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西陣にまつわる人々が、毎日綴るリレーコラムCOLUMN

2021.10.13
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モノの値段。

前回の続き。。
西陣で個人で服飾をされている方に偶然出会い、仕事用エプロンの複製をオーダーしました。

喫茶店で打ち合わせ。
お会いするのは2回目で、同じ年齢だという事もあり自己紹介も兼ねてお互いの事を楽しくお喋りし、エプロンを見てもらいながら納期と値段の見積もりをお聞きしました。
そうしたら、その方から幾らにしますか?幾らなら出せますか?と予想外の質問が返ってきました。

私は服飾関係のお仕事の相場というものが全く分からなかったので
凄く戸惑ってしまいました。

その方は業界の値段の付け方に疑問を持っており、値段が理由で頼み難かったり嫌悪感を抱かれることに抵抗感があるようで、お互いが気持ちよく洋服と向き合える値段をお客様と相談しながら決めているとのことでした。

そのような値段付けをしていることに目から鱗でした。
最低製作費もきちんと提示してくださりましたが、それを見てどうプラスしていけば良いか全くわからず。。結局私ももの作りの仕事をしているので製作者をリスペクトしたく言い値でお願いしました。この方法は難しさもありますが、“想い合う”価値を教えてもらう良い機会となりました。

山本萌加

Société Nouvelles Lunetts 視覚研究所 主任研究員山本萌加

武蔵野美術大学(工芸デザイン学科木工専攻)卒業後、眼鏡制作者七代目山ノ瀬氏に弟子入り。眼鏡制作の修行と、師と共に眼鏡ブランド〝Société Nouvelles Lunetts 視覚研究所〝の主任研究員てしてお店を運営しています。