第9回

柚木沙弥郎 Tomorrow

 

大島忠智 著

 

 

気づけば久しぶりの更新になってしまいました。KéFUのみなさんごめんなさい!
先日、お店の大幅な模様替えをしました。以前までは店内の蔵書4000冊と言っていたのですが、たぶん今は5000冊くらいあるのではないでしょうか。本の量は増えていますが、だんだん自分の店の最適解を把握できるようになってきて、今回の模様替えでだいぶ通路が広くなりました。暑い暑い毎日ですが、よかったら遊びにいらしてくださいね。

 

コロナ禍に始まったテレワークなどにより自宅で過ごす時間が増え、家の心地よさを大事にする人が増えているそうです。オンラインミーティングでの背景を彩るため、壁に飾るアート作品を購入する人もいるのだとか。古本屋のわたしが最近感じる変化と言えば、コロナではなく昨今の地震の多さを理由に、長年放置していた本を整理しようと決意される方が多いような気がします。確かに、積み上がった本棚は危険ですからね。

 

テレワークとは無縁のわたしですが、家はかなり大事。しかし本だけでなく趣味の郷土玩具や民芸品もあるのでさらにやっかいです。京都の街中としては広めの一軒家ではあるものの、ここだけの話、家一軒分などの大きな買取りが立て込み、店も倉庫もいっぱいになってしまったときには自宅の一室を占拠することもあるのでそうなるともう大変です。おだやかで素敵な暮らしに憧れます。

 

今回紹介するのは、『柚木沙弥郎 Tomorrow』という文庫本のようなサイズと佇まいも愛らしい一冊。著者はインテリアショップ、イデーのディレクターも務める大島忠智さん。味のある題字は、この本の主人公でもある染色家の柚木沙弥郎さんによるものです。

この本は、美しい工芸品を生み出す柚木さんが暮らす、柚木さんの「こういうところが好き」「これがいい」「ワクワクする」という基準で世界中から選ばれ、“ひとつひとつが大切なものばかり”が集められたご自宅に感動した著者と柚木さんとの世代を超えて、ものや美意識、生活への意識でもって生まれた交流の記録。おふたりの、自分たちだけでなく、日本全体の生活の質(単にお金をかけるという意味では決してなく)、アートへの関心を引き上げていきたいという思いに未来が明るくなるようです。

 

実はわたしも仕事柄、お客さんたちのコレクションに触れる機会が普段から多いのです。一本筋の通ったコレクションを拝見し、ひとつひとつに対する思い入れを伺うたびに、そのものたちが持つ膨大な時間とひとりの人の意識、信念に感動します。

 

「もっと自分の選択眼を持つこと。ものを選ぶということは、自分に自信を持つことなんだ」とは柚木さんの言葉。他人から見えるところだけではない豊かさを求めて選択するのは、本を読むことにも通じることじゃないかと思います。生涯大切にしたい言葉や、日常を見る目が大きく変わるような美意識に出会える一冊です。

 


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