志賀高原ビール(長野県) / サンクトガーレン(神奈川県)

志賀高原IPA Harvest Brew / FRESH HOP IPA

 

 

【山岡さん情報】

 

 

ホップの収穫時期は品種にもよりますが、概ね8月。
9月に入ると、その年に摘んだばかりのホップを使ったビールが入荷します。

 

 

ホップは、収穫してから一度乾燥させたものを使うのが主流ですが、ここ10年ほど、様々なビール会社が生の状態のホップ(フレッシュホップ)を使ったビール造りに挑戦しています。

 

 

おそらく、地ビール会社でフレッシュホップを初めて使ったのは、志賀高原ビール(赤いパッケージ)。
長野県では昭和30年代までホップ栽培が盛んでしたが、伊勢湾台風の被害で栽培が途絶えていました。
しかしその40年ほど後に、元ホップ農家から栽培方法の指導を受けて、自社でホップ栽培を始めました。
定番の志賀高原IPA。
今の時期に出るものに限り、仕込み当日に収穫したホップを乾燥させずに使用しています。

 

 

サンクトガーレン(緑のパッケージ)は、日本で初めて品種改良された“かいこがね”ホップを使用。
改良に関わった技師の娘婿のかたが品種を維持しようと、大手ビールメーカーとの契約が切れ販売先がなくなっても20年間、山梨県で栽培を続けていました。
そして10年前から、人づてに知り合ったサンクトガーレンにかいこがねホップを提供するように。

 

 

ホップ栽培は、高温多湿な場所で行うと病気が出たり枯れたりします。
志賀高原ビールの技術支援を受けながら、栽培に成功した地域が全国各地にある一方で、失敗した地域もあり、気軽にできるものでもないようです。

 

 

志賀高原ビール(玉村本店)HP
http://tamamura-honten.co.jp/
サンクトガーレンHP
https://www.sanktgallenbrewery.com/

 

 

 

【飲んだわたしの感想】

 

!青々しい香りが爽快!

 

どちらのビールも、青々しいホップの強い香りが印象的です。

 

 

志賀高原IPA Harvest Brewは、口の中に苦さはしっかりありますが、心地よいと感じる程度の苦さ。
透き通る喉ごしの中でコクのようなものも感じます。

 

 

FRESH HOP IPA(緑のパッケージ)は、苦みの主張がそこまで強くありません。
そしてドライ!!
とてもスッキリした味です。

 

ホップを乾燥させる場合、温風をあてることによって温度が上がり、苦み成分が増えます。
その工程がないフレッシュホップのビールは、同じようなレシピで4、5倍の量のホップ(乾燥させる前の)をいれても、苦みが控えめで青い香りがするという訳です。

 

同じフレッシュホップでも、品種、スタイル、レシピと、フレッシュホップならではの香りを楽しめるように各社が試行錯誤されています。
フレッシュホップビール同士の飲み比べも、おもしろいですね★