2021.05.11
Written By南知明
5月。京都は氏神さんのお祭りの時期。ここ西陣の氏神さんは、北区にある今宮神社。京都の大きな神社は氏子区域が広いのも特徴で、概ね堀川通(一部、小川通)と七本松通に囲まれた一帯が今宮さんの氏子区域で、南は二条城の北側に達します。
その今宮さんの祭礼、今宮祭も5月の京都を彩るお祭りの一つです。例年であれば、5日の神幸祭で神輿が氏子区域を巡幸して、大宮通の鞍馬口と北大路の間にある御旅所に安置されます。そして15日前後の日曜日(今年は16日)の還幸祭で再び氏子区域を巡幸し、神社へと戻ります。したがって今の時期は、本来であればお神輿が御旅所に安置されています。
残念ながらコロナ禍の今年は、御神霊を神馬の鞍上の御座に移しての巡幸となり、神輿は巡幸されないことになりましたが、このお神輿、実は現在、神社境内の本殿に安置されています。
今宮祭はもともと、平安時代に流行した疫病を鎮めるために催行された「紫野御霊会」が起源といわれています。疫病のさなかの今年、例年とは形をかえて催行されている今宮祭に、ご自宅からでも想いを馳せ、ともに「疫疾消除」(今宮祭のポスターから言葉を拝借しました)を祈ってみませんか。
上京ちず部 副部長南知明
鴨川近くで生まれ、幼い頃から近くの上京区の商店街の店主の方々に見守られ育つ。現在は「まいまい京都」商店街食べ歩きツアーなどのほか、地理好きを活かし、「上京ちず部」副部長など、上京区全般で活動。本業は宿泊業。京都観光おもてなしコンシェルジュ。