2022.03.20
Written By磯村明見

3月3日は桃の節句ということで、お雛さんを出しました。
昔はまだ主流ではなかったコンパクトな仕様になっているお内裏様とお雛様だけのお雛さん。ひな壇を購入したら、いずれ飾らなくなるからと亡き祖母が選んで購入してくれたそうです。
コンパクトなので出しやすいのですが、日本人形の天敵であるカビ・シミ・変色から守るための保管は、大きさ関係なく難しい。カビ・シミ・変色していないか毎年ドキドキしながらお雛さんを出しています。
一見素朴でシンプルなお雛さんですが、よく観ると烏帽子(えぼし)は漆塗りで作られていたり笏(しゃく)が象牙だったり、檜扇は作家の名前が書かれていたり、着ていらっしゃる衣冠束帯と十二単は西陣織であったり…細部までこだわった作りになっていることを幼い頃は気がつきませんでしたが、大きくなってから気がつきました。
私はその良さに気が付いた当時、少しは知識や知見を培えて目利き出来るようになり、祖母の感じる「良さ」に共感できたかなと嬉しく感じました。
祖父母が人形屋さんで選んでいるその光景が、今でも目に浮かびます。
おじいちゃんおばあちゃん、ありがとう。
毎年飾ってます。