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西陣にまつわる人々が、毎日綴るリレーコラムCOLUMN

2022.12.03
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紅葉の季節に雨が降って、冬の景色に一歩近付くと、ほんの少しだけ切なくなる。雨後はそもそも寒くなるし、夜は生活の熱気が冷めるし、冬って感じのそっけない風が吹く。サンダルで外に出ようものなら、悲鳴がくるぶしに集結して、無音で「さ」と「む」を口にする。近くに誰もいなければ「さ」と「む」に音が付与される。
まだ紅葉が盛んだったときに、最寄りの公園を歩いていると、葉っぱが赤すぎて怖いと思った。毒々しいとも思った。こんな感覚になるのは初めてだったけど、もしかしたらこんな感覚になってもおかしくはないのかもしれないとも思った。先祖がまだ狩猟生活をしていた時代はきっと冬が怖くて、その怖さは越冬できるかどうか分からない不安から来るもので、秋の訪れを告げる赤い葉っぱの群れはその不安に拍車をかける存在だと考えたからだった。冬に対する恐怖がDNAに刻まれているに違いないと考えたからだった。でも先祖が紅葉によって不安に苛まれていたかどうかはわからない。本当は現代と同じように紅葉狩りをしていたかもしれない。実際陽光を浴びた紅葉を、その裏側から見ているときは心地良い。

益田雪景

ライター益田雪景 オサノート

広島県出身。同志社大学在学中。大学ではボランティア支援室学生スタッフARCO及び新島塾2期生としても活動中。小説家は太宰治と遠野遥、映画は「劇場」と「ミッドナイト・イン・パリ」、音楽はgo!go!vanillasとB T Sが好きです。