2022.05.04
Written By赤澤 林太郎
【路地の魅力と注意点】
西陣に限らず京都の旧市街エリア全般に言えることだが、路地が大変多い。「路地」というものの定義があるのかはわからないので、ここで言う路地とは「公道に面していない、建物の全面通路の幅員が3m未満のもの」としておく。
現在では建物を新しく建てる時には「幅員4m以上の建築基準法上の道路に2m以上接していること」というきまりがある。なので、路地沿いに建つ建物は基本的には再建築することはできない。このことが京都の路地空間を継承してきた要因とも言えるかもしれない。
路地が発達した理由はいろいろあると思うが、京都の土地の割り方は「ウナギの寝床」と言われるように細長く、道路に面した部分に家が建ち、奥は畑などにして野菜などをつくていたのだが、都市化がすすんで市場が発達してくると畑として使う必要がなくなった。なので、土地の活用方法として住宅を建てて貸していた。賃貸物件なので当然あまりお金はかけず、簡素なものが多い。表に建つ家の裏に建て込んで建てられるのであまり日当たりや風通しもよくはないケースが多い。しかし一方で、石畳が敷かれ、採光や風通しに配慮された路地を見ると「京都だなあ」と思う。