2021.06.20
Written By龍田 春奈

まちの景色は、時代とともに変わっていく。約3年前のこと、千本今出川の交差点に立ち並んだ老舗、アオタニ文具店とミヨシ堂時計店が建て壊され、煌々と明るいコンビニに変わってしまった時は、勝手ながらもやはりショックだった。高くそびえたった壁に、古い大きな時計があるのが好きだったし、千本今出川のシンボルだった。この機会に調べてみると、昭和4(1929)年に建てられ、京都市文化局によって「京都を彩る建物や庭園」に認定されていたらしい。文化財保護課のページに残っていたのだ。これは知らなかった!
景観を大事にする京都で、重要な建物が建て壊されたり、専門店が廃れていく様子を見るのはさみしい。役割をコンビニや100均に取って代わられる。
個人的に南から北へ千本通りを上がることが多いため、家のすぐ手前にあるその時計でいつも時間を確認していたことも大きかった。せめて名残として、新しく建つ建物の壁にも時計をつけてくれとひそかに願った。同じように願う地元民からの要請があったのかもしれない。今はセブンイレブンの壁で新しい時計が、西陣の時を刻んでいる。
※手持ちの写真がなかったので、気になる方は千本今出川へ、おこしやす。