2021.12.07
Written By黒田健太
仕事を終えて帰宅する夕方、いつも出会う人がいる。
最初は目が合うだけだったが、今では立ち止まって頭を下げるようになった。
近所の人、なのかもしれないし
たまたま職場が西陣なのかもしれない。
互いに言葉は交わさない。
なのでその道で出会う、ということ以外僕たちは知りようがない。
たぶんこの先もお互いのことを知ることはないだろう。
それでも姿を見つければ目を合わし挨拶をする。
ぼーっと家に帰る道でも、挨拶を交わすと元気が出る。
知らない人にケアされているんだな、と思う。
一緒にいること、コミュニティというのはどういうことなのか、と考えさせられる。
もしかすると、これもささやかなコミュニティなんじゃないだろうか。
今日は雨が降っている、あの人はあの道を通るだろうか。
紡ぎ手/綴り手黒田健太 オサノート
初めまして、 西陣に住んでいる黒田健太です。 夜のがらんとした千本通を歩くのが好きで、たまに夜中に出かけます。生活をしていると忘れてしまうのですが、そんなささやかな時間にときどき立ち寄りたいと思っています。