朝から良い酔いほどよく/佐々木酒造酒蔵見学レポート
京都の酒蔵といえば伏見と答える人が多いだろう。しかし、ここ西陣に洛中唯一の酒蔵があることはご存知だろうか。 【佐々木酒造】1893年創業の老舗酒蔵である。創業当時は洛中にも100軒以上の酒蔵があったそうだが、伏見に移転し […]
西陣にまつわる
人々による
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この西陣には、有名な歴史上の人物ゆかりの場所が数多く残っている。お寺へ行けばその名を目にし、聚楽第の外堀や井戸、お土居などが今も住宅街の中に息づいている。教科書の中の出来事にも生活があったのだと感じることができる。
こうした歴史を丁寧にめぐるのも、この街の楽しみ方のひとつだと思う。ただ、正直言うと、私はそこまで歴史に詳しくない。
だから今回は、もう少し気楽な方法でこの街を楽しむ話をしたい。ある意味、京都らしい方法だ。
まずは、スマートフォンを取り出す。できればモバイルバッテリーもあると安心だ。たくさん歩くので、履きなれたスニーカーも用意しておきたい。
そして、『Pokémon GO』のアプリを開く。
これだけだ。
画面にはポケストップというモニュメントがいくつも表示される。『Pokémon GO』のフィールドは現実世界と連動しているので、ポケストップを頼りに、ただ歩いて、タップする。
それだけで、街の見え方が変わる。Googleマップには載らないような場所が、妙に丁寧に拾われているからだ。
例えば、KéFU stay&loungeの近くには、「弘法大師が掘った井戸」というスポットがある。長年住んでいても「そうなの!?」と思うような場所が、普通に混ざっている。
もちろん、有名な観光地にもポケストップはある。金閣寺や清水寺といった誰もが知る場所
のギフトはなんとなく特別な気がして、スタンプラリーのように集めるのも、ひとつの楽しみ方だ。
京都に限らず、どこかへ出かけたときにこのアプリを開いてみると、その街の見え方が少し変わるかもしれない。
ただし、ひとつだけ注意がある。
画面を見てばかりいると、目の前の街を見落とす。
ほどよく使いながら、街そのものを楽しみたい。
日差しがあたたかい。一条戻り橋の河津桜は、もう葉が目立ち始めている。
一条通りを東に歩き、お店が見えると、正面ではなくあえて駐車場側から敷地に入る。小道を抜けると、空間がふっと開き、美しい庭園とテラス席が現れた。
ここは虎屋茶寮 京都一条店。黒を基調としたインテリアに静かな店内。落ち着いている雰囲気の中で、店員さんたちはテキパキと動いている。テラス席に座りたいことを伝え案内してもらう。
「少し寒いので」とブランケットとお茶を持ってきてくれた。「注文がお決まりになりましたらお呼びください」と離れようとする店員さんを呼び止める。
今日は3月16日。この時期の注文は決まっている、よもぎ餅だ。
虎屋のよもぎ餅は、この時期だけ、一部の店舗でしか食べられない。
二年前、お汁粉目当てで訪れたとき、期間限定の文字を見つけ、注文しないわけにはいかなかった。それからは河津桜が咲き始めると、まだかまだかと待ちわびてしまう。
よもぎ餅が席に届くと、まずは一緒に注文した玉露に湯を注ぐ。
茶を蒸らしている間に、よもぎ餅をひとつ。ゆっくり焼かれているのだろう。餅がとろりとして、こし餡と口の中でやわらかく混ざり合う。添えられた桜湯をひと口含み、ゆっくりと深呼吸をする。
よもぎと桜の香りで口いっぱいに春を感じる。この瞬間がとても好きだ。
続けて玉露を飲み、濃厚な旨味に思わずしばらく言葉を失う。これがいつもの流れだ。
暖冬とはいえ京都の冬はとても冷える。
三月に入ると、少しのあたたかさとともに花粉が春の訪れを知らせる。
花粉症になってからは春が恨めしいものになっていたが、本来は全ての生物が動き出すような香りが好きだった。それを思い出させてくれるのが、虎屋のよもぎ餅だ。春のあいだに、もう一度食べに来ようと思う。
1月1日、仕事のために外に出てみると、いつも静かな西陣の街が、さらにしんと静まり返っていた。寒い中でも元気に自転車を走らせている学生の姿も、スーパーの前で井戸端会議をするおば様たちの姿も見当たらず、一人この世界に取り残されたかのような気持ちで歩いた。
お正月になると人混みで進めなくなる観光地の京都とは違う、生活の匂いがするこの静けさが、私はけっこう好きだ。
すぐに答えが出ないものを、ゆっくり眺めるのが好きになったのは、この街に来てからだ。ここ3年くらいでフィルムカメラを撮るようになった。スマートフォンやデジタルカメラで撮るよりもずっと慎重に、しかし案外大胆に撮っていくのが楽しい。ハーフカメラのため、36枚フィルムでも72枚撮ることになる。下手をすると撮り始めてから現像までに半年くらいかかってしまうこともある。
半年前にカメラ越しに見たものは、思っていたよりも普通の景色で、SNSなどで公開するほどのものでもない。しかし、そのときの私は「なんかいいなぁ」と思ったのだろう。
この街に住み始めて7年。古い家がなくなり、お店の顔ぶれが変わるなど、多少の変化はある。それでも、いつも散歩している犬と出会うことや、毎年同じ順番に咲く交差点の桜、競うようにイルミネーションを飾る三軒の住宅などは、私にとってのなんかいい西陣の風景だ。
誰にとっても、この街には「自分だけの風景」があるのだろう。
街に住む人それぞれの風景を、このオサノートを通じて少しでも教えてもらえると嬉しい。
新年のご挨拶が遅くなりました。
皆さま、明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。
去年のお正月は雪が降っていたように記憶している。年を重ねるごとに月日の経つのが早く感じると言うが、30歳を超えてからそれを実感することが多くなった。また、年齢は関係ないかもしれないが、「興味をもつ」ということに鈍感になってしまっていることが、自分に対して一番危惧していることだ。これまで経験をしてきた中で、これをやるにはこれくらいのパワーを使うな、今の頭の容量じゃこれ以上の情報を入れるのは無理だな、というのがわかってきたために興味を持つ前に自らセーブをかけてしまう。それが正しいのだろうが、全くの余力がないというのは情報を循環させるためにはよくないことだ。ローカルメディアを運営するものとして、頭の中は常に新鮮な状態にしておきたい。なので今年の抱負は「余力をつくる」。余力をつくることでオサノートも循環させられる気がする。
そんな矢先に新店舗オープンの話が決まり、またしばらくはバタバタしそうなのだが。
今年も120%で頑張ろうと腹をくくった一年のはじまり。
このコラムは、【西陣】についてのことなら何を書いてもらってもいいとお伝えしています。おすすめのお店や風景、文化、日常生活など、様々なことを皆さんに発信していただいているのですが、まもなく1年も経つとネタが尽きてきているようで、「困った」という声をよく耳にします。今後の運営について対策を考えつつ、私は一つの秘策を思いつきました。
コラムのネタを他の人のコラムの中から探す。これがなかなか皆さんのコラムを読んでいると、気になるお店が出てきたり、コメントを残したくなったりするもので、先月の宇野さんのコラムに出てきた「知り合いのタルト屋さん」というワードが気になり、宇野さんに「知り合いのタルト屋さん」の正体をお聞きしました。
そして、行ってきました【le murmure(ミュルミュール)】。
寺之内通小川通下るに位置するシンプルで洗練されたお店。私が行った頃には何人か並ばれていて、列に入りながら綺麗に並べられたお菓子を覗き込み心を躍らせます。タルトをはじめ、フィナンシェ、パウンドケーキ、シフォンなどドゥミセックを得意としたお店なのかな、と感じるラインナップ。味もたくさんあり、カウンターを行ったり来たりしながら、7種類ほどのお菓子を購入。一人一人への接客を大変丁寧にされていて、私も見習わなければと背筋を伸ばして帰ってきました。
家でハーブティーを淹れ、早速いただきます。
ちょっと衝撃。どれもすごく美味しいのだけど、特にフィナンシェの美味しさに驚きました。これは皆さんに食べてほしい。季節もののタルトタタンも絶品です。
コラムから新しいお気に入りを見つけてしまいました。これから人へのお土産はここにしよう。
宇野さんありがとうございます!
今日の京都は雪。
リレーコラムはお休みです。
あけましておめでとうございます。2022年も、もう5日が経ちました。宿泊施設で働いているため、年末年始はいつも以上に忙しい日々を過ごしておりました。西陣ではお正月に開いているお店が珍しいようで、ご近所の方がいらっしゃることが多く、お店に立ちながら新年のご挨拶ができることを嬉しく感じています。
昨日やっと今年の目標などを考える時間ができたので、仕事以外でやりたいことなどを書き出してみました。
◆キックボクシングをはじめたい
◆バイクの免許をとりたい
今年はワイルドな年になりそうです。笑
オサノートでは、サイトの中身をもっと充実させてより多くの方に知っていただけるように動いていきたいと思っています。
コラムニストの皆さんの今年の目標なども聞けるのが楽しみです。
どうぞ今年もよろしくお願いいたします。
写真は、仕事の合間に北野天満宮へ新年のご挨拶に行った時の写真。
毎年この時期になると1年経つのが早いなぁなんて言っていますが、今年は特に駆け抜けるような1年だった気がします。オサノートを立ち上げ、KéFUのカフェ2号店を東京東村山にオープンし、そしてありがたいことにお店のお客様も少しずつ増えてきています。個人的には町家に引っ越しもして、ちょうど今の時期は隙間風に震えながら京都での暮らしを実感しているところです。メディアをやっていると、取材をするだけでなく取材をしていただくことも増え、人前で話すことが苦手な私にとっては試練の年でもありました。
たくさんの方が関わってくださっているこのメディア、当初は毎日更新など続くだろうかとも思いましたが、コラムニストの方々が本当に頑張ってくださっていて、4月からほぼ毎日休むことなく更新を続けられています。「西陣」というキーワードでここまでの方に参加していただけるなんて、ポテンシャルの高い街だと心から感じました。年末年始は少しお休みしますが、年明けから新しいメンバーも増え、更にパワーアップしたオサノートを皆様にお届けしていきます。
2021年、ありがとうございました。
来年もよろしくお願いいたします。
年末年始もずっとお仕事なので、初詣は三ヶ日を過ぎた後に北野天満宮へ出かけようと思います。
皆様、良いお年をお迎えください。
11月に入って1週間。秋は京都にとって一番美しい季節だと思うのは私だけではないはず。
今年は10月になっても暑い日が続き、かと思うと急に寒くなったりと寒暖の差がはげしく、着るものに困ったものです。やっと秋らしい日が続くようになってきた今日この頃、ところどころで紅葉が見られるようになりました。
南から北に向かって緩やかに高低差のある京都市内では、北から少し色づいてくるのがおもしろい。十条から国際会館までの高低差はおよそ70mもあるそうです。自転車で南からあがっていくとよく実感できるかもしれません。特に今出川から北山まであがるのはなかなかにキツい。冬でも少し汗ばむほど。
先日、北山通りを車で走っていると、北を見れば赤がずらり、南を見れば緑がずらりという光景を見ました。季節の移り変わりの美しさを目の当たりにできるのも、自然が身近にある京都に住む魅力の一つだと感じます。
さて、西陣ではどこで美しい紅葉が見られるのでしょうか。
きっと他のコラムニストの方が紹介してくださるので、楽しみにしています。
写真は千本通り。奥にいくにつれて黄色くなっているのがわかる。
コロナ禍でテレワークや在宅勤務に切り替わった頃、通勤することもなく座りっぱなしの時間が長くなったため運動不足の人が増えたらしい。無論、コロナ太りしたと言っている人はコロナなどなくてもいつか太るだろうと思うのだが、かく言う私は万年運動不足なので何も言えない。
そんな私も30代になり、体力の衰え感じたためジムに通うことを決意した。
家から徒歩5分のところにあるゴールドジム今出川店。ゴールドジムというと、なかやまきんにくんのような、所謂ガチ勢しかいないと思われるだろう。この今出川店はさすが西陣、老若男女いいバランスで、むしろマダムが一番多いんじゃないかというくらい、街の縮図がこのジム内で見られるのがおもしろい。
やはり狭い街だと思う。自分が働くお店の常連さんと更衣室で会ったり、ジムから近くのスーパーに人が流れていく様子を見ると、スポーツジムという場所も一種の銭湯のようなコミュニティスペースであると実感する。
このゴールドジムは小さい施設ながらマシンの種類も多く、プール、ジャグジー、サウナもある。同じ運動を続けることが苦手な人にはおすすめの施設だ。私は、今はプールは控えているためマシンだけで運動をしている。通い始めて約1ヶ月半。効果はまだない。