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西陣にまつわる人々が、毎日綴るリレーコラムCOLUMN

2021.09.20
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バザールカフェのお庭の畑は、いろんな人が手を入れます。

今年の春、1人の学生が畑の隅に大豆の種を蒔きました。
芽が出てくると一緒に喜び、学生の彼は支柱を1本立ててやり、この9月には大豆は50cmくらいの背丈になっていました。
最近バザールに来られていない学生の彼が、成長した大豆を見たらさぞ喜ぶことだろう…。
そう思っていたある日、ボランティアの方がさわやかに「畑に枝豆なってた~」と言って、なんとその大豆に実をつけていた枝豆をすべて収穫したのです。
私はぎょっとして、心を落ち着けて、とりあえず「すごい!」と言いました。
そしてたっぷりのお湯で枝豆を茹でて数名で食べ、学生の彼に謝罪のメールを入れました。
彼は、「大丈夫です」「オモロイ」とのこと。
寛大な彼に感心していた数日後。
別のボランティアの方が、「畑の草引きやっといたで!あ、こんなんあったで」と言って見せてくれた手には、根っこから引き抜かれた大豆。
私はもうぎょっともせず、思わず笑ってしまいました。
伝えると、大学生の彼も笑っていました。

共用の場所をつくり使うこと、分け合うこと。

大豆と大豆を取り巻く人たちによって、そんなことを考えた秋のはじまりです。

狭間明日実

バザールカフェ店員狭間明日実

バザールカフェ事務局6年目。日々の営みをとおして、場から起こるもの、個人がのびのびと生きることなどを考えています。 傍らで、地域、福祉、食べることにまつわるいろんな仕事や遊びをしています。 同志社大学社会福祉学科卒業。社会福祉士。海が好き。