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西陣にまつわる人々が、毎日綴るリレーコラムCOLUMN

2022.03.15
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リレーコラムを書かせていただいて、早くも一年が経とうとしています。 季節も巡り、日差しにもずいぶん暖かさを感じる頃合いとなってきました。 近所を散歩していたら、同志社大学の前に八重咲きの梅を見かけました。一瞬桜かと思うほど淡く美しい桃色に、これから来る春を思っては心が浮き立つような気分に。 春を迎え、夏が来て、秋が過ぎ、冬を越えて、また新しい春が来る。 幾多のその日その瞬間を重ねての今日、今現在があるのですが、過ぎ去った時間というのは振り返るとあまりにもあっという間でいつも驚くのです。 一年の振り返りを思うのは、新年よりも、いつも春の直前のこの頃です。 人生の残り時間を秒数や日数で考えるよりも、 「あと何回春を迎えられるのか」と考える方が非常に心に刺さるのはやはり日本人ならではかと。 四季の巡りは繰り返しではなく、変化を続ける途上。 これからの春は、そしてこの春の先は、どんな景色が待っているのでしょうか。 一歩一歩、また新しい一日を迎え、積み重なり新しい景色が広がっていく。 人生とはなんとも味わい深いものかと、春を前にふと、とりとめもなく。

松波さゆり

和裁士松波さゆり

岡山県出身。布好きが高じて京都で学び暮らし始めて早18年目。プロの和裁士としてテレビドラマの衣装をはじめ様々な仕立てを手掛ける。現在は市民運営の寺院 ”寳幢寺”のスタッフとして日々を過ごしながら、社会や地域に貢献できることを模索しています。