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西陣にまつわる人々が、毎日綴るリレーコラムCOLUMN

2022.03.01
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《仕出し文化》

京都には”仕出し”という文化があります。
今流に言えば料理のデリバリーのことですが、気軽なお弁当から、フルコースの懐石まで幅があって、さまざまな料理を身近に愉しむことができます。

祇園の一般的なお茶屋さんは、自ら料理を用意せずに仕出しを頼み、席を貸しています。
その席のアレンジはお客様の利用目的に沿うものなので、本来は自由度が高いのです。
そこでは、舞妓さん芸妓さんをお願いして遊興の席にしても良し、会議の席に利用しても良し。
集まりの趣旨に合わせて会場も選びます。

京都では地域の有志による活動も活発なので、仕出しはその会合が和やかな雰囲気に進むための潤滑剤にもなっています。

古来から日本を動かすときに付き物の、密議、密談、謀議といった穏やかならざる謀りごとの文化も、こういうふうに始まったのでしょうか。

山ノ瀬亮胤

眼鏡制作者・現代美術家・ソシエテヌーベルリュネト視覚研究所々長山ノ瀬亮胤

京都市上京区在住。眼鏡制作者・現代美術家・ソシエテヌーベルリュネト視覚研究所々長。芸術~工芸に拡がる独自分野の構築で国内外より評価され欧州ハプスブルグ家御用達。マスメディアでの出演・取材多数。豊かな江戸庶民文化と職人の心を紹介している。