第2回

ディープな商店街の最奥で

 

ーざっくりな質問ですが、【風とCOFFEE】ってどういうお店ですか?

 

見てわかる通り西陣京極っていうすごいディープな商店街の中の一番奥にあるお店です。人通りが多くて光が入って中が見えて明るい店内というのが流行るカフェのセオリーなんですけど、それが一つも入ってない、真逆を行ったらこうなったっていう店です。内装のコンセプトは、1階が地下室、2階が部屋という感じで、1階と2階の世界観が全然違います。

 

ー地下室というイメージはどこから湧いたんですか?

 

それはもうただ暗いから。(笑)

 

ーでも、この場所ですごく綺麗な明るいカフェというのも少し違う気もします。

メニューはどのようなものを出されてるんですか?

 

メニューは、だいたい4種類くらいのコーヒーが代わるがわる入ってて、あとはタイティー、カフェオレとか。別のコーヒー屋でも働いてる友達がお店に立ってるときは、カフェラテをやったりもします。デザートでアフォガートやタルト、スコーンを用意しています。広さは26.8㎡、意外と床面積広いんです。

 

 

ー風とCOFFEさんが西陣京極に移転してこられた理由はなんですか?

 

移転することになったのは、シンプルな理由なんですけど、一緒に物件を借りていたタイ料理屋さんが移転することになったんです。そのまま営業するには家賃が高くて……。コロナもあって、やめようかなとも少し思ったんですけど、そのタイミングでなんで辞めなかったのかというと、まぁなんやかんやおもろいなっていうのがあったのと、決め手は持続化給付金です。めっちゃリアルな話ですけど。タイ料理屋さんが移転するっていうのとお金が舞い降りてくるタイミングが一緒で、それだったら別の場所で続けようかな、と。

 

ーいい風が吹いてたんですね。

 

ポジティブな要素が2個ぐらい重なったらいい風やなって思いますね。

 

ー西陣京極の1番奥にコーヒー屋を開くのは勇気が入りませんでしたか?

奥まったところにあるし、人が来るかどうか不安になったりしそうだなぁと。

 

ありましたけど、それもノリみたいなところがちょっとあって。あんまよくないけど(笑)面白そうやなっていう方が大きかったです。とりあえず頑張れるでしょと思ってたし、まぁ賃料が安いっていうのもあったんですけど。

 

 

―風とCOFFEさんではよく革製品や服などとコラボしてお店でイベントをされていますよね。イベントをする狙いはなんですか。

 

なんでコラボをするかっていうと、そもそも店のコンセプトとして「◯◯とコーヒー」という感じで、コーヒーと何かを掛け合わせたものを発信していく場所にしたいなって思ってるんです。僕の中でコーヒーって主役ではあるんですけど、脇役でもあるかなと思ってて、脇役として何かと組み合わされた時に相乗効果を生むんじゃないかと。そこでいろんな組み合わせをやっていくことによって可能性がどんどん広がっていくんじゃないかなと思ってます。

 

ーおもしろいですね。

 

イベントをする意図としては、この店って立地的に駅から遠いしハードルはちょっと高いだろうけど一回は行ってみたいなという要素を作る工夫としてやってます。でも、一回来たらもういいやって二回目以降来てくれる確率ってすごい低いと思うんです。それって、一回来てもう知っちゃってるからっていうのもあるだろうから、色んな方とコラボして違う要素をどんどん加えていくことで、飽きられないようにするっていうのが狙いですね。あとは、単純に僕の好奇心的な観点もあって、それでやってるっていう形です。

 

ーお店にもアート作品が多いですが、やはりお好きなんですか?

 

そうですね、家に飾ってるかと言われたらそこまでではないんですが、お店に馴染むものは取り入れてます。コラボしてきた中で絵を描いてる方とお話ししてみて、それぞれの感性やスタンスの違いを知れたのも興味深かったです。

 

ーこれからのイベントも楽しみです!

 

 

ーあそこのお店まだちょっと手届いてないんだけど、もし知り合えたらいいなぁというお店はありますか?

 

お菓子屋さんです!コーヒー屋との繋がりや飲食店界隈との繋がりがあんまりなくて、お菓子屋さんと繋がれれば、ゲストハウスを巻き込んだイベントの時などに、一緒に色々できるんじゃないかなって。僕、コーヒー屋の知り合い本当にいないんですよ。

 

ー風とCOFFEEさん、すごい対外的な取り組みをされているので、他のコーヒー屋の方も「あそこ踏み込んでいいかな?」みたいな印象になってるんじゃないかなって勝手に思ってるんです。これをうまいこと発信できたらいいなって勝手に思ってます。

 

結構年配の人がやってると思われてたりもしますよ。
コラボをしてるからコーヒーは疎かなんでしょっていう方向になっちゃったら良くないかなっていうのは思いますね。コラボしてるけど、コーヒーも本格的なんだよというイメージは持ってほしいです。コーヒーを専門店とする上では「うわ!これほんまにコーヒー!?うっま!」とか「うわ!これあっっま!」みたいな新しいものが出したくて、そのためには最先端の精製方法とか、品種改良された種類の豆が必要だと思っていて、今は後手になっちゃってるけど、どんどん先取的に取り組んでいって自分も感動したいし、味という観点で感動させられるようにしたいですね。

 

 

編集:横山 恵