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西陣にまつわる人々が、毎日綴るリレーコラムCOLUMN

2022.02.24
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今年に入って時間があっという間に過ぎ去り気がつけば、2月ももう半ば。
まだ雪が降る日も続いています。

私は九州生まれでどちらかと言えば夏が苦手でした。が、京都の冬を経験してから一気に冬が苦手になってしまいました。
寒さの質がまったく異なり、良く言われていますがとにかく“芯から冷える”寒さに毎年びくびく、ぶるぶるしております。
しかし、雪を纏った京都の冬はついつい寒い中外出したくなる程に風情を増し、雪景色にうきうきしてしまいます。

風情を楽しむ事が出来るようになったのは確実に京都に来てから。

数年前の大雪の日は、師匠に誘われて雪に覆われた金閣寺を見に行きました。その時はなぜ朝早くから寒い中わざわざ行くのだろうか?と疑問だらけでついて行きました。人混みの中見た雪の白と金のコントラストと池の青い氷は今でも脳裏に焼き付いています。

もう一つは紅葉の時期。
九州では紅葉狩りに行くという慣習は持ち合わせていなかったのですが、京都では桜の開花と同じ盛り上がりを見せている事に驚きましたし、気が付いたら毎年紅葉狩りに行っている気がします。

風情を愛でるという習慣を楽しむ事ができ、あ、大人になれたなと思った今年の寒い寒い冬でした。

山本萌加

Société Nouvelles Lunetts 視覚研究所 主任研究員山本萌加

武蔵野美術大学(工芸デザイン学科木工専攻)卒業後、眼鏡制作者七代目山ノ瀬氏に弟子入り。眼鏡制作の修行と、師と共に眼鏡ブランド〝Société Nouvelles Lunetts 視覚研究所〝の主任研究員てしてお店を運営しています。