第6回
みゃーこ湯のトタンくん
スケラッコ 著
新年あけましておめでとうございます。
・・・なんて言うのも憚られるくらいにこちらの更新が遅れてしまいました。今年の年末年始は、各地での大雪もあり、大変な方も多かったのではと思います。わたしは年末ぎりぎりまで百貨店での古書市に参加して、大晦日から数年ぶりの帰省をして実家でのんびり過ごしました。
自宅のある西陣は、北野天満宮が近いこともあって、12月25日の終い天神に始まり年末年始はお詣りの方で大賑わい。わたしの店では毎年、12月にしめ飾りの販売やしめ飾り作りのワークショップを行っており、今年も無事に、玄関に手作りのしめ飾りを飾って新年を迎えることができました。今月は商売人必須!の十日ゑびすがありましたし、来月は節分、そしてそうこうしているうちに桜の季節、と引き続きコロナは心配ですが、京都は賑やかな季節が続きます。
また当店は古書店ですので、年末年始の大掃除シーズンは買取りラッシュの時期でもあります。わたしも年末から連日買取りに走り回っています(とてもとてもありがたいのです…関西圏どこでも伺いますので蔵書整理の際はご相談くださいませ…!)。すっきりしたお部屋と本棚で、また新たな気持ちで迎える一年のお手伝いができているかと思うとわたしも心が晴れ晴れするような気がします。
店を毎日開けるということは、わたしのルーティンであり、誰かのルーティンの一部かもしれないということ。そしてその一方で、誰かにとっての特別な時間になるかもしれないということ。新年を迎えて、改めてそんなことを考えます。派手なことは何もなくても、店では毎日違う一日が過ぎ、常連さんだったり、もしかしたらたった一回のふれあいになるかもしれない方だったりと本のやりとりをする。もちろんわたしにとって店をすることは仕事であり生きることでもありますが、ときどきはっとするようなお客さんの言葉に出会ったり、誰かの元にあった本がまた新しい誰かの元へ旅立つお手伝いができたりする日々は、すごく貴重でありがたい力となっているなあと思います。
今回紹介するのは、京都在住の漫画家、スケラッコさんの新作『みゃーこ湯のトタンくん』発行元のミシマ社さんも京都と東京に拠点を持つ出版社です。
ネコの街の銭湯「みゃーこ湯」の店主トタンくんと、そこに紛れ込んだ街で唯一の人間ハラさん、そしてそこを訪れる個性豊かな登場ネコたちの物語。毎日同じように風呂掃除をして同じように湯を沸かし、気持ちと店を開いて同じ清潔さと温かさでお客さんを迎える。それは一見単なるルーティンのようで容易にはできないことだろうと店を営むひとりとして想像します。銭湯や地元のお祭りなど日々を楽しむネコたちが愉快で楽しく、読後もじんわり心が温まる一冊。
京都は銭湯の街でもあります。読み終えたら、ぜひ近くの銭湯へ足をのばしてみてくださいね。
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