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西陣にまつわる人々が、毎日綴るリレーコラムCOLUMN

2022.10.03
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ジョッキに注がれた生ビールをゴクリゴクリと流し込んでいると、「あぁ、夏だ」と感じる。あるいは、夏が来たと感じているから、生ビールをゴクリゴクリとしたくなるのかもしれない。卵が先か、鶏が先か。生ビールが先か、夏が先か。

瓶に入っているビールをグラスに注ぎ、しっぽりとやっていると、「あぁ、秋だ」と感じる。あるいは、秋が来たと感じているから、瓶のビールでしっぽりとやりたくなるのかもしれない。卵が先か、鶏が先か。瓶ビールが先か、秋が先か。

僕は瓶ビールでしっぽりとやるのが特に好きで、テーブルを囲む人たちで少しずつ瓶の中身を分けていく手間がなんとも愛おしい。上司と部下でビールを注ぎあったりなどのコミュニケーションは面倒くさいけれど。「同じ釜の飯」のように、「同じ瓶のビール」という言葉があってもいいような気がする。気のしれた友人と注ぎあったりするのも妙に楽しかったりする。

瓶の中のビールを、一滴でも多く飲んでやりたいと思って、虎視淡々と瓶ビールを狙っているから、必然的にグラスの中身が減るスピードは速くなり、注ぐ回数も多くなる。Sapporoの瓶ビールを箱で手に入れて、上から眺めるとたくさん星があったりするから、なんだかプラネタリウムみたいでロマンチックだ。

僕はいつどこで瓶ビールが飲みたくなっても安心できるように、小さめの栓抜きをいつも携帯している。それほどに、僕は瓶麦酒至上主義者なのである。

大成海

綴り手/探り手大成海

京都在住の大学生。22歳。6年ほど前から視力が低下し、眼鏡をかけ始める。次第に眼鏡の沼にハマってゆき、今では数種類の眼鏡を日によってかけ分けるほどに。小学校の頃は地域のソフトボールチームで三塁手だった。