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西陣にまつわる人々が、毎日綴るリレーコラムCOLUMN

2022.07.16
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とある日、KéFUにて夜ご飯に何を食べようかと悩んでいた。キッチンパパに行こうか、中立売まで下って王将に行こうか……と話していると、眼鏡をかけた坊主の知人が”とんが”というとんかつ屋に行ってosanoteでコラムを書けと言うので、仕方がないなと思いつつも、僕も少しだけ気になっていたし、まぁビールが飲めるならそれで満足だった。

KéFUから程なく歩いた場所に”とんが”はあり、とんかつを中心にお肉の料理がメニューに並んでいる。店に入り、メニューを見るなり僕は唸る。とりあえず瓶ビールをいただくのは大前提として、どれも美味しそうなので、欲を言うならば全てのメニューを一度に注文したい。もちろん、胃袋も財布もそのような貴族的な暴挙は許してはくれぬから、どれかひとつに決めねばならない。とんかつ屋でとんかつを頼むのは、とんかつ屋の思うツボだと考えた僕は、ミンチカツの定食を注文し、瓶ビールをしっぽりやりながら定食が出てくるのを待つ。

出てきたお皿にはミンチカツがいくつか乗っており、食事はまず野菜からとしつけられている僕はサラダをすべて平げ、箸でミンチカツを分けながらお肉を噛み締めてゆく。それにしても、ビールはあまたの料理と相性が良いと有名だが、僕が思うに、お肉料理との相性は格別である。こんがりとした狐色に黄金の液体が並ぶと、人間の食欲に抵抗の余地はない。そうして、お肉とビールのマリアージュを心から祝福しているうちに、瓶の中も皿の上もきれいになっていた。

大成海

綴り手/探り手大成海

京都在住の大学生。22歳。6年ほど前から視力が低下し、眼鏡をかけ始める。次第に眼鏡の沼にハマってゆき、今では数種類の眼鏡を日によってかけ分けるほどに。小学校の頃は地域のソフトボールチームで三塁手だった。