり。
このお寺が好きで、大切に思ってる人が集まってくるの。
皆で囲んでる食卓にも、お米やお野菜や色々、農家さんや応援してくれる方がお布施してくれたものがいつも並んでる。
あたしも時々、大好物のチュールをお布施してもらったりするのよ。
普段はスタッフルームに居るんだけど、お客さんが来た時には挨拶しに他の部屋にも出掛けたりするの。お寺の看板猫だからって、どこに行っても写真を撮られるんだけど…、みんなが嬉しそうだから、ま、いいかなって思ってる。

松波さゆり

和裁士 松波さゆり

岡山県出身。布好きが高じて京都で学び暮らし始めて早18年目。プロの和裁士としてテレビドラマの衣装をはじめ様々な仕立てを手掛ける。現在は市民運営の寺院 ”寳幢寺”のスタッフとして日々を過ごしながら、社会や地域に貢献できることを模索しています。

2021.08.03
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梅雨が明けて、殺人的な暑さの京都の夏がやってきました。

このごろのわたくしは暑さではなく、

8月1日からの個展の準備でヘロヘロになっておりました。

「おばけまつり」と題した、イラストの展示です。

 

流行り病で、 次々と中止・縮小となってしまったお祭りたち。

 

ところが、ゴキゲンなおばけたちは人知れず楽しんでいました…

 

といったストーリーのもと制作しています、下京区のそのうちcafeでの開催です。

 

そのうちcafeは、公園に直結した、小さいけどとてもとても素敵なお店。

 

西陣にも、たくさんのカフェがあります。

 

これから自分にぴったりのカフェに出会えるといいなぁと思っています。

 

また、おばけや妖怪などの伝承もたくさんありそうで、そういった出会いも楽しみにしています…

 

…今回はPR多めで失礼いたしました!

 

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そのうちcafe SNC

 

五条高倉下ル 六条院公園 ブランコ入ル。
青い塀と黄色い暖簾が目印です。
営業:11:30~20:00 無休

 

 

梅田啓介

クリエイター 梅田啓介

あるときは会社員、あるときはデザイナー、あるときはアーティスト、あるときはおべんとうアーティスト。 楽しいことを求めて。 今年、西陣に家を建てて、引っ越してきます。

2021.08.02
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北野天満宮で毎月25日に開催される天神市。
友人に誘われて行く。昔から一度は行ってみたいと思っていたが初めての訪問。
その日はあいにくの雨だったが、友人と、そのまた友人とで端から端までじっくり出店をみていく。境内の裏手の道路まで続いており、1時間2時間と時間をかけて回る。
はじめてご一緒した友人の友人は、骨董集めや古い着物のリメイクの達人だった。傘もささず黙々と着物の端切れや骨董を眺めていく。ふっと手にとって値段を聞いた魚の柄の大皿が、思いの外高い値段でそっと戻す。
達人はまた何か手に取る。古い鉄道のレールの一部だ。すべすべと手触りを確かめる。フォルムが滑らかになった小さめのレールだ。達人は「いいねえ」といい私も「これはいいねえ」と通じ合う。しばらく悩んで、これもそっと戻す。
だんだんと本気モードになった我々は別行動を開始。最後は思い思いに気に入ったものを抱えて集結した。
帰宅した後も「あのレールは良かったなあ、買えば良かったかな」と達人は嬉しそうに思い返していた。でも買わない。それも出会い。

川原さえこ

もう一つの椅子 川原さえこ

京都府長岡京市在住。フリーランスのリサーチャー、保育士。「もう一つの椅子」という名義でまちのランドスケープ(風景)研究を行う。東京下町から京都へ来て約1年。観光客でもなく京都の地元民でもない境界の視点でふらりと歩いたまちの景色を描く。