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西陣にまつわる人々が、毎日綴るリレーコラムCOLUMN

2022.05.16
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僕はUSJの話をしているとUSJに行きたくなるし、平家物語の話をしていると寂光院に行きたくなる性分だ。先日、友人とパンの話をした。正確には、美味しいクロワッサンを食べたいという友人の願望をひたすら聞いていた。ので、パンが食べたくなり、大正製パン所を訪れ、いくつかパンを買った。もちろん、クロワッサンは一番最初にトレーに乗せた。と思う。
大正製パン所といえば、このコラムを読んでいる人ならきっと知っている人も少なくはない老舗のパン屋さんだ。千本今出川の交差点からほど近いところにあって、緑色の看板が店前に立っている。赤い文字で描かれた「大正製パン所」の下には、緑色の「創業大正八年」が並ぶ。
大正八年は、西暦に直せば1919年であり、調べたところによるとカルピスが販売された年らしい。実はカルピスと同い年のパン屋さんが西陣にあって、とても美味しいから行った方がいい。という伝え方で誰かにおすすめすれば、その誰かは老舗のパン屋さんかカルピスに興味を持ってくれるに違いない。あるいは、ここのパン屋さんはカレーパンが美味しくて、カルピスとの相性が抜群なんだ、と熱心に語れば、どうなってしまうのか見てみたい。

益田雪景

ライター益田雪景 オサノート

広島県出身。同志社大学在学中。大学ではボランティア支援室学生スタッフARCO及び新島塾2期生としても活動中。小説家は太宰治と遠野遥、映画は「劇場」と「ミッドナイト・イン・パリ」、音楽はgo!go!vanillasとB T Sが好きです。