Scents of Nishijin

小雨がぱらつく月曜日の午前9時30分。

久々のお休みだから朝はゆっくり、

お散歩ついでにコーヒーをテイクアウトして

さあ家に帰ってパンを食べよう。

 

 

20232月のル・プチメックの新作は、「カカオニブとドライプラム」と「桜餡のブリオッシュ」であり、カカオニブと桜餡からバレンタインやお花見といった季節のイベントを自然と感じる新作となっている。第2回目となる今回は、パンとよく合うコーヒーを片手に西陣の町を散歩してみよう。

「カカオニブとドライプラム」

見方によって、傘の持ち手やひらがなの「つ」にみえるこちらのハード系パン。ライ麦入りの生地にカカオ豆を砕いたカカオニブとピーカンナッツ、アーモンド、そしてドライプラムが練り込んであり、2種のナッツと甘酸っぱいプラムが風味豊かなものに仕上げている。一口目と二口目で味や食感が変化し、一つのパンで私たちを楽しませてくれる。お家でできるひと工夫としてトースターで温めることによってさらに香り高く、コーヒーとの相性もバツグンだ。

 

 

「桜餡のブリオッシュ」

口に入れた瞬間、『甘い×塩っぱい』のあの最高の風味が広がる。これがまたバターや卵を豊富に使用し、ふんわりとした食感に仕上げたブリオッシュとよく合う。餡の中には桜葉の塩漬けが入っており、まさに春の匂いがするパンである。だんだんと春へと近づいてきているように、しっとりと滑らかな口触りがじわじわと伝わり、春のあたたかな光景を想像させる。一足早く開花したこのパンとアツアツのコーヒーを片手にホッと一息つけそうだ。


 

 

月曜日の午前9時30分、また一週間が始まるというのにあいにくの空模様であった。しかし、雨が降っていても自由にゆったりとお散歩をすることで、普段気がつかないような新しい発見ができる!と思い、外に出た。様々なお店が軒を並べ、西陣に住む人たちで賑わいを見せている堀川商店街。どこか懐かしみを感じるこの通りは古いものと新しいものの魅力が織り交ざる、新旧混淆の空間を楽しむことができる場所であった。ここ最近は天候に左右される日が多く、何だかパッとしない日々である。この日は雨だけでなく、風も少し吹いており肌寒く感じたため、途中で堀川新文化ビルヂングに立ち寄り、コーヒーをテイクアウトした。

 

 

いつの間にか雨が止んでいたようだ。商店街のアーケードがなくなっていたことにようやく気が付く。長いようで短いが、それぞれのお店の魅力がたくさん詰まっているため長く感じる一本の街、堀川商店街は歩く楽しさを教えてくれたような気がした。

 

 

しっとりと濡れた地面の色や、雨音が心を落ち着かせ、雨の日のお散歩で西陣の古くも新しい文化の発信地を見つけることができた。

 

 

さあコーヒーが冷めないうちにお家に帰ってパンを食べよう。雨の日の特別を感じた私だからきっと何か新しい発見があるはずだ。