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西陣にまつわる人々が、綴るコラムCOLUMN

2021.09.05
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#毎月24日を西陣の日と言いたい

同志社大学のヨリフジです。

今日は、6月から始めた西陣のハッシュタグ運動を紹介します。

#毎月24日を西陣の日と言いたい
というハッシュタグをつけて、
西陣のお気に入りの場所や買ったもの、出会った人など
西陣に関する写真やつぶやきをTwitterで投稿します。
株式会社ツナグムのタナカユウヤさんと考案しました。

「24」と「西陣(“にし”じん)」をかけています。
毎月24日を“西陣の日”と呼べないのは、正式な西陣の日が11月11日だからです。
“西陣”の名前の由来になった応仁の乱が終わったのがその日だからだそうです。

8月24日は3回目のハッシュタグ運動となり、
いつも以上に多くの方々が投稿に参加してくださいました。

当日わたしは「今月は何の写真を載せようかな」と
堀川商店街をさまよっていると、タナカさんに遭遇!
「今日、西陣の(ハッシュタグの)日やん、なに投稿するの?」
「堀川です」
「いや俺も!」
という会話が(笑)

いつか、毎月24日は、西陣にまつわるたくさんの人が、
それぞれ自分たちの地域に思いをはせる日になればいいなと思いました。

(写真・堀川商店街で食べたラーメン)

依藤菜々子

紡ぎ手 依藤菜々子

同志社大学卒業。 2020年、同志社大学が発行する今出川地域のフリーペーパー「イマ*イチ」の制作を通じ、西陣ならではの凝縮された魅力を知る。 好きなもの:アニメ/クラシック音楽/ミッフィー

2021.09.04
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7月に父が亡くなりました。うちは仏教で、例にならってお寺さんにお願いし“戒名”をつけていただきました。この世に生を受けたときは戒名とは違い、大抵の場合親や親類縁者が頭を絞って考えることになります。人気タレントの名前を拝借したり、最近ではキラキラネームといって、何と読むのかわからないような名前をつけるのがはやっている?ようです。もちろんお寺や神社の姓名判断も例外ではなくて、ぼくが生まれたときは堀川一条の晴明神社で姓名判断をお願いしたようです。
「人生一代之運命鑑定書」裏面候補の中で一字の名前を選んだと、生前父が話していたことを思い出します。西陣地域では長男が生まれたら晴明神社にお願いして名前をつけてもらうのがお約束…なんて聞いたこともあります。
岡田 雅文 晃行 泰征 篤治 健
陰陽師・安倍晴明ゆかりの神社でつけてもらったということで、今となっては満足しています。あ!昨日3日が誕生日でした。

岡田健

光都紙工有限会社 代表兼デザイナー 岡田健

西陣の南東?の牛乳屋の息子として生まれ育って五十数年、今は極小印刷会社の代表取締役兼デザイナーです。ウクレレとコーヒーが好きです。

2021.09.03
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カレーというものが特段好きでも嫌いでもなかったのですが、20代終盤に突如インドに旅立ったことがあり、カレーしかない生活をひと月ほど送ったことがあります。
飽きるよとか、絶対おなかを壊すんだよとか、そうした事前にいただいた予想はことごとく外れ、何食べても美味しいし身体も絶好調だしでインドの食文化最高・・・!!と堪能の日々。
その美味しさの広がりは、地方によって、またその家々のお母さんのさじ加減によって、様々な味わいと彩りを魅せてくれます。豊かな、なんとも豊かな世界に触れ、カレーという概念はすっかり覆ったのでした。
これは、「スパイスを使った郷土料理」なのだな。と。
帰国してからは自ら作るようになり、そこから程なくして、寳幢寺に来られる方々にも振る舞うように。作って作って振る舞って、行き詰まった折にはインド料理に精通した人が何故かふらりと現れては深い気づきを与えてくれて去って行く。そしてまたレベルを上げつつ作り続ける。そんなセルフインド料理修業も早5年目くらいでしょうか。
また状況が落ち着いたらイベント等で振る舞える機会があるといいなと思いながら、西陣の片隅で今日もカレーを作るのです。

松波さゆり

和裁士 松波さゆり

岡山県出身。布好きが高じて京都で学び暮らし始めて早18年目。プロの和裁士としてテレビドラマの衣装をはじめ様々な仕立てを手掛ける。現在は市民運営の寺院 ”寳幢寺”のスタッフとして日々を過ごしながら、社会や地域に貢献できることを模索しています。

2021.09.02
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ときどきつくる、鶏の丸焼き。
最近は、鉄鍋にいれて、オーブンで焼き上げるのが好きです。
今回は家にたくさんあった、トマトや夏野菜をたっぷり入れました。
ほぼスープになってしまいました。

ふだんは現在の家の近くにある、京都中央卸売市場のお店から丸鶏を買います。
これから引っ越す西陣では、日々の食材さがしの場所も変わります。

新しい食材、新しいお店との出会い、とても楽しみです。
おすすめのお店や、スーパー、聞いてみたいです。

梅田啓介

クリエイター 梅田啓介

あるときは会社員、あるときはデザイナー、あるときはアーティスト、あるときはおべんとうアーティスト。 楽しいことを求めて。 今年、西陣に家を建てて、引っ越してきます。

2021.09.01
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智恵光院通を北から南に歩く。
早朝の京都は静かだ。
家の玄関前を履く人がちらりほらりいる。
以前、東京で古本屋の店番をしていたときに、オーナーが「門前の掃除は商売の基本」と言っていた。
それ以来、店番の際に店前を履く時は「門前の掃除は商売の基本」と唱えるようになった。

普段の通勤路で、必ず門前を朝履いていらっしゃる会社がある。そのほうきの角度や履く強さがとても素敵なので、私も自分の仕事先の清掃で玄関掃除をするときに、その角度と強さを念頭に置いてほうきをかける。相変わらず「門前の掃除は商売の基本」と唱えている。

京都の道沿いにはお地蔵様の姿が多くある。
智恵光院通の朝には、掃除とお供えのお手入れをする方の姿も。
生活の中に溶け込んだお地蔵様たち。
京都の通り歩きをしながら、お地蔵様の前を通るときに、お地蔵様の真言「オンカカカビサンマエイソワカ」と3回私は唱える。
早朝の京都の通りは静かだが、私以外にも、心の中で祈りを唱えている人があちこちにいるのかもしれない。
祈りと暮らしがそばにある道が好きだ。

川原さえこ

もう一つの椅子 川原さえこ

京都府長岡京市在住。フリーランスのリサーチャー、保育士。「もう一つの椅子」という名義でまちのランドスケープ(風景)研究を行う。東京下町から京都へ来て約1年。観光客でもなく京都の地元民でもない境界の視点でふらりと歩いたまちの景色を描く。

2021.08.31
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今年の夏は雨がよく降る。そしていつも夏になると決まって調子が悪くなる。なかなか仕事も進まない。

何年か前の夏、雨の日に野良ネコの親子をとなりの屋根の上で見かけた。子ネコが屋根から飛び降りれなくて鳴いているのを母ネコが下から見ていた。
雑種で白い毛、尻尾がグレーでよくみると目がブルー。

何日かすると子ネコだけになってセミの死骸を食べようとしてたりするので、見かけた時は自分のごはんから少し分けたりしていた。
そしてしばらくするといなくなってしまった。
おそらく仲間のいそうな北野天満宮に移動したのだろう。

一月ほど経って夜中にそのあたりを歩いていると今度は丸々と太ったネコを見かけた。近づくと駐車場の車の下に潜る。
そこにあの白いネコが現れた。車の下を見て気にくわない顔をしたかと思うと助走をつけてその中に飛び込む。
(ものすごいネコの叫び声)
通りを歩いていた通行人も何事かと立ち止まる。
声が静まるとあのネコはのっこりと車の下から現れて身体を舌で舐め始める。
おそらく自分の縄張りに入ってきたあの太ったネコをボコボコにしたのだろう。
子ネコはすっかりたくましくなっていた。

最近でも天神さんの近くを歩くと時々あのネコとすれ違う。
もう白い毛も薄汚れた、いかついヤクザネコになっているが。
しかし、夏場の調子の悪い時にその姿をみると少し元気がでるのだ。

景井雅樹

版画家 景井雅樹

京都の版画工房で銅版画を始める。 2006年頃より、毎日の出来事をノートに青いボールペンで描く絵日記形式の作品を作り始める。 一日1ページで現在4000ページほど。まだ毎日描いている。 コーヒーと自転車と音楽の愛好家。

2021.08.30
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多拠点生活プラットフォーム「ADDress」のまっさんこと高本です。
この春から東京のとある広告代理店のお手伝いで、東京と京都の二拠点暮らし中。東京比率が高まるにつれ無性に食べたくなるのがこのあんバタートースト。ADDress拠点でもある「ケフ西陣」の朝食メニューで伏見の自宅からこれを食べるためだけに西陣に車で定期通勤?していたくらいお気に入り。

1908年創業、北野天満宮前にお店を構える中村製餡所の粒あんが贅沢に盛られ、ふんわり柔らかい風味のケフ西陣自家製バターとこんがり焼かれたトーストが奏でるシンフォニー。丁寧に淹れられた珈琲と至福の朝餉時間を楽しめること間違いない。東京でもあちこちでこの話をふんわりしていて、聴いたひとは誰もが「それいつか食べてみたいなぁ〜」と子犬のような優しい瞳になるのだった。

これから京都に行かれる方も、ジモトな京都に住まうあなたも、ぜひ一度お試しいただきたい。優しいあんこの甘さのその奥に、日常の中にある非日常な幸せをそこはかとなく感じさせてくれるはず。西陣の朝はおいしいよ。

高本昌宏

多拠点プランナー / ADDress 事業企画 高本昌宏

学生時代に伏見と西陣に住んだことがきっかけで、京都では決してメインストリームではないかもしれないこの二地域に惹かれる。多拠点居住サービス立ち上げをしながら、2020年伏見移住。西陣にも同年から通い始め、魅力再発見中。

2021.08.29
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#24日は西陣の日
になりつつあるらしい。誕生日の日付が24日なので嬉しい。

西陣に引っ越してきて3ヶ月が経とうとしている。
当時は土地勘がなく、最近気づいたのだけど、西陣はじわじわ縁のあるところだった。

成人式の着物は五辻の「帯のこくりょう」さんにお世話になっていたし、
大学のゼミでは上七軒のバス停からすぐの「吉岡映像」さんにお世話になっていた。
今働いているKéFUから歩いてすぐの自家焙煎スペシャルティコーヒー専門店「Laughter」の三輪くんは、大学も学部も、当時やっていた学生の集まりの部署も、そのさらに小さなグループも同じだった。

オサノートでコラムを書いている和裁士の松波さゆりさんにも、ここにくる前から兄弟で度々お世話になっている。

一緒にコラムを書く日がくるとは。西陣に住んでいることをより実感した。

写真は、Kefuの朝ごはん定食の食材の買い物途中にすれちがい、Tシャツが可愛くて声をかけたおじいちゃんおすすめのお店の季節の和菓子。透明な羊羹を初めて食べた。西陣値up。

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早川春香

2021.08.28
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小学生の頃、ほぼ野球にしか興味がなかった。当時連載中だった高校野球マンガ「ドカベン」の影響によって将来は甲子園!と夢見て日々野球に励んでいた。「ドカベン」は、ずば抜けた才能を持つキャッチャーの山田太郎を擁する明訓高校野球部が強豪校を破り勝ち進んでいく物語。その山田とバッテリーを組むピッチャーはアンダースローで変化球を操りだす美少年・里中サトル。線が細くモテモテの彼は激戦の連投でヒジを痛めてしまうのだった…

西陣病院の北側、寺之内通りと廬山寺通りは良く通る細い道。この二つの通りの間には昔ながらの町家・長屋が連なっていて、まるで映画村のよう。ここのあたりの細道をジグザグと散歩するのが気に入っている。
何年か前にその辺りを散歩していた時、古い長屋の2階の簾に大きく書かれた「はり灸」の文字が目に入った。

蘇る記憶…「ドカベン」の里中サトルがヒジを痛め、様々な治療の末にたどり着いた「はり灸」によって奇跡の復活を果たし「サトルボール」という魔球を生み出したのだった。(うろ覚え)
「はり」と「お灸」?小学生当時はその恐ろしい治療法に驚愕したが、今ならわかる「効きそう!」だと。

そして今は各所調子が悪くなった時にこのはり灸・真陽堂さんに施術してもらっている。結果は「癖になる程、気持ち良い!」
そろそろ「サトルボール」も投げられるようになるはずである。

小川 櫻時

映像監督 小川 櫻時

長年様々な映像をを作る仕事をしています。東京、沖縄を経て2015年から京都市在住。近年は、クラフト作家や様々な手仕事をする人々にフォーカスした映像を制作・発表しています。映像空間演出ユニット「SAKKAKU」としても活動しています。

2021.08.27
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小さな頃から「よそ見しないで歩きなさい」とよく言われていた。

京都に住むようになってからも、電柱に激突したことが三度ほどある。電柱脇のお店から飛び出して来たおばちゃんに渡された冷たいタオルを血で赤くした。あまりに良くぶつかるので、当時付き合っていた彼女に掴まって歩くように言われた。

私が生まれ育ったのはいわゆる東京の下町だが、幼稚園へは車で30分かけて送ってもらっていた。小学校は電車で40分だった。中高は電車で50分。大学は電車で2時間半を通った。

当時の生活空間を並べてみる。
[ 家⇔(徒歩10分)⇔駅⇔(電車)⇔駅⇔(徒歩10分)⇔小/中/高/大 ]

地元空間に接触している時間は1日約20分。地元で胸おどる何かが起こるには、アニメ1話分よりも短い時間に期待するしかなかった。もちろん何もなかった。

その後京都の大学に編入し今に至る訳だが、日常生活は徒歩で完結出来る範囲に収まっている。生活機能面だけではなく、魅力的なお店、歴史的な遺構。川が流れ、山に囲まれた地形。偶然すれ違う知人たち、通りの間隔なども心地良く、先が気になって仕方がない「細い道」がそこかしこに伸びているので退屈しない。

これらはつまり徒歩を前提とした「人間のスケール」でまちが形どられているという事なのだと思う。

平安京はおよそ東西4.5km、南北5.2km。平城京はおよそ東西4.3km、南北4.8kmだったそうだ。一般的に人の歩行速度は時速4.8kmと言われているので、まっすぐ歩けば一時間前後で端から端まで歩けてしまう。
西陣を含む上京区を東西に貫く「今出川通」は、東の鴨川から西の北野白梅町まで約3.8km。

歩くと約50分。これくらいがちょうどいいのかもしれない。

ちなみに首都圏の平均通勤時間も約50分だそうだ。

飯髙克昌

特定非営利活動法人 ANEWAL Gallery 飯髙克昌

代表理事/アートディレクター。 都市計画・建築設計を学んだ後、設計事務所勤務を経て2004年 ANEWAL Gallery設立。”外に出るギャラリー”をコンセプトに通り、路地、地下道、廃屋から重要文化財まで都市の様々な空間で文化・芸術と地域・公共を繋ぐ活動を展開している。