2022.10.01
Written By瀬川航岸

木を見て森を見る。
9月12日に参加したSILKの大研究会で大室所長が、開会の挨拶としてこの言葉を贈ってくださいました。
「木を見て森を見ずとは一般的に言われますが、私は最近、木を見て森を見ることが重要ではないかと考えました。一本の木を突き詰めていけば、そこには無数の細菌の営みがあり、大地の働きがあり、その木が影響を与えている物事がある。つまり、一本の木を見るためには森を見なくてはならない、そんなことを思うようになったのです」
以来、ぼくの脳裡ではこの言葉が反芻しています。京都で暮らしをはじめて半年が経過しようとしていますが、なによりもぼくが体験していることだからかも知れません。地域の皆さんと関わり続け、ローカルと生きることを問い続け、愛にゆだねて、一本のbeingの木を、ただ、じいっと、みつめてきました。驚きに満ちた日々が自分の微力さを教えてくれ、自分と、他者と、この大地と、歴史に再会して、ショックで血塗れになって家へ帰ります。
そんなことより、船岡山では金木犀が花を咲かせました。香りをのせた秋風が事務所にそよよ~と吹き込み、黄昏を待ち望むラブリーな季節です。かけがえのないときを、一瞬たりとも逃したくない!