2021.04.17
Written By淀谷斉加

『あそこの職人さんがもう辞めはるんやて』『子どもに継がせてもなぁ、この先考えたら…』という大人の話。このよう会話を聞くたびに、「なんとかならんもんなんかなぁ」と思い続けて十数年。写真では伝わりきらへん美しさがあり、後世に伝えていきたい、遺していきたい。と思う伝統産業品の数々が京都にはあります。特に西陣では西陣織が有名です。完成するまでには材料準備から仕上げまで、たくさんの工程があります。手で数えられないほどの職人さんが関わっておられ、1人でも欠けたら完成するのは難しい。そしてその技はすぐに体得できるものではなく、向き不向きもある。 これら以外にも様々なハードルを超、私たちが後世に遺していくためには何ができるだろう。想いを巡らせ西陣のまちを歩く。そうすると普段とはまた、違った風景が浮かんできます。 とまぁ、書きましたが、日々の暮らしの中にそのような余裕はほとんどなく…ときたま、朝の時間や休日にゆっくり歩いてみると見えてくる風景、目に入ってくるものが変化します。西陣というまちは”歴史”と”新しさ”が混在している地域です。多様性を感じながら新たなまちの魅力を発見することがとっても面白いです。