2021.04.10
Written By西本友亜

京都で街歩きというと、どんな場所を想像するだろう。歴史を感じられる町並みや神社仏閣、おしゃれなカフェ……。今日は、それらとはまた違う歩き方が楽しめる道を紹介したい。
ひとり・面白いものを探して・自分の興味の湧く方へ進んでいく、まるで骨董屋のような楽しみ方が出来る道。それが上立売通り(と、そこからつながる道)だ。上立売通りは南北に揺れながら、西陣を横断している。
車や人の行き交いは少なく、自転車が通れば轍の音が通りに残る。そんな場所だから、面白いと思うものにじっくり向き合うことができる。急にしゃがんだり上を見ながら歩くことだって可能だ。
赤い多肉植物、まわる空き缶風鈴、一部緑に塗られたガードレール、木の格子窓、瓦が埋められた塀、道に落ちた花かんむり。
いけず石や牛乳ボックス、信楽焼の表情に注目してみるのも面白いかもしれない。それらを買うことはできないし、写真を撮って誰かに見せたいわけでもない。しかし、心をときめかせるものがきっとそこにある。試しに今度の晴れた日に、上立売通りを歩いてみてはいかがだろうか。