西陣にまつわる
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12/22

西陣にまつわる人々が、綴るコラムCOLUMN

2021.06.24
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ここ最近私は中華料理に情熱を注いでいる。
中華料理に関心が湧くにつれ自然と中華料理店が目につくことが増える。
そして気がつく、西陣は意外に中華料理店が多い。(森の想像より)

 

本格的な中華料理屋から地元のおばちゃんが切り盛りしているようなローカルな店まで。
それらを後押しするかのように千本中立売を下ったところには中華食材専門店すらあるほどだ。最近の感動は、外装は中華に見えない中華麺のお店が思いの外、本格的で美味しかったことである。

 

あそこの餃子が美味しかっただの、定食がよかっただの。
中華料理店を比較して巡ることに喜びを覚えている。
西陣中華料理開拓家の称号を我が物にする日はそう遠くないだろう。

 

テーマに沿って西陣を深掘りすることの楽しさを皆にも広げていきたい。

 

おすすめの中華教えてください!

 

森 風渡

風とCOFFEEオーナー 森 風渡

2020年10月に"風とCOFFEE"を西陣京極にオープン。コーヒー屋には不向きとされる入り組んだ路地奥にて自家焙煎を行う傍ら、京都で1番ディープな路地(自称)である西陣京極に新たな風を吹かせるべく奮闘中。

2021.06.23
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「脈々と受け継がれる」という表現について。
たとえば西陣織も、脈々と受け継がれてきたものの1つでしょう。

「脈々」の脈は脈打つ人。私はそのときそこに生きていた人ひとりひとりの声や姿を想像するのです。決して名を残した人だけではなく、過去の多数の人々の微小な影響同士が作用しあって、歴史は今に至ると思うからです。

私が「人がただ在ることの価値」を感じるのは、それと似ている気がします。

「あなたがこの時ここにいる」ことは、名前のつかない結果がそこに生まれているということだと思います。即効性がないので見えにくいのですが、実はみんな、その名前のつかない結果の連続を生きているのではないかと思います。自分の力で何かを生み出そうとしなくても、結果は自然に発生しているのだと。

人が存在するということは、複雑で、混沌としていて、それが時に交差して流れて離れて…なんというダイナミクス!日々超すごいことが起こっている!と思います。
脈々の中に、確かに自分がいることも。

いるだけでええやんと人には言っておきながら、ついつい役割や肩書きに依ってしまい情けないときに、自分自身が立ち戻れるようこうして文章にしておくこの頃です。

狭間明日実

バザールカフェ店員 狭間明日実

バザールカフェ事務局6年目。日々の営みをとおして、場から起こるもの、個人がのびのびと生きることなどを考えています。 傍らで、地域、福祉、食べることにまつわるいろんな仕事や遊びをしています。 同志社大学社会福祉学科卒業。社会福祉士。海が好き。

2021.06.22
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建築のような大きな工作物から時計などの細かなものづくりの現場には、それぞれの仕事ごとに身につく“寸法感覚”があり、それを《基準精度》と言います。手作りの和眼鏡であれば精度は1/1000ミリに迫ります。一般的な汎用工作機械がおよそ2/100ミリですから、手作りの精度は一桁高いところにあります。ところが一生懸命作っても「まるで機械で作ったみたいだ」などと評されるのですから可笑しなものです。

さて、この精度は眼鏡の耐久性に深く関わります。精度が高いほど歪みの発生も小さく抑えられるので寿命も長いものです。私の工房にメンテナンスで里帰りするものは、十数年経過したものも多く、今後もさらに10年20年と使われ続けるものになるでしょう。

ところで“精度”は作り手にとっては何を意味するのでしょうか。自分にとって“精度”へのこだわりは、作り手が表現したいものを人(※自分も含める)に正しく伝えるためにあると考えています。作り手がいかに感性が高く美しいものをイメージ出来ても、それを正しく制作できなくては人には伝わりません。その表現へのこだわりこそが“精度”へのあり方なのだと。自分が美しいと感じる線に1/1000ミリにまで迫りたい。それはとりもなおさず自分を信じ、自分を大切にする取り組みなのです。

山ノ瀬亮胤

眼鏡制作者・現代美術家・ソシエテヌーベルリュネト視覚研究所々長 山ノ瀬亮胤

京都市上京区在住。眼鏡制作者・現代美術家・ソシエテヌーベルリュネト視覚研究所々長。芸術~工芸に拡がる独自分野の構築で国内外より評価され欧州ハプスブルグ家御用達。マスメディアでの出演・取材多数。豊かな江戸庶民文化と職人の心を紹介している。

2021.06.21
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僕は銭湯とgoogle mapが大好き。
なので知らない土地に行く時は絶対にgoogle mapで「銭湯」検索する。
大体「近い!」とか「よさそう〜」みたいな感じで出てくることが多くて、タイミングあえば旅先でも散歩中でもお風呂に入りにいくことが多い。行きつけの銭湯もいいけど、知らない街の銭湯もすごく好きなんです。だってそこに住んでる人の生活がダダ漏れなんですもの。
地元の人たちの会話は楽しくて、住んでるって感じがします。
西陣で銭湯と言えば船岡温泉が有名なんですが、個人的には明治湯をおすすめしたい。
鞍馬口通りから智恵光院通をすこし下がったあたりにあるんですが、
あのね〜ちょっとした北欧なんですよ。浴槽内が。
全体的に清潔に掃除されていて、シンプルな浴槽に壁の水色のコントラスト。
タイルなんてピカピカだぜ。
アキカウリスマキの世界に入り込んだみたい。
夫婦やカップルで行く場合は待ち合わせスペースがないので、番台のおばちゃんに出たことを伝言するのがおすすめ。

小野友資

Y小 小野友資

2007年より1-10に参加、モーションデザイナーとしてウェブサイトからデジタルサイネージまで様々なフィールドに渡る制作に関わる。在籍中の2013年個人活動としてYUYBOOKSオープン。本をコミュニケーションツールとし、企画やデジタル作品を展開。2016年よりデジタルの活動をフリーランスへ。デジタルつかってアナログなもの集めています。

2021.06.20
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まちの景色は、時代とともに変わっていく。約3年前のこと、千本今出川の交差点に立ち並んだ老舗、アオタニ文具店とミヨシ堂時計店が建て壊され、煌々と明るいコンビニに変わってしまった時は、勝手ながらもやはりショックだった。高くそびえたった壁に、古い大きな時計があるのが好きだったし、千本今出川のシンボルだった。この機会に調べてみると、昭和4(1929)年に建てられ、京都市文化局によって「京都を彩る建物や庭園」に認定されていたらしい。文化財保護課のページに残っていたのだ。これは知らなかった!

景観を大事にする京都で、重要な建物が建て壊されたり、専門店が廃れていく様子を見るのはさみしい。役割をコンビニや100均に取って代わられる。

個人的に南から北へ千本通りを上がることが多いため、家のすぐ手前にあるその時計でいつも時間を確認していたことも大きかった。せめて名残として、新しく建つ建物の壁にも時計をつけてくれとひそかに願った。同じように願う地元民からの要請があったのかもしれない。今はセブンイレブンの壁で新しい時計が、西陣の時を刻んでいる。

※手持ちの写真がなかったので、気になる方は千本今出川へ、おこしやす。

龍田 春奈

咲里畑 届けびと 龍田 春奈

1993年京都生まれ。西陣育ち。京都市西京区大原野「咲里畑」にて、季節の多品目の野菜、ハーブ、エディブルフラワーを、農薬や化学肥料を使わず育て、販売している。農ある暮らしの中に感じる豊かさを、人に届けることに喜びを見出しています。

2021.06.19
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ステイ・ホームばかりだと運動不足になるので、気分転換も兼ね、梅雨の晴れ間には、たまに自転車で少し遠くまで走っています。前に生活していた東京の下町と似て、自転車移動のラクチンなところは、京都に親しみを感じる理由のひとつ。ただし、すごーくアバウトな比較をすると、巨大な碁盤の目のような京都の街は、全体が北に向かって緩やかな上りの斜面になっているので、その点、どこまで行ってもフラットな東京の下町とは大きく違いますね。さらに市街地は、西陣エリアの辺りまでくると、千本通の方角に向かっても、緩やかな上り坂になっている。自転車なら、軽かったり重かったりするペダルの踏み心地の変化で、そんな街中の微妙なアップダウン事情を、運動しながら自然に体感できます(ダイエット効果はビミョーですけど)。さて上の写真は、大黒町のお寺の塀に自転車を止めて撮影したもの。「瓦土塀」と呼ぶそうで、美観だけでなく、瓦が雨水を弾いて、土壁の強度が下がらない効果もあるとか。写真では右方向が千本通で、塀の下部にある石の幅に注目すると、そちらへと進むにつれ、だんだんと狭くなっていて、道がわずかに傾斜しているのがわかります。

曽我高明

ANEWAL Gallery現代美術製作所 ディレクター 曽我高明

東京の下町・墨田区の向島で、長年展覧会やアートプロジェクトに取り組んできました。縁あって2017年より上京区に拠点を移し、ANEWAL Gallery 現代美術製作所(通称:現代美術製作所)をオープン。ゆるいペースで様々な活動をしています。

2021.06.18
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かつて不摂生を繰り返し、体重が120キロ近くまで増えるなど、健康から程遠い生活を送っていた私も、今はすっかり改心して、「地域介護予防推進センター長」という肩書きに恥じぬよう、運動・栄養・社会参加を心がけた毎日を過ごしています。

今の肩書きを得て3年目に入りましたが、この間ずっと、自宅から職場まで、片道徒歩45分の道のりを歩いて帰ることを日課にしています。

路地を通って町家群を眺めたり、商店街をブラブラ覗いたり、いろんなルートを試した結果、最近は初心にかえってと言いますか、何だかんだ言って堀川遊歩道を歩くのが好きです。

夕暮れの堀川遊歩道は、せせらぎの音も心地よく、いくら歩いても飽きることがありません。

最近はすっかり暑くなり、日中出歩くのは億劫ですが、夕方以降は適度に風も吹いて、気持ちよく歩くことができます。
堀川丸太町の交差点を下から見上げると、イズミヤとオメガのイルミネーションが輝いて、なかなかの夜景が堪能できます。

毎週水曜日には「あじさい会」という自主グループの方々が、堀川遊歩道でノルディックウォークを楽しんでおられます。
そんなに人も多くないので、機会があれば、ぜひ散策してみてください。

中島慶行

京都市小川特別養護老人ホーム 施設長 中島慶行

立命館大学大学院社会学研究科博士前期課程修了。 2009年より2年間、京都市小川特別養護老人ホーム副施設長兼京都市上京区地域介護予防推進センター長を務めたあと、伏見区の施設に異動。 2019年、京都市小川特別養護老人ホーム施設長兼京都市上京区地域介護予防推進センター長として復帰。 銭湯と牛乳とじゃこ天が好きです。

2021.06.17
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「西陣」とは、いったいどこを指す地名なのだろう。公式の住所としては、「西陣」という地名は存在しない。そこで、試しに名前に「西陣」とつく法人(会社や組合など)の分布を調べてみた。もちろん、京都以外にも西陣を名乗る法人はいくらでもあるので、あくまで参考程度である。

もっとも「西陣」法人が集まるのは、上京区の中でも西陣、桃薗、乾隆、嘉楽の4学区を中心とするエリアである。これは多くの人の実感とも一致するのではないだろうか。そのほか、周辺の学区や上京区外にも「西陣」法人が点在する。

この地図の範囲外にも「西陣」法人は多く存在する。元々西陣にあった企業が移転したものもあれば、「西陣」ブランドにあやかったものもあるだろう。北は北海道中標津町から南は宮崎県宮崎市まで、その数は143件に及ぶ(一部閉鎖したものを含む)。「有限会社西陣」だけで14も同名の法人があるのだから驚きだ。

「西陣」は地名ではあるが、それは「ここからここまで」と線を引けるようなものではない。「西陣」とは、そこに関わるヒトやモノの総体を指すのではないか。そう、きっとあなたもこのサイトに訪れることで、ちょっとばかり「西陣」になっているのだ。

重永瞬

京都大学文学部地理学専修 重永瞬

地図とまち歩きが好きな大学生。“西陣の端っこ”(お隣?)仁和学区で生まれ育つ。大学で地理学を学ぶかたわら、まち歩き団体「まいまい京都」でスタッフとガイドを務める。なんでもない街角の記憶を掘り起こしたい。古本とラーメンが好き。

2021.06.16
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近ごろ日中ほんまに暑いですね、、スーツではなく、半袖短パンサンダル!でいたいところです。
真夏の熱帯夜と違いまだ夜は涼しく、写真を取りに行った日はひんやりとした風が吹いていてとっても心地よかったです。
今日は千本通。千本通は夜も明るいです。幼い頃車窓から見た風景、両端にずっと続く街頭の数に驚いた覚えがあります。今でも深夜の”しん”っと静まり返った千本通が好きです。静かだからこそ、『平安京の栄えていた時代、西陣織で栄えていた時代があったんだよなぁ。どんな感じだったんだろう』とその当時を想像しやすいなぁと思います。日中とは打って変わって人の気配をあまり感じない時間帯に西陣を歩いてみるとまた違った視点で見えてくるもの・想像できるもの・感じられることが増えそうでわくわくした夜でした。また違う場所を歩いてみます。

淀谷斉加

商店街盛り上げ隊! 代表 淀谷斉加

京都生まれの22才。西陣在住。 歴史や着物が好きで食べることが大好き。 将来はまち歩きをしながら京都の魅力を発信したい。 ひとことでは伝えられない魅力を持つ奥深い西陣をエピソードなど含めながらお伝えしていければと思っています♫

2021.06.15
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今回は眼鏡だけに、ものづくりにおける“手”ではなく“目”に注目してお話しします。
まず仕事を習い始めて1番戸惑った事はスケール感でした。1ミリ以下の精度を求められる眼鏡作りと今までの学生時代のものづくりとの精度のギャップに慣れるまでに時間がかかった事を覚えています。
師匠は良く“目が育つ”という言葉を使うのですが、細かい仕事にはそれに合った目を持たなくては仕事になりません。出来てる、見えてると思っていても、師匠から指摘を受けると自分が全然見えて無かった事に愕然とすることが今でもあります。当たり前ですがどんなに技術があっても良く見えてなければ良いものは絶対に出来ません。いつも師匠の目(=精度)が欲しいなと思ってしまいます。さらに眼鏡を作る上で視力とレンズについての知識も必須となります。特にオートクチュールでご注文を頂いた場合はお客様の視力を反映してフレームの型やデザインを考えなければなりません。まさかものづくりの仕事に就いて視力検査が出来るようになるとは思ってもみませんでした。
目が見える事の認識がだいぶ変わったように思います。
皆さまも“目”を大切にして下さい。

山本萌加

Société Nouvelles Lunetts 視覚研究所 主任研究員 山本萌加

武蔵野美術大学(工芸デザイン学科木工専攻)卒業後、眼鏡制作者七代目山ノ瀬氏に弟子入り。眼鏡制作の修行と、師と共に眼鏡ブランド〝Société Nouvelles Lunetts 視覚研究所〝の主任研究員てしてお店を運営しています。