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西陣にまつわる人々が、毎日綴るリレーコラムCOLUMN

2021.05.06
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「人はなぜ服を着るのだろう」
機能面だけならば、布を巻き付けているだけでも構わないのに。

身に纏うもののデザイン、肌触り、使い込んでゆくほどに生まれる心地よさや愛着。そんな布と人との関わりにとても魅力を感じて、当時片田舎の高校生だった私は、そんな幸せを創れるようになりたいと思ったのでした。

京都には“西陣”という染織の本場があるじゃないか。
憧れて出てきて、もう故郷での年月を追い越そうとしています。

大学で染織を学んでのち、和裁の修業を積んで独立。いち作り手として人の幸せを考え追い求める中で、ご縁あって4年前から上京区に暮らすことに。

豊かな伝統文化が息づく街。そしてここで出会う人たちは、これからの街の在り方を真摯に考え、それぞれのやり方で行動されている。お人とお人が繋がり、アイデアを紡ぎ合い、新しい景色が日々生み出されている。

まるで縦横の糸が織りなす布地のよう。だなんて、詩的に過ぎるかもしれないけれども。
街のこと、ここで暮らすお人のこと、想いに触れて心にジーンと来たことも一度や二度ではないのです。

この街で暮らして、日々の中で出会う素敵な人やもの・ことをひとつずつご紹介してゆけたらと思っています。

松波さゆり

和裁士松波さゆり

岡山県出身。布好きが高じて京都で学び暮らし始めて早18年目。プロの和裁士としてテレビドラマの衣装をはじめ様々な仕立てを手掛ける。現在は市民運営の寺院 ”寳幢寺”のスタッフとして日々を過ごしながら、社会や地域に貢献できることを模索しています。