2021.05.19
Written By中島慶行

かつて、二条城の北側に、京都社会福祉会館という、1969(昭和44)年9月開設の古い建物がありました。エレベーターは今にも止まりそうだし、空調は全然効かないか効きすぎるかのどちらかだし、電灯は薄暗いし、エントランスは昭和ムードむんむんで、お世辞にも居心地の良い空間とは言えませんでした。
とはいえ、京都社会福祉士会や、認知症の人と家族の会の事務局など、さまざまな福祉系団体の事務所が入っていて、私も研修や会議などで幾度となく通った思い出深い場所です。
2020(令和2)年3月末をもって閉館しましたが、その前年、RUN伴(認知症普及啓発のランニングイベント)の上京区の実行委員の統括を務めた際、どうしても京都社会福祉会館をコースに入れたくて、少し迂回するコース設定にして、京都社会福祉士会の職員さんにも走ってもらいました。
今後、会館は取り壊され宿泊施設に生まれ変わるようですが、自分の福祉観を醸成してくれた場所のひとつとして、建物は変わっても、前を通るたびにいろんなことを思い出すのだろうなあと思います。