第3回
思い出の西陣映画館
Written by 益田雪景
*:西陣と言えば「 」!
皆さんは「西陣」という地名を聞くと何が思い浮かびますか。
おそらくほとんどの方は「西陣織」だと思います。
もしかすると、歴史好きな方なら「西陣」という地名がつくきっかけにもなった室町時代中期の応仁の乱を思い浮かべているかもしれません。
ただ今回のテーマは西陣織のような伝統工芸でもなく、応仁の乱のような歴史でもありません。
ズバリ「映画館」です!
といっても「ん?映画館?」となる方がほとんどだと思いますが、この記事を最後まで読んでいただければ分かっていただけると思います。
今回は、上京ちず部部長の石崎さんに情報をいただきながら記事を作成しました!
それでは西陣と映画館にどのような関係があるのかみていきましょう!
*映画の街「西陣」
参考文献・上京区文化振興会・上京区役所、1992、『上京・史蹟と文化』第2号
ここで、いきなりですが衝撃の事実をお伝えしなくてはなりません。
先程、今回のテーマは映画館だと書いたのですが、実は西陣で現在でも上映しているのは1館しかありません。
それでも、「西陣キネマ」「千中劇場」「西陣大映」「西陣東映」など、かつては30館近くの劇場や映画館が西陣一帯に存在し、京都の中では新京極に次ぐ興行街だったと言われています。
また、劇場跡のほとんどは、今になっても西陣の街並みの中に溶け込み、かつての賑わいを思い起こさせてくれます。
続いては、実際に西陣の映画館に通っていた方のお話を元に、かつての賑わいがどのようなものであったのか、当時の西陣の光景を蘇らせられたらと思います。
ぜひお楽しみください。
*思い出の西陣映画館
昭和十年よりも前の時代の娯楽と言ったら何があるんでしょうか。
今であれば、サブスクで映画にドラマ、そしてアニメを鑑賞したり、テレビをつけてプロスポーツを観戦したり、スマートフォンを用いてゲームをしたり、などなど、全て体験するには人生を何周もしないといけないくらいの量の娯楽で生活は溢れていますよね。
しかし、当時の娯楽といえば「映画」くらいしかありませんでした。
映画といえば……そうです。
映画を主とした興行街としても栄えていたのが西陣です。
「西陣と映画館っていっても、ただ西陣に映画館があって人が集まっていただけでしょ?」と思う方もいるかもしれませんが、今と昔の映画館、あるいは映画館のある場所の様子はかなり違うようなんです。
それではかつての西陣はどのような興行街だったのかみていきましょう!
先述した通り、かつて西陣一帯には30館ほどの劇場や映画館があり、かなりの賑わいがあったそうです。
例えば、映画館には鮮やかな大看板が掲げられていて、興行街の道の辻々にはチンドン屋と呼ばれる請負広告業者がいたそうです。また、当時の映画は今と少し違って、連続ものが多かったらしく、気になる映画の続きを鑑賞するために毎週のように映画館に通っていたとかいないとか……。
西陣にある映画館をはしごする人もいたそうです。
加えて、当時の映画は無声映画だったため、劇場内には内容説明役の弁士やB G Mを演奏する楽団もいました。
今とは大違いですよね。もし叶うならば、当時の西陣にタイムスリップして、映画館めぐりをしてみると良いかもしれません!
このように西陣の映画館と言っても、今の映画館とは異なる様子で賑わっていました。
当時の西陣の光景を蘇らせることはできていましたでしょうか。
色とりどりの活気があふれる興行街としての「西陣」が伝わっていれば幸いです。
*西陣と言えば「映画館」!
今回は西陣の魅力を映画館という視点からお伝えしました。
この記事を読んだ後に、西陣の新しい楽しみ方を発見していただけていれば嬉しく思います。
そして、ご自身の足で映画館劇場跡を体感していただける機会が5月にあります!
それがこちら!
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けふの西陣まち歩き - 映画館劇場と京町家を辿る旅 -
だいぶ前に劇場でなくなった場所でも、そこに劇場があったんだとわかる痕跡が残っています。
そして、現在同じように少なくなってきているのが町家の建物です。
町家は表から見るだけでもいつ頃に建てられたものなのかがわかるそう。
そんな、いつかの西陣の痕跡を一緒に探しに行きませんか?
■5月5日(水)10:00~12:30
■参加費:2000円
■イヤフォンをご持参ください。
■行程
10:00 ローソン千本一条店前 集合
12:00 KéFU着
■お申し込み
https://forms.gle/zSWNqkT3W85FwK119
■お問い合わせ
KéFU stay&lounge
075-748-0456
info@ke-fu.jp(担当:横山)
〈コロナ感染対策にご協力お願いいたします〉
・当日、発熱や体調不良がみられる場合、ご参加をご遠慮いただけますようよろしくお願いいたします。
・マスクの着用をお願いします。
・アルコールスプレーをお持ちいたしますので、都度の手指の消毒にご協力ください。
・密にならないよう、音声ガイドを導入予定です。イヤフォンをお持ちください。
ガイドはこちらのお二人
●石﨑立矢さん(上京ちず部 部長)
転勤族の会社員(ライター)。2002年から千本通沿いで暮らす。古い建物や、まちのあちこちにある「痕跡」が大好き。丹後や滋賀でもまち歩きツアーを企画。まいまい京都でもガイドを務める。
●冨家裕久さん(京町家なんでも応援団団長)
一級建築士。冨家建築設計事務所代表。住宅・店舗設計だけでなく、京町家や古民家の耐震改修や活用提案なども得意とする。京都市文化財マネージャー(建造物)。京町家なんでも応援団団長。実は、織屋のぼん。まいまい京都でもガイドを務める。
ご参加お待ちしております!
まち歩きの様子も記事に掲載させていただく予定です。
以上、長くなってしまいましたが、最後までお読みいただきありがとうございました!