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西陣にまつわる人々が、毎日綴るリレーコラムCOLUMN

2022.07.25
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京都の夏を代表する行事といえば、やはり祇園祭。今年は3年ぶりに山鉾巡行も復活し、196年ぶりに復帰した鷹山も含めて35基の山鉾も勢揃いしました。
中世の京都は職人のまち・上京と商人のまち・下京に分かれていましたが、祇園祭といえば商人のまち・下京の町衆の祭り。応仁の乱後に下町と呼ばれたまちが形成されたエリアは、現在祇園祭の山鉾が建っているエリアとほぼ合致しています。
そんな下京を代表する祇園祭ですが、上京の職人の技が多く取り入れられています。それぞれの山や鉾には、前掛・銅掛・後掛・見送・水引などと呼ばれる懸装品が掛けられていて、宵山の時は会所で一般公開されているものもありますが、この中には西陣の織物の技術が多く取り入れられています。毎年のようにどこかの山鉾の懸装品が新調されたというようなニュースがありますが、今でも西陣の技術がよく使われます。
祇園祭は下京の祭りやから、なんて言うこともありますが、上京の技術に支えられている側面もある、オール京都のお祭りなんだと思います。今年の祇園祭は間もなく終わりますが、今後祇園祭に行かれる際は、是非懸装品にも注目していただけたらと思います。

南知明

上京ちず部 副部長南知明

鴨川近くで生まれ、幼い頃から近くの上京区の商店街の店主の方々に見守られ育つ。現在は「まいまい京都」商店街食べ歩きツアーなどのほか、地理好きを活かし、「上京ちず部」副部長など、上京区全般で活動。本業は宿泊業。京都観光おもてなしコンシェルジュ。