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西陣にまつわる人々が、毎日綴るリレーコラムCOLUMN

2021.09.03
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カレーというものが特段好きでも嫌いでもなかったのですが、20代終盤に突如インドに旅立ったことがあり、カレーしかない生活をひと月ほど送ったことがあります。
飽きるよとか、絶対おなかを壊すんだよとか、そうした事前にいただいた予想はことごとく外れ、何食べても美味しいし身体も絶好調だしでインドの食文化最高・・・!!と堪能の日々。
その美味しさの広がりは、地方によって、またその家々のお母さんのさじ加減によって、様々な味わいと彩りを魅せてくれます。豊かな、なんとも豊かな世界に触れ、カレーという概念はすっかり覆ったのでした。
これは、「スパイスを使った郷土料理」なのだな。と。
帰国してからは自ら作るようになり、そこから程なくして、寳幢寺に来られる方々にも振る舞うように。作って作って振る舞って、行き詰まった折にはインド料理に精通した人が何故かふらりと現れては深い気づきを与えてくれて去って行く。そしてまたレベルを上げつつ作り続ける。そんなセルフインド料理修業も早5年目くらいでしょうか。
また状況が落ち着いたらイベント等で振る舞える機会があるといいなと思いながら、西陣の片隅で今日もカレーを作るのです。

松波さゆり

和裁士松波さゆり

岡山県出身。布好きが高じて京都で学び暮らし始めて早18年目。プロの和裁士としてテレビドラマの衣装をはじめ様々な仕立てを手掛ける。現在は市民運営の寺院 ”寳幢寺”のスタッフとして日々を過ごしながら、社会や地域に貢献できることを模索しています。