2022.03.05
Written By亀村佳宏

先日、近所を散歩していたら、いつもよく通る道で違和感のある風景が目に止まった。
「こんなところから空見えたかな?」
北野商店街の見覚えのある風景ではなく、自分の知らない町に訪れた感覚がする。この場所はガレージではなく、何か家が立ち並んでいたように思うのだが、こんな時、記憶は曖昧なもので、意識して見ていないから何があったのか全く覚えていない。脳を絞り出して、いくら思い出そうとしても、空を覆い隠す建物の輪郭ぐらいしか思い出せない。中信(京都中央信用金庫)の壁には失われた脳の記憶の残像がうっすら浮かび上がっていた。